「頬に茶色いイボが増えてきた」「おでこに小さな平らなブツブツがたくさんある」「まぶたに小さなイボができた」。顔は目立つ場所なので、イボに気づくと早く取りたくなります。顔にできるイボの種類と、それぞれの取り方を整理します。
顔のイボとは(仕組み)
「イボ」は、皮膚が盛り上がったできものを広く指す言葉です。医学的には、大きく2つに分けられます。
- ウイルスによるイボ: 小さな傷からヒトパピローマウイルスが入り込んでできます。触ったり掻いたりすると、ほかの場所や人にうつることがあります
- ウイルスによらないイボ: 年齢や紫外線、体質によって皮膚の細胞が増えてできます。うつりません
症状・見分け
| 種類 | 見た目 | 多い人 | うつるか |
|---|---|---|---|
| 脂漏性角化症(老人性イボ) | 茶色〜黒の、表面がざらざらしたふくらみ。貼り付けたように見える | 40代以降。こめかみ・頬・額 | うつらない |
| 扁平疣贅(扁平イボ) | 肌色〜薄茶色の、平らで小さなブツブツが多数。掻いた線に沿って並ぶことも | 10〜30代。額・頬・あご | うつる |
| 尋常性疣贅 | 表面がガサガサした、硬いふくらみ | 子ども〜若い人。鼻の下・あご | うつる |
| アクロコルドン(首イボ) | 肌色〜茶色の、やわらかい小さな突起 | 中年以降。まぶた・首 | うつらない |
| 汗管腫・稗粒腫 | 目の下の肌色の粒、または白く硬い粒 | 汗管腫は女性に多い | うつらない |
| 基底細胞がん | 黒〜灰色のつやのあるふくらみ。中央がへこむ、ただれる、出血する | 高齢の方。鼻・まぶたのまわり | うつらない |
基底細胞がんは、顔にできる皮膚がんで最も多いもので、見た目が老人性イボやほくろと似ていることがあります。拡大鏡(ダーモスコピー)で確かめることで、多くは見分けられます。
治療(取り方)
- 液体窒素: マイナス196℃の液体窒素で凍らせて取ります。老人性イボ・ウイルス性のイボのどちらにも使い、保険診療で行えます。1〜2週間ごとに数回かかることがあり、治療後に一時的に色素沈着が残ることがあります
- 炭酸ガスレーザー: イボを削るように取ります。顔の老人性イボやアクロコルドンを、少ない回数できれいに取りたい場合に選ばれます
- ハサミでの切除: 首やまぶたの小さな突起は、ハサミで根元から切り取れます。麻酔なしでできることが多いです
- 手術での切除: 悪性が否定できない場合は、切除して顕微鏡で調べます
- ヨクイニンの飲み薬: ハトムギから作られた保険適用の漢方で、扁平イボなどウイルス性のイボで、液体窒素と組み合わせて使うことがあります
※見た目を目的とした炭酸ガスレーザーなどの治療は自由診療です。費用は医療機関ごとに異なり、効果の感じ方には個人差があります。主なリスクとして、赤み・色素沈着・へこみ・再発があります。
扁平イボは、液体窒素を当てた後に、からだの免疫が反応して一気に消えることもあります。治療中に赤くかゆくなるのは、治っていくサインのことがあります。
受診の目安
- イボが短い期間で大きくなった、出血する、ただれる(早めに)
- つやのある黒〜灰色のふくらみが、鼻やまぶたのまわりにある
- 小さなイボが顔に広がってきた(ウイルス性の可能性)
- ひげそりや化粧のたびに引っかかる
- まぶたのふちのできもので、まつ毛が抜けている
診察室でよく聞かれる質問
市販のイボ取り薬を顔に使ってもいいですか?
使わないでください。市販のイボ取り薬の多くは、角質を溶かす成分(サリチル酸)を使っており、説明書に顔には使わないよう書かれています。顔の薄い皮膚がただれ、跡が残ることがあります。また、顔のイボの多くはウイルス性ではない老人性イボで、そもそも効きません。
取っても、また出てきますか?
老人性イボは取った場所からの再発は少ないですが、年齢とともにほかの場所に新しくできます。ウイルス性のイボは、ウイルスが残っていると再発することがあります。
ひげそりで扁平イボが広がりました。どうすればいいですか?
カミソリの小さな傷からウイルスが広がることがあります。治療中は、電気シェーバーに替えると広がりにくくなります。
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参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A イボ・ミズイボ(確認日: 2026-10-12)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 皮膚悪性腫瘍(確認日: 2026-10-12)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

