イボの種類と治し方|うつる仕組み・液体窒素治療・治療期間の目安

イボの種類と治し方|うつる仕組み・液体窒素治療・治療期間の目安
DERMATOLOGY GUIDE | DERMATOLOGIC SURGERY
更新日: 2026年10月6日執筆: あび皮膚科クリニック編集部監修: アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)医師紹介

一般に「イボ」と呼ばれるできものの多くは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によってできる「ウイルス性のイボ(尋常性疣贅など)」です。ウイルスが原因であるため、削ったりむしったりする自己処理は、ウイルスをまき散らして数を増やしたり、家族へうつしたりする原因になり得ます。

イボの治療は液体窒素による凍結療法が中心ですが、1回で終わることは少なく、数週間おきの通院を数か月続けるのが現実的なイメージです。「治療に根気がいる」ことをあらかじめ知っておくと、途中であきらめずに済みます。イボが増えてきた方、足の裏の「魚の目だと思っていたもの」が治らない方は、一度皮膚科で診断を受けることをおすすめします。

目次

イボの種類

手のひらにできた尋常性疣贅(イボ)の例。表面がざらつき小さな黒い点が見える
手のひらのイボ(尋常性疣贅)の例。表面のざらつきと点状の黒い点(毛細血管)が特徴です。※一般的な症状の例であり、当院の患者・治療結果ではありません写真: Paul Benavidez(Wikimedia Commons/CC BY-SA 4.0・トリミングあり(本改変画像もCC BY-SA 4.0で提供))

ひとくちにイボといっても、原因の異なる複数の疾患が含まれます。種類によって治療方針が変わるため、まず「どのイボか」の診断が重要です。

尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)

最も一般的なウイルス性のイボです。手足の指、足の裏などにでき、表面がザラザラした硬いできものになります。足の裏では体重で押し込まれ、平らに見えることもあります。

青年性扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)

若い方の顔や手の甲に多い、平らで小さなイボです。肌色〜薄茶色で多発しやすく、ひっかき傷に沿って線状に並ぶことがあります。

老人性イボ(脂漏性角化症)

加齢に伴って増える良性のできもので、ウイルスは関係なく、人にうつることもありません。顔や体に茶色〜黒色の盛り上がりとして現れます。ほくろや皮膚がんとの区別が必要な場合があります(関連記事: 皮膚腫瘍とは?良性と悪性の違い・診断の流れ・手術と病理検査を皮膚科医が解説)。

アクロコルドン(スキンタッグ、軟性線維腫)

首やわきにできる小さな柔らかい突起物で、これも加齢や摩擦に関連した良性のできものです。

このほか、子供に多い「水いぼ(伝染性軟属腫)」は原因ウイルスも治療方針も異なる別の疾患です(関連記事: 水いぼ(伝染性軟属腫)とは?自然に治る?取るべき?治療とプールの目安)。

うつる仕組み

ウイルス性のイボは、皮膚の小さな傷からHPVなどのウイルスが入り込み、皮膚の細胞に感染して増殖することでできます。次のような経路・状況で広がりやすいと考えられています。

  • イボを触った手で他の部位を触る(自分の体の中で増える)
  • イボをむしる・削るなどの自己処理
  • 手荒れやささくれ、ひげ剃り・かみそり負けなどの微小な傷
  • プールや浴場の床など、素足で共有する環境(足の裏のイボ)

健康な皮膚にはバリア機能があるため、触れたら即うつるというものではありませんが、傷のある皮膚では感染しやすくなります。

魚の目・タコとの違い

足の裏のイボは、魚の目(鶏眼)やタコ(胼胝)と間違われやすいできものです。

  • イボ(ウイルス性): 削ると小さな黒い点状の出血点がみられることが多い。圧迫よりもつまむと痛いことがある。子供にも多い。市販のスピール膏などで削っていると広がることがある
  • 魚の目・タコ: 圧迫や摩擦の繰り返しで角質が厚くなったもの。ウイルスは関係なく、うつらない。骨の当たる場所にできやすく、大人に多い

見分けは意外に難しく、「魚の目を削っていたら実はイボで、広がってしまった」というケースは典型的です。自己判断で削る前に、診察で確認することをおすすめします(関連記事: 足裏のイボと魚の目・タコの見分け方|黒い点・痛み方の違いと、削ってはいけない理由)。

受診の目安

  • イボが増えてきた、大きくなってきた
  • 足の裏の硬いできものが治らない、歩くと痛い
  • 市販薬でしばらく対処したが変化がない
  • 急に大きくなる、出血する、色や形が不規則(イボ以外の疾患の可能性もあるため早めに)

治療法

イボの治療にはいくつかの選択肢があり、種類・部位・年齢・数に応じて使い分けたり組み合わせたりします。ここでは最も多い尋常性疣贅についての治療方法をご紹介します。

液体窒素による凍結療法(保険診療の中心)

約マイナス196度の液体窒素を綿棒などでイボに当てて凍結させ、ウイルスに感染した細胞ごと壊していく治療です。保険診療で広く行われている標準的な方法ですが、治療時と治療後にヒリヒリした痛みがあること、1〜2週間おきに繰り返し治療が必要なこと、水ぶくれや色素沈着が起こり得ることを知っておく必要があります。

外用療法・その他の保険診療

サリチル酸外用(貼り薬・塗り薬)で角質を軟らかくしながら治療する方法や、ヨクイニン(ハトムギ由来の漢方)の内服を併用することがあります。

そのほかの治療

液体窒素で改善が乏しい場合などに、モノクロロ酢酸などの薬剤塗布、炭酸ガスレーザーや切除などが検討されることがあります。医療機関によって取り扱いが異なり、自由診療となるものもあります。イボの治療はどの方法でも一度で取り切れず再発する可能性があり、複数回の治療を要することが一般的です。

当院では液体窒素による治療を基本とし、その他様々な治療方法をご提供する予定です(保険・自由診療の区分は状態に応じて診察時にご案内します)。

治療期間の現実的な目安

液体窒素治療は、1〜2週間に1回のペースで通院し、数回〜十数回の治療を要することが珍しくありません。足の裏の厚いイボや多発しているイボでは、数か月単位の治療期間を見込んでおくのが現実的です。

途中で通院をやめると、残ったウイルスからイボが再び大きくなることがあります。「小さくなったけれど、まだ残っている」段階でやめないことが、遠回りに見えて近道です。

子供のイボ

イボは子供によくみられ、手指や足の裏、ひじ・ひざなどにできます。子供では液体窒素の痛みが治療継続の壁になりやすいため、外用療法を組み合わせる、無理のないペースで治療するなどの工夫が行われます。プールは基本的に制限されないことが多いですが、集団生活での取り扱いは園・学校の方針にもよります。気になる場合は診察時にご相談ください。

費用

液体窒素による凍結療法は保険適用です。診療報酬に基づく一般的な目安として、3割負担の場合、1回あたりの処置料は数百円程度で、これに診察料・薬代が加わります。通院回数が多くなるぶん、総額は治療期間に比例して増えていきます。自由診療の治療を選択する場合は医療機関ごとの価格設定となります。当院の費用は開業時にご案内します。

よくある質問

Q1. イボは自然に治りますか?

特に子供では、免疫の働きで自然に消えることもあるとされています。ただし、その間に増えたり人にうつしたりする可能性があるため、数が少ないうちに治療を始める方が負担は小さくなりやすいです。

Q2. 液体窒素はどのくらい痛いですか?

治療の瞬間はヒリヒリ・ジンジンした痛みがあり、部位や個人差によって感じ方が異なります。痛みが治療継続の負担になる場合は、ペースや方法を医師と相談できます。

Q3. イボを自分で切ったり削ったりしてもよいですか?

おすすめできません。ウイルスが広がってイボが増える、出血や感染を起こす、イボ以外の疾患(腫瘍など)を見逃す、といったリスクがあります。

Q4. 家族にうつさないためにできることはありますか?

イボを触らない・むしらない、タオルやかみそりの共用を避ける、足の裏のイボは素足での共有スペースに配慮する、といった対策が一般的に勧められています。

関連記事

参考情報

  • 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「イボとミズイボ、ウオノメとタコ」 – https://qa.dermatol.or.jp/qa23/index.html (2026年8月28日確認)
  • 日本皮膚科学会の公開情報(皮膚科Q&A、疣贅に関する診療の手引き等)

当院について(開業準備中のご案内)

アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)

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