「最初は虫刺されかと思ったのに、何か月も新しいのが出てくる」「かさぶたになって治ったあとに、白っぽいあとが残る」。若い方や子どもに多い病気で、名前が難しく聞きなれないため、不安になる方が多い病気です。
苔癬状粃糠疹とは(仕組み)
皮膚の中で免疫の細胞(リンパ球)が集まり、小さな炎症があちこちで起きては治る病気です。はっきりした原因はわかっていませんが、ウイルス感染などをきっかけにした免疫の反応が関係していると考えられています。
経過の速さによって、大きく2つの型に分けられます。
- 急性型(急性痘瘡状苔癬状粃糠疹): 赤いブツブツが急に多数出て、中心に水ぶくれやかさぶたができる。水ぼうそうに似て見える
- 慢性型(慢性苔癬状粃糠疹): 赤茶色の平らなブツブツに、薄いうろこ状の皮(雲母のような皮)が付く。ゆっくりと出たり消えたりをくり返す
両方の型が混ざっていることや、途中で型が変わることもあります。
症状・見分け
おなか・背中・腕・太ももなどに、数mm〜1cmほどの小さなブツブツが散らばって出ます。かゆみは軽いか、ないことが多いです。新しいもの・治りかけのもの・治ったあと(白っぽい、または茶色っぽい色むら)が同時に混ざって見えるのが特徴です。
| 病名 | 似ているところ | 違い |
|---|---|---|
| 苔癬状粃糠疹 | — | 何か月も出たり消えたりをくり返す。熱はないことが多い |
| 水ぼうそう | 水ぶくれ・かさぶたが混ざる | 熱が出ることが多く、1〜2週間で治る。頭皮や口の中にも出る |
| 滴状乾癬 | 体に小さな赤いブツブツが散らばる | 銀白色の厚めのフケのような皮。のどの感染のあとに出やすい |
| ジベル薔薇色粃糠疹 | 体に赤い発疹が広がる | 楕円形で、最初に大きめの1つが出る。多くは1〜2か月で治る |
| 虫刺され | 赤いブツブツ | かゆみが強い。新しく出続けることは少ない |
見た目だけで区別が難しい場合は、局所麻酔をしてブツブツの一部を取り、顕微鏡で調べる検査(皮膚生検)で確かめます。
ごくまれに、急性型で高い熱が出て、ブツブツが大きなただれや潰瘍になる重い型があります。熱を伴って急に悪化した場合は、すぐに受診してください。
治療・セルフケア
この病気は自然に落ち着いていくことが多いため、治療の目的は新しく出る数を減らし、あとを残りにくくすることです。
- ステロイドの塗り薬: 炎症をおさえる基本の治療。かゆみがある場合にも使う
- 光線療法(ナローバンドUVBなど): 範囲が広い場合や、塗り薬だけで落ち着かない場合に、効果が期待できる治療として選ばれる。週に1〜2回ほどの通院が必要
- 抗菌薬の飲み薬: 炎症をおさえる働きを期待して、テトラサイクリン系やマクロライド系の薬を使うことがある(この病気に対しては適応外の使い方になる場合がある)
家でできることとして、かさぶたをはがさないことが大切です。理由は、無理にはがすと、治ったあとの白いあとや茶色いあとが残りやすくなるためです。また、適度な日光は症状を和らげることがありますが、日焼けするほど浴びると逆に肌を傷めるため、無理に日光浴をする必要はありません。
受診の目安
- 小さなブツブツが、1か月以上出たり消えたりをくり返している
- 水ぶくれやかさぶたが混ざり、水ぼうそうか分からない
- 治ったあとに白いあと・茶色いあとが目立ってきた
- 高い熱を伴って、ブツブツが大きなただれになってきた(すぐに受診)
診察室でよく聞かれる質問
人にうつりますか?学校や仕事は休んだ方がいいですか?
人にうつる病気ではありません。熱がなく元気であれば、学校や仕事、プール、部活もいつもどおりで大丈夫です。
どのくらいで治りますか?
個人差が大きく、数か月で落ち着く方もいれば、数年かけて出たり消えたりをくり返す方もいます。治療で出る数を減らしながら、自然に落ち着くのを待つことが多い病気です。
治ったあとの白いあとは消えますか?
多くは時間とともに目立たなくなっていきます。ただ、何か月もかかることがあります。新しく出る数を減らすことが、あとを増やさないことにもつながります。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-10)
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-10-10)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

