「新しい靴でかかとが擦れて水ぶくれができた」「つぶれてヒリヒリ痛い」。誰にでも起こる小さなトラブルですが、処置の仕方で治るまでの日数が大きく変わります。特に、水ぶくれの皮をむいてしまう方が多いので、その理由から説明します。
靴擦れとは(なぜ水ぶくれになるのか)
靴擦れは、靴と皮膚が同じ場所で何度もこすれることで、皮膚の浅い層がずれてはがれ、その隙間に体液がたまったものです。汗で皮膚がふやけていると、こすれに弱くなり、さらに起こりやすくなります。
水ぶくれの中の液体と上の皮は、下の傷を細菌や乾燥から守るふたの役割をしています。そのため、ふたを残しておいたほうが痛みが少なく、早くきれいに治ります。
状態別の手当て
| 状態 | 手当て | 理由 |
|---|---|---|
| 赤くヒリヒリするだけ | その靴を脱ぐ。こすれる部分を保護パッドで覆う | ここで止めれば水ぶくれにならずに済む |
| 小さな水ぶくれ(破れていない) | 破らずに、クッション性のあるパッドで覆う | 皮が残っていれば、中の液は数日で吸収される |
| 大きく張って痛い水ぶくれ | 無理に破らず、痛みが強ければ受診を | 医療機関では、皮を残したまま中の液だけを抜く処置ができる |
| 破れてしまった | 流水で洗い、皮は残して、覆う | 皮をはがすと下の赤い部分がむき出しになり、痛みも治る日数も増える |
| 皮がはがれて赤くじくじくしている | 洗ってから、湿った状態を保つ被覆材で覆う | 乾かしてかさぶたにするより、湿らせたほうが早く治る(関連記事: すり傷・切り傷の手当て) |
傷を覆う被覆材について
ドラッグストアで売られている、傷を湿った状態に保つタイプの絆創膏(ハイドロコロイド素材など)は、清潔な靴擦れには向いています。痛みがやわらぎ、早く治りやすくなります。ただし、赤く腫れている・膿が出ている・熱をもっている傷には使わないでください。密閉すると中で細菌が増え、かえって悪化することがあるためです。白くふくらんだ部分から液が漏れてきたら、貼り替えのサインです。
予防: 同じ靴で繰り返さないために
- 靴のサイズと形を見直す — 大きすぎる靴は中で足が動いてかかとが擦れ、小さすぎる靴は指やくるぶしが当たります
- 新しい靴は短時間から慣らす — いきなり長時間歩く日に下ろさない
- 擦れやすい場所を先に保護する — かかとや小指に、あらかじめ保護パッドやテープを貼っておく
- 靴下・ストッキングを工夫する — 汗を吸う素材で、しわが寄らないものを選ぶ
- かかとの滑り止めを使う — パンプスでかかとが浮く場合に有効です
何度も同じ場所が擦れていると、皮膚が厚くなってタコや魚の目になったり、茶色い色素沈着が残ったりすることがあります(関連記事: 魚の目・タコ)。痛みが消えても靴が合っていなければ、原因は続いています。
診察室でよく聞かれる質問
| 質問 | 答え | 理由 |
|---|---|---|
| 水ぶくれは針で潰したほうが早く治りますか? | 自分で潰すのはおすすめしません | 針から細菌が入ることがあり、皮が破れて痛みが増すことも多いためです |
| お風呂に入ってもいいですか? | 入って大丈夫です。石けんの泡で優しく洗い、流水でよくすすいでください | 清潔に保つことが感染予防になります。長湯でふやかしすぎないようにしてください |
| 消毒液を使ったほうがいいですか? | 毎回の消毒は必要ありません | 流水で洗えば十分で、強い消毒液は治りかけの皮膚を傷めることがあるためです |
| 糖尿病があるのですが | 小さな靴擦れでも、早めに受診してください | 感覚が鈍く気づきにくいうえ、治りにくく感染しやすいためです(関連記事: 糖尿病と皮膚) |
受診の目安
- 受診を — 水ぶくれが大きく、歩けないほど痛い
- 受診を — 1〜2週間たっても治らない、同じ場所を何度も繰り返す
- 早めの受診を — 周りが赤く腫れて熱をもつ、膿が出る、ズキズキ痛む
- 早めの受診を — 糖尿病がある、血流の病気がある、足の感覚が鈍い
- すぐに受診を — 赤みが足首やすねへ広がっていく、発熱がある(蜂窩織炎の可能性。関連記事: 蜂窩織炎)
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参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-09-23)
- 日本皮膚科学会 診療ガイドライン(確認日: 2026-09-23)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

