「指にできたイボが、いつの間にか3つ、4つと増えている」「足の裏のイボが、歩くと痛いと言う」「液体窒素の治療を嫌がって泣くので、通院が続かない」。子どものイボは、皮膚科でとても多い相談のひとつです。治るまでに時間がかかるぶん、親子ともに負担の少ない続け方を考えることが大切です。
子どものイボとは(仕組み)
一般に「イボ」と呼ばれるものの多くは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが、皮膚の小さな傷から入り込んで感染したものです。正式には「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」といいます。
子どもは、遊びの中で手足に小さな傷ができやすく、ウイルスに対する免疫もまだ十分ではないため、イボができやすい傾向があります。指先、爪のまわり、ひざ、足の裏によくできます。
イボは、表面がザラザラした硬い盛り上がりで、よく見ると小さな黒い点(細い血管が固まったもの)が見えることがあります。足の裏のイボは、体重で押されて平らになり、魚の目やタコと間違われることがあります。
症状・見分け方(水いぼ・魚の目との違い)
| 種類 | 見た目 | できやすい場所 | 経過 |
|---|---|---|---|
| イボ(尋常性疣贅) | ザラザラした硬い盛り上がり。黒い点が見えることがある | 指、爪のまわり、ひざ、足の裏 | 治療に数か月かかることが多い |
| 水いぼ(伝染性軟属腫) | 表面がつるっとした、光沢のある小さな粒。中心が少しへこむ | わき、体、腕の内側 | 半年〜数年で自然に治ることが多い |
| 魚の目・タコ | 黄色っぽい硬い皮膚。黒い点はない | 足の裏の体重がかかる場所 | 靴や歩き方を変えると改善 |
イボと水いぼは原因のウイルスが違い、治療の考え方もまったく異なります。自己判断が難しい場合は、一度皮膚科で確かめてください。
治療(痛みが苦手な子どもの場合)
イボの治療の基本は、液体窒素による凍結療法です。マイナス196℃の液体窒素でイボを凍らせ、ウイルスに感染した皮膚を少しずつ取り除いていきます。1〜2週間に1回のペースで、何回か繰り返すのが一般的です。
ただ、液体窒素はしみるような痛みがあり、治療のあとに水ぶくれができることもあります。小さな子どもでは、痛みで通院が続かないことも少なくありません。そのような場合は、次の方法を組み合わせたり、切り替えたりすることがあります。
- 液体窒素を弱めに当てる: 1回の痛みを小さくして、回数で補います
- ヨクイニン(ハトムギの成分)の飲み薬: イボに対して保険が適用される飲み薬です。痛みがないので子どもでも続けやすい反面、効果が出るまでに時間がかかります
- サリチル酸の貼り薬: 厚くなった角質をやわらかくして、削りやすくします。周りの健康な皮膚につかないよう、イボの大きさに合わせて切って使います
- 厚い角質を削る: 足の裏のイボでは、表面を削ってから治療すると効きやすくなります
「痛いから」と治療を長く中断すると、その間にイボが増えたり大きくなったりして、かえって治療が長引くことがあります。子どもが続けられる方法を医師と相談しながら決めることが、結果的にいちばんの近道です。
家庭での工夫(うつさない・増やさない)
- イボをかじる・むしる癖をやめさせる: 指のイボをかじると、口のまわりや別の指にうつって増えることがあります。爪のまわりのイボは、爪かみやささくれむしりと関係していることが多いです
- 爪を短く切る: ひっかいた傷からウイルスが入り込むのを防ぎます
- 足の裏のイボはバスマットを分ける: 家族にうつるのを防ぐためです。こまめに洗って乾かしてください
- イボを絆創膏で覆う: いじる癖がある子どもには、物理的に触れないようにする工夫も役立ちます
受診の目安
- イボかどうか分からない、水いぼとの区別がつかない
- 数が増えてきた、大きくなってきた
- 足の裏のイボで、歩くと痛がる
- 爪のまわりのイボで、爪の形が変わってきた
- 市販薬を使っても良くならない
よくある質問
プールや学校は休む必要がありますか?
イボがあっても、学校やプールを休む必要は基本的にありません。足の裏にイボがある場合は、ビート板やプールサイドを介してうつる可能性がゼロではないため、気になるときは医師に相談してください。
市販のイボ取り薬を使ってもいいですか?
市販のサリチル酸の貼り薬は、手足のイボに使えるものがあります。ただ、顔や首、陰部には使えません。また、イボだと思っていたものが別のできものだったということもあるため、使う前に一度皮膚科で確かめておくと安心です。
放っておいても治りますか?
子どものイボは、時間がたつと自然に治ることもあります。ただ、いつ治るかは予測できず、その間に数が増えたり、ほかの人にうつしたりすることがあります。数が少なく小さいうちに治療を始めたほうが、治療の回数も少なく済む傾向があります。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A イボとミズイボ、ウオノメとタコ(確認日: 2026-10-02)
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-10-02)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

