「足の裏に赤いできものができて、靴下に血がつく」「魚の目かと思ったら、赤くてやわらかい」「何年も前からあるが、少し大きくなってきた」。エクリン汗孔腫は中高年に多く、足の裏・手のひらにできやすい、汗の出口の細胞からできる腫瘍です。
エクリン汗孔腫とは(仕組み)
体の汗の多くは、エクリン汗腺という汗の腺から出ています。汗は皮膚の中を通る細い管(汗管)を通って、皮膚表面の小さな出口(汗孔)から出てきます。エクリン汗孔腫は、この汗の通り道の細胞が増えてできる良性の腫瘍です。
- エクリン汗腺がとくに多い足の裏・手のひらに多いですが、頭・顔・体にもできます
- 中高年に多く、男女差はあまりありません
- ゆっくり大きくなり、数年かけて変化することが多いです
症状・見分け方
- 赤〜ピンク色、ときに茶色〜黒っぽい、表面がつやのある盛り上がり
- 周りに細い溝(くびれ)があることがある
- 表面がじくじくして、こすれると出血しやすい
- 大きさは数mm〜2cm程度のことが多い
似た見た目のできものとの違いを表にします。
| できもの | 性質 | 見分けの手がかり |
|---|---|---|
| エクリン汗孔腫 | 良性 | 足の裏・手のひら。赤くつやがあり、ゆっくり大きくなる |
| 化膿性肉芽腫 | 良性 | けがのあと数週間で急に大きくなる。とても出血しやすい |
| 魚の目・タコ | 角質の厚み | 黄色っぽく硬い。赤みや出血はない |
| 足の裏のイボ | ウイルス | 表面がざらざら。削ると黒い点(血管)が見える |
| 悪性黒色腫(メラノーマ)・汗孔癌など | 悪性 | 色むら、形がいびつ、急に大きくなる、ただれる |
とくに色が黒っぽいタイプは、メラノーマとの見分けが大切です。皮膚科では、ダーモスコピー(皮膚を拡大して見る道具)で血管の形や色の分布を観察します。まれに、長い年月を経てから悪性(汗孔癌)に変わることが報告されているため、最終的には切り取って病理検査で確かめるのが基本です。
治療
治療は手術で切り取るのが基本です。局所麻酔で行い、小さいものであれば短時間の日帰り手術で済むことが多いです。
- 取ったものは病理検査に出し、良性か悪性かを確定します
- 根もとまで取り切れていれば、再発は多くありません
- 足の裏は体重がかかる場所のため、傷の位置や縫い方を工夫し、抜糸まではなるべく患部に負担をかけないようにします
電気メスやレーザーで焼く方法もありますが、病理検査ができなくなるため、まずは切り取る方法が選ばれることが多いです。
受診の目安
- 足の裏・手のひらに、赤くてつやのあるできものがある
- 靴下や手袋に血がつく
- 以前より大きくなってきた、形や色が変わってきた
- 黒っぽい色がまじっている
出血しやすいできものは、良性でも悪性でもみられます。自分で削ったり、切ったりしないで、そのままの状態で受診してください。受診前に、スマートフォンで写真を撮っておくと、大きさの変化を伝えるのに役立ちます。
よくある質問
出血したときは、どう手当てすればいいですか?
清潔なガーゼで5分ほど押さえると、多くは止まります。そのあとは絆創膏などで保護して、こすれないようにしてください。止まらない場合や何度も出血する場合は、早めに受診してください。
足の裏の手術のあと、歩けますか?
多くの場合、当日から歩いて帰れます。ただし、傷が開かないよう、抜糸までは長時間の歩行や運動は控えめにしてください。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 皮膚悪性腫瘍(確認日: 2026-10-03)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-03)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

