「ふと見たら、すねに赤い点がたくさん」「子どもが吐いたあと、顔に赤いポツポツが出た」。かゆくも痛くもないのに急に出てくるので、不安になる方が多い症状です。大半は心配のないものですが、ごく一部に急ぐべき病気が隠れているため、見分け方を知っておくことが大切です。
まず確認: 押して消える?消えない?
透明なガラスのコップや定規を赤い点の上から押し当てて、色が消えるかどうかを見てください。
| 押したとき | 正体 | 主なもの |
|---|---|---|
| 色が消える | 血管が広がっている、または炎症の赤み | 湿疹・じんましん・虫刺され・赤いほくろ(老人性血管腫)の一部 など |
| 色が消えない | 皮膚の下の出血(点状出血・紫斑) | いきみ・圧迫によるもの、薬の影響、血管の炎症、血小板の減少 など |
血管が広がっているだけなら押すと血液が逃げて色が抜けますが、血管の外に出てしまった血液は押しても動かないため、色が残ります。この違いが最初の分かれ道です。
点状出血とは(原因の整理)
点状出血は、皮膚の浅いところの細い血管から、ごく少量の血液がにじみ出た状態です。数ミリ以下の赤〜赤紫色の平らな点で、盛り上がりやかゆみはありません。日がたつと茶色っぽく変わって消えていきます。原因は大きく分けて次のとおりです。
| 原因 | 出やすい場所・特徴 | 急ぎ度 |
|---|---|---|
| 強いせき・嘔吐・いきみ・泣き叫ぶ | 顔・まぶた・首。きっかけの直後に出る | 低い。数日〜1週間で消える |
| 圧迫・こすれ | ゴムの跡・カバンのベルト・血圧計を巻いた腕 | 低い |
| 加齢・日光による血管のもろさ | 高齢者の腕・手の甲(関連記事: 老人性紫斑) | 低い |
| 薬の影響 | 血液をさらさらにする薬・一部の痛み止めなど | 中。自己判断で薬をやめずに主治医へ |
| 血管の炎症(血管炎) | 両すね・足首に左右対称。少し盛り上がって触れることがある。子どもではIgA血管炎が代表的(関連記事: IgA血管炎) | 中〜高。腹痛・関節痛・血尿を伴えば急ぐ |
| 血小板の減少・血液の病気 | 全身。あざが増える、鼻血・歯ぐきの出血 | 高い。すぐ受診 |
| 重い感染症 | 発熱とともに急速に広がる。ぐったりしている | 緊急 |
表の上の3つが、実際にはほとんどを占めます。きっかけがはっきりしていて、ほかに症状がなく、新しく増えていかないなら、多くは様子を見てよいものです。
治療とセルフケア
いきみや圧迫による点状出血は、治療の必要がありません。血液は体に吸収され、自然に消えていきます。塗り薬で早く消すことはできません。
薬の影響が考えられる場合も、血液をさらさらにする薬は自己判断でやめないでください。やめることで脳梗塞や心筋梗塞のリスクが上がる場合があるためです。点状出血が増えている、あざができやすくなったと、処方している主治医に伝えてください。
血管炎や血小板の減少などが疑われる場合は、血液検査・尿検査で原因を確かめ、原因に合わせた治療をします。必要に応じて皮膚の一部を採って調べる検査(皮膚生検)を行うこともあります。
診察室でよく聞かれる質問
| 質問 | 答え | 理由 |
|---|---|---|
| 子どもが吐いたあと、目のまわりに赤い点が出ました | 元気で、ほかに出血がなければ様子を見てよいことが多いです | 強くいきんだときに顔の細い血管に圧がかかって出るもので、数日で消えていきます |
| かゆくない赤い点は放っておいていい? | 押して消えない点が「増えていく」なら受診してください | かゆみの有無より、数が増えるか・ほかの出血があるかのほうが大切だからです |
| 赤いほくろとの違いは? | 赤いほくろは少し盛り上がり、何年も同じ場所にあります | 点状出血は平らで、数日〜数週間で色が変わって消えていきます(関連記事: 赤いほくろ) |
| 何科に行けばいいですか? | 皮膚だけなら皮膚科、ほかの出血や発熱があれば内科・小児科 | 血液の病気が疑われるときは、血液検査ができる内科が確実です |
受診の目安
- 様子を見てよい — せき・嘔吐・いきみ・圧迫のきっかけがはっきりしていて、ほかの症状がなく、1週間ほどで薄くなっていく
- 受診を — きっかけがないのに出てきた、数日たっても増えている
- 受診を — 両すねに左右対称に出て、少し盛り上がって触れる
- 受診を — 血液をさらさらにする薬を飲んでいて、点状出血やあざが増えた(主治医へ)
- すぐに受診を — 鼻血・歯ぐきの出血が止まりにくい、黒い便・血尿、あざが次々にできる
- すぐに受診を — 子どもで腹痛・関節の痛み・血尿を伴う
- 救急受診を — 発熱とともに赤い点が急速に広がる、ぐったりしている・意識がおかしい。迷うときは救急安心センター(#7119、子どもは#8000)に相談してください
あび皮膚科クリニックは2027年の開業を予定しています。開業のお知らせやご質問・ご意見は、お問い合わせフォームからお寄せいただけます。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-09-23)
- 日本皮膚科学会 診療ガイドライン(確認日: 2026-09-23)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

