「ひじに黄色っぽいブツブツが急にたくさん出てきた」「アキレス腱が太くなってきた気がする」「手のひらのしわが黄色い」。黄色腫(おうしょくしゅ)は、皮膚に脂質がたまってできる黄色いできものです。まぶたにできる「眼瞼黄色腫」はよく知られていますが、体のほかの場所にもできることがあり、そちらは体の中の状態を映していることが多いのが特徴です。
黄色腫とは(仕組み)
血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が多い状態が続くと、脂質を取り込んだ細胞が皮膚や腱にたまり、黄色いできものになります。これが黄色腫です。
背景には次のような状態があることがあります。
- 家族性高コレステロール血症: 生まれつきコレステロールが高くなりやすい体質。若いうちから心臓の血管の病気に注意が必要です
- 中性脂肪が非常に高い状態: 糖尿病のコントロールが悪い、飲酒量が多い、などで起こります
- 甲状腺の働きの低下・腎臓や肝臓の病気: 二次的に脂質が上がることがあります
一方で、血液の脂質が正常でも黄色腫ができることがあります。そのため、見た目だけで判断せず、検査で確かめます。
症状・見分け方
黄色腫は、できる場所と形によっていくつかのタイプに分かれます。タイプによって、背景にある脂質の異常の傾向が違います。
| タイプ | 見た目と場所 | 手がかり |
|---|---|---|
| 眼瞼黄色腫 | まぶたの内側寄りの平らな黄色い斑 | 最も多いタイプ。脂質が正常な人にもできる |
| 発疹性黄色腫 | お尻・ひじ・ひざに、赤みを帯びた黄色い小さなブツブツが急にたくさん出る | 中性脂肪が非常に高いことが多い。かゆみを伴うこともある |
| 結節性黄色腫 | ひじ・ひざ・お尻に、黄色く硬いこぶ | コレステロールが高いことが多い |
| 腱黄色腫 | アキレス腱や手の甲の腱が太く硬くなる | 家族性高コレステロール血症で見られることが多い |
| 手掌線状黄色腫 | 手のひらや指のしわに沿った黄色い線 | 特定の脂質異常で見られる |
見た目が似ているできものに、皮膚の中の小さなしこりである稗粒腫(はいりゅうしゅ)、皮脂腺が大きくなる脂腺増殖症、粉瘤などがあります。必要に応じて、できものを一部取って顕微鏡で調べることもあります。
治療・セルフケア
まず、血液の脂質を整える
黄色腫の治療で最も大切なのは、原因になっている脂質の異常を治療することです。血液検査でコレステロールや中性脂肪、血糖、甲状腺の働きなどを確かめ、異常があれば内科(循環器内科・代謝内科)と連携して治療します。
- 食事の見直し(脂質・糖質・お酒の量)と運動
- 必要に応じて、脂質を下げる飲み薬
- 糖尿病や甲状腺の病気があれば、その治療
脂質がきちんと下がると、発疹性黄色腫は数週間〜数か月で小さくなっていくことが多いです。結節性黄色腫や腱黄色腫は、小さくなるまでに時間がかかります。
見た目が気になる場合
脂質を整えても残るできものや、まぶたの黄色腫は、手術で取る、レーザーで焼くなどの方法を検討します。ただし、脂質の異常が続いていると取っても再発しやすいため、皮膚の治療は脂質の治療と並行して考えます。
受診の目安
- ひじ・ひざ・お尻などに、黄色っぽいブツブツやこぶが出てきた
- 黄色いブツブツが短い期間に急にたくさん出た(中性脂肪が非常に高いことがあります)
- アキレス腱が太い・硬いと感じる
- 家族に、若いうちに心筋梗塞や狭心症になった人がいる
- 健康診断でコレステロールや中性脂肪の値を指摘されたまま、治療していない
中性脂肪が非常に高い状態は、膵炎(すいえん)を起こすことがあります。強い腹痛や背中の痛み、吐き気がある場合は、すぐに内科・救急を受診してください。迷うときは救急安心センター(#7119)に相談できます。
診察室でよく聞かれる質問
皮膚科と内科、どちらに行けばいいですか?
できものが黄色腫かどうかを見分けるのは皮膚科、脂質の治療は内科が中心になります。まず皮膚科で見てもらい、必要に応じて内科と連携する流れで問題ありません。健康診断の結果をお持ちいただくと、話が早く進みます。
放っておくとどうなりますか?
できもの自体ががんになることはありません。ただ、背景の脂質の異常を放っておくと、心臓や脳の血管の病気のリスクが高いままになります。皮膚が体の中の状態を知らせてくれている、と考えて検査を受けてください。
子どもにもできますか?
生まれつきコレステロールが高い体質の場合、子どものうちから腱や皮膚に黄色腫が出ることがあります。家族に同じ体質の方がいる場合は、小児科で相談してください。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-06)
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-10-06)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

