「足の裏の土踏まずに、コリコリしたしこりがある」「立ったり歩いたりすると、しこりが当たって痛い」「魚の目だと思って削ったけれど、表面には何もない」。足の裏のしこりは、皮膚の表面にできる魚の目やイボと混同されやすいですが、足底線維腫症は皮膚の下の深いところにできます。
足底線維腫症とは(仕組み)
足の裏には、かかとから指の付け根に向かって、足底腱膜(そくていけんまく)という丈夫な膜が張っています。土踏まずのアーチを支える、いわば足の裏の「弓の弦」のような組織です。
足底線維腫症は、この膜の一部で線維(コラーゲンの束)が増えて、硬いかたまりになる病気です。良性で、ほかの臓器に広がることはありません。手のひらにできる同じ仲間の病気(デュピュイトラン拘縮)と合併することがあります。
- 土踏まずの内側〜中央に多い
- 大きさは数mm〜数cm。片足のことも両足のこともある
- ゆっくり大きくなることがあるが、長く変わらないことも多い
- 原因ははっきりしていない。体質や、足への繰り返しの負担が関わると考えられている
症状・見分け方
土踏まずを押すと、皮膚の下に硬く、少し弾力のあるしこりを触れます。表面の皮膚は正常で、色も変わりません。痛みがないことも多いですが、大きくなると靴底に当たって、長く歩いたときに痛むことがあります。
| 足の裏のしこり・痛み | 場所 | 見分けのポイント |
|---|---|---|
| 魚の目(鶏眼) | 皮膚の表面。体重がかかる場所 | 中心に硬い芯がある。表面が黄色く厚い |
| タコ(胼胝) | 皮膚の表面 | 広く平らに厚くなる。痛みは少ない |
| 足の裏のイボ | 皮膚の表面 | 削ると黒い点(小さな出血)が見える。数が増えることがある |
| 足底線維腫症 | 皮膚の下(土踏まず) | 表面の皮膚は正常。深いところに硬いしこり |
| 足底腱膜炎 | かかとの前あたり | しこりはない。朝の一歩目が痛い |
しこりの性質や広がりを確かめるには、超音波(エコー)検査やMRIが使われます。どちらも痛みのない検査です。まれに、急に大きくなる・痛みが強いなど、ほかの腫瘍との区別が必要なこともあります。
治療・セルフケア
足底線維腫症は良性なので、痛みがなく生活に困っていなければ、治療をせず様子を見るのが基本です。
痛みがある場合は、しこりへの圧迫を減らすことから始めます。
- インソール(中敷き): しこりの部分がくぼんだ、やわらかいインソールを使うと、歩くときの痛みがかなり楽になります。整形外科や義肢装具の専門店で作ることもできます
- 靴を見直す: 底の薄い靴、硬い靴はしこりに直接当たります。クッション性のある靴に替えるだけで痛みが減ることがあります
- 長時間の立ち仕事の工夫: こまめに座って休む、床にマットを敷くなど
こうした工夫でも痛みが強い、しこりがどんどん大きくなる場合には、手術で切除することがあります。ただし、足底線維腫症は手術のあとに再発しやすいことが知られており、傷あとが体重のかかる場所に残ることもあるため、手術は慎重に判断します。手術の相談は、足の治療に慣れた整形外科・形成外科で行うことが多い病気です。
自分でしこりを揉んだり、針で刺したりするのはやめましょう。刺激で炎症が起きて、痛みが強くなることがあります。
受診の目安
- 足の裏にしこりを見つけ、正体を確かめたい
- 歩くと痛くて、生活や仕事に支障がある
- しこりが数か月で目に見えて大きくなっている
- しこりが赤く腫れている、熱をもっている
- 手のひらにも同じようなしこりがある、指が伸ばしにくい
皮膚科では、まず皮膚の表面の病気(魚の目・イボ)かどうかを見分け、皮膚の下のしこりであればエコーなどで性質を確かめます。手術が必要な場合は、足の治療に慣れた医療機関へ紹介します。
よくある質問
魚の目の市販薬を貼ってもいいですか?
効果はありません。魚の目の市販薬は皮膚の表面の角質をやわらかくする薬で、皮膚の下のしこりには届きません。正常な皮膚がふやけて傷つくことがあるので、使わないでください。
ランニングや運動は続けてもいいですか?
痛みがなければ続けて構いません。痛む場合は、クッション性の高い靴とインソールで圧迫を減らしてから再開してください。痛みをがまんして続けると、歩き方が崩れて膝や腰に負担がかかることがあります。
放っておくと悪性になりますか?
足底線維腫症が悪性に変わることはないとされています。ただし、急に大きくなるしこりは別の腫瘍との区別が必要なので、変化があれば受診してください。
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参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-01)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A イボとミズイボ、ウオノメとタコ(確認日: 2026-10-01)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

