シミ取りは痛い?Qスイッチルビー・ピコ・IPLのダウンタイムと施術前の注意点

シミ取りは痛い?Qスイッチルビー・ピコ・IPLのダウンタイムと施術前の注意点
DERMATOLOGY GUIDE | AESTHETIC DERMATOLOGY
更新日: 2026年10月10日執筆: あび皮膚科クリニック編集部監修: アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)医師紹介

シミ取りのダウンタイムは、Qスイッチルビーやピコのスポット照射では約1〜2週間が目安です。トーニングやIPLとは経過が異なり、色素沈着が落ち着くまでには数か月かかることもあります。

「翌日から仕事に行ける?」「ピコならテープは不要?」「かさぶたが取れれば完成?」

シミ取りを検討するときには、効果だけでなく、治療後の見た目や生活への影響も気になると思います。同じ「シミ取りレーザー」でも、機器の種類や当て方によって経過は変わります。治療ごとの違いと、施術前に確認しておきたいことを整理します。

目次

ダウンタイムとは何を指すのか

ダウンタイムには、大きく分けて3つの意味があります。

ダウンタイムの種類 具体的な内容
見た目に変化がある期間 赤み、腫れ、かさぶた、保護テープなどが目立つ期間
生活上の注意が必要な期間 メイクや洗顔、運動などに制限や注意がある期間
肌の色が落ち着くまでの期間 かさぶたが取れた後の赤みや、炎症後色素沈着が薄くなるまでの期間

「かさぶたが取れるまで」と「最終的に色が落ち着くまで」は別です。

表面のかさぶたが1〜2週間で取れても、その後に赤みが残ったり、一時的に茶色くなったりすることがあります。「ダウンタイムが短い」という説明を聞いたときには、何が、どのくらいで落ち着くのかを確認しましょう。

治療の種類で、痛みとダウンタイムは違う

Qスイッチルビーとピコスポットの比較

どちらも、気になるシミを狙って照射する治療です。主に、平らな茶色いシミである老人性色素斑(日光黒子)などに用います。

以下は、顔の老人性色素斑をスポット照射した場合の一般的な目安です。手の甲や体、あざの治療などでは経過が異なることがあります。

比較する点 Qスイッチルビーレーザー(QR)のスポット照射 ピコ秒レーザーのスポット照射
機器の特徴 波長694 nmの光を、ナノ秒という短い時間で照射する さらに短いピコ秒単位で照射する。シミ治療では532 nmや755 nmなどを使い、機種によって波長が異なる
主な目的 個々の老人性色素斑やそばかすなどの色素を薄くする 個々の老人性色素斑やそばかすなどの色素を薄くする
施術中の痛み パチッと弾かれるような痛み 同様の刺激がある。条件によってはルビーより痛みが軽い場合もあるが、無痛ではない
照射直後 白っぽく変化した後、赤みやヒリヒリ感が出ることがある 白っぽい変化や赤み、ヒリヒリ感が出ることがある。反応は波長・設定によって異なる
かさぶた・薄皮 茶色〜黒っぽいかさぶたや薄皮ができることが多い かさぶたや薄皮ができることがある。目立ちにくい場合もある
見た目のダウンタイム おおむね1〜2週間程度。 おおむね1〜2週間程度。数日で目立たなくなる場合もある
保護テープ 使用することが多い。期間は皮膚の状態と施設の方針による 使用する場合と、軟膏などで管理する場合がある。不要なこともある
照射部のメイク 直接のメイクは皮膚の回復を確認してから。テープ上のメイクを認める場合もある 皮膚表面の状態で判断する。
炎症後色素沈着 起こることがある 起こりにくい
治療回数 1回で十分に薄くなりやすい。追加治療が必要な場合もある 1回で十分に薄くなることもある。追加治療が必要な場合もある

ピコ秒レーザーは、Qスイッチルビーレーザーの「必ず痛くない・必ず早く治る上位版」というわけではありません。

比較研究では、ピコの方が痛みや組織の炎症反応が少なかったという結果がある一方、シミの改善度や炎症後色素沈着の発生に明確な差が出なかった研究もあります。機器名だけでなく、シミの種類、肌の色、波長、照射設定を合わせて判断する必要があります。

トーニング・IPL・塗り薬・飲み薬の比較

「顔全体に当てる治療」も、すべて同じではありません。スポット照射とは目的や経過が異なります。

治療 主な位置づけ 痛み・見た目の変化 テープ・メイクの目安
レーザートーニング(主に低出力のQスイッチNd:YAG) 肝斑などで、適応を選んで検討する治療。通常のスポット照射とは別の当て方 細かく弾かれる刺激やほてり。通常は目立つかさぶたを作らない 通常テープは不要。メイク再開は赤みや刺激の程度に応じて判断
ピコトーニング ピコ秒レーザーを低出力で広く当てる方法。ピコスポットとは別の治療 細かな刺激や一時的な赤み。赤みは数時間〜数日程度が目安で、通常は目立つかさぶたを作らない 通常テープは不要。当日〜翌日からメイク可能とする場合が多いが、肌の状態による
IPL(光治療) 老人性色素斑やそばかす、赤みなどに対し、フィルターや設定を選んで照射する パチッとした刺激や熱感。反応したシミが一時的に濃くなり、細かなかさぶたが1〜2週間程度目立つことがある 通常テープは不要。皮膚表面に傷がなければ、当日〜翌日からメイク可能な場合が多い
外用薬 ハイドロキノン、トレチノインなどを、診断や目的に応じて使用する 照射の痛みはないが、赤み、皮むけ、ヒリヒリ感、かぶれが出ることがある テープは不要。刺激や皮むけが強い時期は、メイクを控えるなどの調整が必要
内服薬 肝斑などに対し、必要に応じて使用する 通常、かさぶたや皮むけなどの見た目のダウンタイムはない。ただし薬ごとの副作用や注意点がある 通常、メイクの制限はない

外用薬や内服薬は、効果の評価に数週間〜数か月かかることがあります。「ダウンタイムが少ないこと」と「短期間でシミが消えること」は同じではありません。

また、肝斑は、まず紫外線対策や外用薬・内服薬などを基本に考えます。トーニングを含むレーザーやIPLは、必要性を見極めて検討する治療です。低出力でも、繰り返しの照射によって悪化や色抜けが起こることがあり、「弱く当てるから安全」とは言い切れません。

スポット照射後の経過の目安

Qスイッチルビーやピコで、老人性色素斑をスポット照射した場合のおおまかな流れです。すべての人が同じ経過をたどるわけではありません。

時期 起こりうる変化
当日 一時的に白っぽくなる、赤くなる、ヒリヒリする、軽く腫れる
翌日〜数日 シミが濃く見え、茶色〜黒っぽい薄皮やかさぶたができることがある
1〜2週間前後 かさぶたや薄皮が自然に取れる。下の皮膚がピンク色に見える場合がある
数週間〜1か月前後 いったん薄くなった部分が、炎症後色素沈着によって再び茶色く見えることがある
その後の数か月 赤みや色素沈着が徐々に落ち着く。色素沈着は3〜6か月程度かかることもあり、さらに長引く場合もある

かさぶたになって一時的に濃く見えることや、治療後に炎症後色素沈着が出ることだけで、すぐに「失敗」とは判断できません。

ただし、痛みや赤みが増してくる、大きな水ぶくれができる、膿が出るといった変化は、通常の経過として放置しないでください。

痛みが不安なときは、事前に相談を

スポット照射では、短い刺激を照射するたびに感じます。痛みの程度は、シミの大きさや数、部位、使用する機器や設定によって変わります。

冷却や麻酔クリームなどを使う場合もありますが、方法は治療内容によって異なります。痛みが苦手な方は、予約や診察の段階で伝えておきましょう。

「ピコなら痛くない」「麻酔をすれば何も感じない」と決めつけず、どのような対策ができるかを確認することが大切です。

ダウンタイム中の過ごし方

かさぶたをはがさず、こすらない

かさぶたが浮いてきても、指やピンセットで取らないようにしてください。洗顔やタオル、クレンジングでこすることも避けます。

軟膏やテープは、指示された方法で使用します。テープの種類によって、貼ったままにするのか、交換するのかが異なるため、自己判断で変更しないようにしましょう。

紫外線対策は、かさぶたが取れた後も続ける

帽子や日傘などを活用し、強い日差しを避けます。日焼け止めを照射部へ直接塗り始める時期は、皮膚表面の状態や保護方法に応じて確認してください。

テープを貼っていても、種類によって遮光性は異なります。「貼っているから日焼け対策は不要」とは考えないようにしましょう。

メイクや入浴は、照射部の状態で判断する

照射していない場所にはメイクできても、照射部へ直接塗ってよいとは限りません。じくじくした部分や傷がある場所に、ファンデーションを重ねるのは避けます。

熱いお風呂、サウナ、激しい運動などを再開する時期も、治療内容によって違います。施術後の案内を優先してください。

なお、適切にケアしていても、炎症後色素沈着が起こることはあります。色素沈着が出たからといって、必ずしも本人の過ごし方に問題があったわけではありません。

起こりうるトラブル

主なリスクには、炎症後色素沈着、色素脱失、やけどによる水ぶくれ、瘢痕、感染などがあります。肝斑が混在している場合には、照射によって色が濃くなることもあります。

また、シミが十分に薄くならない場合や、いったん薄くなっても再び目立つ場合があります。追加照射が必要かどうかは、残っているシミなのか、炎症後色素沈着なのかを見極めて判断します。

治療後に茶色くなった部分へ、すぐにレーザーを追加すればよいとは限りません。色素沈着にさらに刺激を加えると、かえって長引く可能性があります。

施術前に確認しておきたいこと

最低限、「何のシミを、どの方法で治療するのか」「照射部のメイクとテープはどうするのか」「経過中に困ったときはどう相談するのか」を確認しましょう。

治療回数や間隔、総額、追加照射の条件まで把握しておくと、予定とのずれを減らせます。最近の日焼け、使用中の薬や化粧品、過去のレーザー治療歴、妊娠・授乳の有無も伝えてください。

老人性色素斑などを美容目的で治療する場合は、通常、自由診療です。施術料だけでなく、診察料、麻酔代、軟膏・テープ代などを含めて確認することが大切です。

美容施術の前に、皮膚科で確認した方がよいシミ

形がいびつ、色にむらがある、徐々に大きくなる、出血するといった変化がある場合には、まず診断が必要です。見た目がシミに似ていても、皮膚の悪性腫瘍などが隠れていることがあります。

必要に応じてダーモスコピーや皮膚の検査を行い、美容目的のレーザーを当ててよい病変かを確認します。

施術後も、痛み・赤み・腫れが強くなる、膿が出る、白く色が抜けてきたなどの場合は、予定の再診日を待たずに相談してください。色素沈着が気になる場合も、半年たつまで相談を控える必要はありません。

よくある質問

Q.かさぶたができませんでした。効いていないのでしょうか?

かさぶたの有無だけでは、効果は判断できません。機器や照射方法によっては、目立つかさぶたにならず、細かな薄皮として取れることもあります。

反対に、かさぶたが厚いほど効果が高いわけでもありません。治療直後の反応だけで判断せず、予定された診察で照射前の状態と比較します。

Q.テープを貼ったところがかゆいです。我慢した方がよいですか?

テープの形に沿って赤くなる、かゆみが強い、小さな水ぶくれができる場合などは、かぶれの可能性があります。

「決められた日まで貼るために我慢する」のではなく、施術した医療機関へ相談してください。テープの種類や保護方法を変更することがあります。傷のある部分に、市販のかゆみ止めを自己判断で塗るのは避けましょう。

Q.普段のレチノールやピーリング化粧品は、いつから使えますか?

赤みやヒリヒリ感、かさぶた、皮むけが残っている間は、刺激の強い製品を自己判断で再開しない方がよいでしょう。

再開時期は、「何日たったか」だけでなく、皮膚が回復しているかで決めます。医師から治療用の外用薬を処方されている場合は、その指示を優先してください。

Q.結婚式や写真撮影の1か月前に受けても大丈夫ですか?

1か月あれば必ず見た目が落ち着く、とは言えません。かさぶたが取れていても、赤みや炎症後色素沈着が残る可能性があります。

特に初めて受ける治療では、肌がどのように反応するかを事前に完全には予測できません。大切な予定の直前に初回のスポット照射を入れるのは避け、日程を伝えて、数か月単位の余裕も含めて相談することを勧めます。

Q.ダウンタイムが困るので、弱く当ててもらえばよいですか?

単純に出力を下げれば、同じ効果のままダウンタイムだけを減らせるわけではありません。反応が不十分になったり、治療回数が増えたりすることがあります。

また、トーニングは「スポット照射を弱くした、代わりの治療」として、すべてのシミに使えるものではありません。目立つ変化を避けたい場合は、照射の強さだけでなく、治療方法や治療時期そのものを相談しましょう。

関連ページ

参考文献・参考情報

  • 1.日本皮膚科学会・日本形成外科学会・日本美容皮膚科学会・日本美容外科学会(JSAPS/JSAS).美容医療診療指針(令和3年度改訂版).2022.第1章「シミ・イボ」.シミの診断、レーザー・IPLの位置づけ、肝斑治療の注意点を参照。(公益社団法人日本皮膚科学会)
  • 2.Wuら.日光黒子に対するQスイッチルビーと532 nmピコ秒Nd:YAGレーザーの比較研究.JEADV Clinical Practice. 2022;1:372–382. doi:10.1002/jvc2.57.両治療の効果、痛み、炎症反応、色素沈着の比較を参照。(DOI)
  • 3.Sadighha A, et al. Efficacy and adverse effects of Q-switched ruby laser on solar lentigines. Dermatologic Surgery. 2008;34:1465–1468.ルビーレーザーの効果と治療後の色素変化を参照。(PubMed)
  • 4.Liang S, et al.肝斑に対する1064 nmピコ秒Nd:YAG、755 nmピコ秒アレキサンドライト、2%ハイドロキノンのランダム化比較試験.Frontiers in Medicine. 2023;10:1132823. doi:10.3389/fmed.2023.1132823.低出力ピコ秒レーザーの経過と副作用を参照。(フロンティアーズ)
  • 5.Tanaka Y, et al.500〜635 nmのIPLを用いた日光黒子の標的治療に関する研究.Lasers in Surgery and Medicine. 2016;48:30–35.IPL後の色調変化と経過を参照。(PubMed)
  • 6.Kang DH, et al.532 nm QスイッチNd:YAGレーザー後の炎症後色素沈着のリスクと予防に関するランダム化比較試験.Journal of Dermatological Treatment. 2024;35:2398768. doi:10.1080/09546634.2024.2398768.治療後の赤み、日中の屋外活動と色素沈着の関係を参照。(PubMed)
  • 7.American Academy of Dermatology. What can get rid of age spots? シミ治療前の診断、治療の選択肢、紫外線対策を参照。(アメリカ皮膚科学会)
  • 8.Leeds Teaching Hospitals NHS Trust. Laser Treatment.2025年改訂.レーザー治療の痛み、治療後の反応、スキンケア上の注意を参照。(Leeds Teaching Hospitals NHS Trust)
  • 9.Sandwell and West Birmingham NHS Trust. Laser treatment for pigmented marks.色素レーザー後の色素沈着、感染・瘢痕のリスク、アフターケアを参照。(Sandwell and West Birmingham NHS Trust)

本記事は一般的な医療情報をまとめたものであり、個別の診断に代わるものではありません。症状や治療については、医療機関でご相談ください。

アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)

開業時期・診療内容・予約開始のお知らせを、いち早くお届けします。

2027年、つくばに開院予定。ご登録はメールアドレスだけでできます。

開業のお知らせを受け取る

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次