「朝起きたら、背中に爪でひっかいたような赤い線がたくさんある」「かいた覚えはないのに、ミミズ腫れが増えていく」「数日前に、バーベキューでシイタケを食べた」。きのこがおいしい秋に増える皮膚トラブルのひとつです。見た目が独特なので驚く方が多いですが、原因が分かれば対処できます。
シイタケ皮膚炎とは(仕組み)
シイタケ皮膚炎は、生、または加熱が不十分なシイタケを食べたあとに起こる皮膚の反応です。シイタケに含まれるレンチナンという成分(多糖類の一種)が関係していると考えられています。この成分は熱で壊れやすいため、十分に加熱したシイタケでは起こりにくいとされています。
すべての人に起こるわけではなく、同じものを食べても出る人と出ない人がいます。体質による反応と考えられており、一般的な食物アレルギー(食べてすぐにじんましんや息苦しさが出るタイプ)とは仕組みが異なります。
食べた場合のほか、シイタケの栽培や収穫の仕事をしている方が、胞子や生のシイタケに触れることで皮膚炎を起こすこともあります。
症状・見分け方
典型的な経過は次のとおりです。
- 食べてから半日〜2日後に発疹が出始める
- むちで打ったような、ひっかいたような線状の赤い発疹が、背中・お腹・胸・腕・太ももなどに多数現れる
- 強いかゆみを伴い、かくとその線に沿ってさらに発疹が増える
- 小さな赤いブツブツが線状に並ぶこともある
| 病気 | 発疹の形 | 出るまでの時間 | 続く期間 |
|---|---|---|---|
| シイタケ皮膚炎 | ひっかいたような線状の赤い発疹が多数 | 食べて半日〜2日後 | 1〜3週間ほど |
| じんましん | 地図状・円形の盛り上がり | 数分〜数時間 | 1つ1つは数時間〜1日以内で消える |
| 皮膚描記症(こすると出るじんましん) | こすった線に沿ってミミズ腫れ | こすって数分 | 30分〜数時間で消える |
| かぶれ(植物・虫など) | 触れた部分に一致した赤み・水ぶくれ | 触れて数時間〜2日 | 1〜2週間 |
1つ1つの発疹が何日も同じ場所に残る点が、数時間で消えるじんましんとの違いです。皮膚科では、発疹の形と、数日以内に何を食べたかを聞いて診断します。受診のときは、発疹が出る前の2〜3日に食べたものを思い出しておいてください。鍋・焼き物・炒め物などで、シイタケが半生だった可能性がないかが手がかりになります。
治療・セルフケア
シイタケ皮膚炎は、原因のシイタケを食べなければ自然に治っていく病気です。治療は、治るまでの間のかゆみと炎症を抑えることが目的です。
- ステロイド外用薬: 赤みとかゆみを抑えます。発疹の範囲が広いことが多いので、塗る範囲と量を医師に確認してください
- かゆみ止めの飲み薬(抗ヒスタミン薬): 夜間のかゆみで眠れない場合に使います
- ステロイドの飲み薬: 範囲が広く、かゆみが非常に強い場合に、短い期間だけ使うことがあります
治るまでの期間は、多くは1〜2週間、長くても3週間ほどです。発疹が消えたあと、茶色っぽい跡がしばらく残ることがありますが、時間とともに薄くなっていきます。
おうちでは、次のことに気をつけてください。
- かかない: かくと、その線に沿って新しい発疹が増えます。かゆいときは保冷剤をタオルで包んで当てて冷やします
- 熱いお風呂・飲酒・激しい運動を控える: 体が温まるとかゆみが強くなるためです
- 締めつけの少ない服を着る: こすれが刺激になります
受診の目安
- 線状のかゆい発疹が体のあちこちに出ている
- かゆみで眠れない、日常生活に支障がある
- 市販のかゆみ止めを塗っても、数日たって良くならない
- 原因がシイタケか分からない(ほかの病気との区別が必要です)
きのこを食べたあとに、吐き気・嘔吐・下痢・腹痛・意識がもうろうとするなどの症状が出た場合は、毒きのこによる食中毒の可能性があります。皮膚炎とは別の問題なので、すぐに医療機関を受診してください。息苦しさ、唇やまぶたの腫れ、全身のじんましんが急に出た場合は、迷わず119番に連絡してください。
よくある質問
一度なったら、もうシイタケは食べられませんか?
しっかり火を通したシイタケであれば、食べても問題ない方が多いです。中心まで十分に加熱し、半生の状態で食べないようにしてください。ただ、不安が強い場合や、加熱したものでも症状が出た場合は、医師に相談してください。
干しシイタケでも起こりますか?
干しシイタケでも、もどしたあとの加熱が不十分だと起こることがあります。煮物などでしっかり火を通せば、起こりにくくなります。
家族にうつりますか?
人にうつる病気ではありません。ただ、同じ料理を食べた家族に同じような発疹が出ることはあります。その場合も、それぞれが受診して相談してください。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-02)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A かぶれ(確認日: 2026-10-02)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

