水いぼは、正式には伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)と呼ばれる、ウイルスによる皮膚の感染症です。日本小児皮膚科学会によると、7歳以下の子どもに多く、健康な子どもでは6ヵ月〜3年で自然に治るとされていますが、個人差が大きく、いつ治るかの予測は難しいとされています。
「取る・取らない」は専門家の間でも意見が分かれるテーマです。ただ、放っておくうちに数十個に増えてしまうと治療の負担が大きくなるため、数が少ないうちに方針を決めることがすすめられています。
水いぼ(伝染性軟属腫)とは

伝染性軟属腫ウイルスが原因で、人から人へ接触でうつります。表面がツルツルして水っぽい光沢のある、直径数mm〜5mmほどの小さな盛り上がりで、てっぺんが少し凹んでいるのが特徴とされています。中身は液体ではなく、モルスクム小体と呼ばれるウイルスを含んだ白っぽい塊です。掻いてつぶれたり自然に脱落したりしたものが他の皮膚について、次々と増えていきます。
いわゆる「イボ」(ウイルス性疣贅)とは原因ウイルスが異なる別の病気です。イボは手のひらや足の裏を含む手足に多いのに対し、水いぼは体にできることが多く、手のひら・足の裏にはできないとされています。
治療の選択肢 — 取る? 取らない?
摘除(つまみ取る方法)
専用のピンセットで水いぼの基部を挟み、中身を取り除く方法で、最も確実で早く治す方法とされています。痛みを軽くするため、局所麻酔薬入りのテープを処置の1時間ほど前に貼っておく方法があり、保険適用も認められています。
ワイキャンス(塗り薬)
水いぼにカンタリジンという薬を塗り、水ぶくれを作ることで水いぼの組織を剥がれ落とす治療です。2歳以上の小児・成人に使用でき、通常は3週間に1回、医療機関で水いぼ一つひとつに薬を塗ります。塗布した16~24時間後に石けんと水で洗い流します。ピンセットでつまみ取る必要がないため処置時の痛みを抑えやすい一方、塗布後に水ぶくれ、赤み、かさぶた、痛み、かゆみなどが生じることがあります。
経過をみる(自然治癒を待つ)
自然に治ることも多いため、痛みを伴う処置を避けて様子をみる考え方もあります。ただし日本小児皮膚科学会は、様子をみているうちに数十個に増えて結局取ることになる場合や、周りに湿疹ができてかゆみで掻き壊し、とびひを起こす場合があることを挙げ、数が少ないうちに治療するほうがよいという見解を示しています。数が多い場合も「1回に10個ずつ」のように分けて根気よく取れば完治が見込めるとされています(日本小児皮膚科学会 こどもの皮膚Q&A「みずいぼ」)。
どの方針をとるかは、お子さんの状態・数・本人の負担を踏まえて医師と相談して決めることが大切です。
予防とスキンケア
乾燥肌やアトピー性皮膚炎などでバリア機能が低下していると、感染しやすく広がりやすいとされています。保湿剤によるスキンケアと湿疹の治療をきちんと行うことが予防につながります。スイミングスクールに通うお子さんは、塩素で皮膚の脂が落ちて感染しやすくなるため、プール後の保湿も大切とされています。きょうだいや身近なお友だちが感染した場合は、タオルを分け、肌と肌の直接の接触を避けましょう。
プール・園はどうする?
日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会の統一見解では、水いぼはプールの水ではうつらないため、プールに入ってかまわないとされています。ただしタオル・浮き輪・ビート板などを介してうつることがあるため共用は避け、プールの後はシャワーで肌を洗いましょう。また、水いぼを理由に学校・園を休む必要はないとされています。
受診の目安
- 数が増えてきた・大きくなってきた(少ないうちの受診が負担も少なくすみます)
- 周りに湿疹ができてかゆがっている・掻き壊している
- ジクジクして赤みや膿があり、とびひが疑われる
- 水いぼかどうか判断がつかないできものがある
よくある質問
Q1. 大人にもうつりますか?
子どもに多い病気ですが、接触でうつるウイルス感染症のため、可能性はあります。皮膚のバリア機能や免疫が低下している場合にはうつることがあります。
Q2. 取るときは痛いですか?
多少の痛みはありますが、10個以内くらいなら小さいお子さんでも我慢できることが多いとされています。麻酔テープを使って痛みを軽くする方法もありますので、診察時にご相談ください。
参考情報
- 日本小児皮膚科学会 こどもの皮膚Q&A「みずいぼ」(プール・学校に関する統一見解を含む) – https://jspd.umin.jp/qa/01_mizuibo.html (2026年8月28日確認)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「イボとミズイボ、ウオノメとタコ」 – https://qa.dermatol.or.jp/qa23/index.html (2026年8月28日確認)
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の症状の診断・治療に代わるものではありません。気になる症状がある場合は皮膚科の受診をご検討ください。

