ほくろの周りが白く抜けた(サットン母斑・ハローネーバス)|白くなる仕組みと経過、一度受診して確かめたいこと

ほくろの周りが白く抜けた(サットン母斑・ハローネーバス)|白くなる仕組みと経過、一度受診して確かめたいこと
DERMATOLOGY GUIDE | DERMATOLOGIC SURGERY
更新日: 2026年9月24日執筆: あび皮膚科クリニック編集部医師紹介

「背中のほくろの周りだけ白くなっていると家族に言われた」「ほくろが薄くなって、白い丸が残っている」。見た目が変わるので驚かれる方が多いのですが、サットン母斑は10代〜若い世代の背中や胸によくみられる変化で、それ自体が体に害を及ぼすものではありません。この記事では、なぜ白く抜けるのか、どんな経過をたどるのか、どんなときに詳しく調べるのかをお話しします。

目次

サットン母斑とは(なぜ白く抜けるのか)

「ハロー」は英語で後光・光の輪のことで、ほくろの周りに白い輪ができる見た目からこう呼ばれます。

体には、細菌やウイルスなどの異物を見つけて攻撃する免疫(リンパ球という白血球)の仕組みがあります。サットン母斑では、この免疫がなぜか、ほくろの色素細胞を「攻撃する相手」とみなしてしまいます。攻撃はほくろ本体だけでなく、その周りの正常な皮膚の色素細胞にも及ぶため、ほくろを囲むように色が抜けて白い輪ができます。なぜ免疫が反応し始めるのか、はっきりした理由はわかっていません。

SKIN STRUCTURE — CROSS SECTION 表皮(バリアの層・約0.2mm) 真皮(弾力を支える層) 皮下組織(脂肪の層) 毛穴(毛包) 皮脂腺皮脂を分泌して肌を保護 汗腺汗をつくる 表皮の奥でつくられたメラニンが、表面にシミとして見える
肌の色は表皮の底にいる色素細胞がつくるメラニンで決まる。サットン母斑では免疫がほくろと周りの色素細胞を攻撃し、白い輪ができる図: あび皮膚科メディア編集部作成(イメージ図であり、実際の構造を簡略化しています)

典型的な経過は次のとおりです。

  1. ほくろの周りに、均一な幅の白い輪が現れる
  2. 真ん中のほくろの色が薄くなり、小さくなっていく
  3. ほくろが消えて、白い丸だけが残る
  4. 時間をかけて、白い部分に周りから色が戻ってくる

この経過は数か月から数年単位で進み、途中の段階で止まったまま長く変わらないこともあります。白い部分に色が戻るかどうかも人によって違い、白いまま残ることもあります。

症状・見分け方

典型的なサットン母斑は、真ん中のほくろが小さく左右対称で色が均一、その周りを均一な幅の白い輪が囲み、かゆみや痛みはないという形です。一度に1つだけでなく、別のほくろにも同時や時間差で出ることがあります。似た見た目になるものとの違いは次のとおりです。

考えられるもの 見分けのポイント
サットン母斑 真ん中のほくろは小さく対称、色が均一。白い輪の幅がそろっている。若い世代に多い
メラノーマの周りの色抜け 真ん中の色がいびつ・色むらがある・大きくなってきた。白い部分の形が不規則。中年以降に新しく出たときは特に注意(関連記事: メラノーマ)
尋常性白斑 ほくろと関係のない場所にも白い斑があり、大きくなったり増えたりする(関連記事: 白斑)
炎症後の色素脱失 ほくろを引っかいた・いじった・治療したあとに、その範囲が白くなった

また、サットン母斑のある方には尋常性白斑がみられることがあり、逆に白斑のある方の体にサットン母斑がみられることもあります。どちらも色素細胞に対する免疫の反応が関わるためです。受診の際は、ほかに白い部分がないか、全身を見てもらうとよいでしょう。

皮膚科では、真ん中のほくろをダーモスコピー(拡大鏡)で見て、良性のほくろの模様かどうかを確かめます。多くはこの診察で良性と判断できます。

治療・セルフケア

真ん中のほくろが良性と判断できれば、基本は経過観察です。サットン母斑の白い輪は、ほくろが自然に消えていく途中の姿であることが多く、何もしなくても上に書いたような経過をたどります。

切除を考えるのは、次のような場合です。

  • 真ん中のほくろに、メラノーマを否定しきれない特徴がある(形がいびつ・色むら・大きくなってきた など)。この場合は切り取って、顕微鏡で細胞を調べます(病理検査)
  • 見た目が気になる、服でこすれて気になるなど、ご本人の希望がある場合(関連記事: ほくろ除去)

ただし、ほくろを切除しても、周りの白い輪がすぐに消えるわけではありません。周りの色素細胞はすでに減っており、色が戻るには時間がかかるためです。「白い輪を消したいから切る」という目的だと、期待と結果がずれやすいので、診察でよく相談しましょう。

セルフケアとして大切なのは紫外線対策です。白い部分はメラニンが少なく日焼けで赤くなりやすいうえ、周りだけが日焼けすると白さが目立ちます。背中や肩など、夏に服から出る場所は日焼け止めで守りましょう。自分で削る・いじるのは、炎症で見分けにくくなるのでやめましょう。

診察室でよく聞かれる質問

質問 答え 理由
このまま放っておいて大丈夫ですか? 真ん中のほくろが良性と確認できれば、基本的に様子を見てよいです ほくろが自然に薄くなって消えていく途中の変化であることが多いからです
白い輪は元の色に戻りますか? 時間をかけて戻ることがありますが、白いまま残ることもあります 周りから色素細胞が戻ってくるのに年単位の時間がかかり、その程度に個人差があるためです
ほかのほくろにも起きますか? 別のほくろにも出ることがあります 免疫の反応は1か所だけでなく、体全体で起きているためです
がんになる前触れですか? 典型的なサットン母斑は、がんの前触れではありません ただ、ごくまれにメラノーマの周りが白く抜けることがあるため、一度は診察で確かめます

受診の目安

  • 一度受診を — ほくろの周りの白い輪に初めて気づいた
  • 早めに受診を — 真ん中のほくろがいびつ・色むらがある・最近大きくなってきた
  • 早めに受診を — 中年以降になって初めて、ほくろの周りが白く抜けてきた
  • 受診を — ほくろと関係のない場所にも白い斑が増えてきた(白斑の可能性)
  • 主治医に相談を — 過去にメラノーマの治療を受けたことがあり、ほくろの周りや皮膚に白い抜けが出てきた

あび皮膚科クリニックは2027年の開業を予定しています。開業のお知らせやご質問・ご意見は、お問い合わせフォームからお寄せいただけます。

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参考情報

本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)

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