「背中に、やわらかいイボのようなものがある」「押すとふにゃっと沈む」「ほくろとも、首のイボとも違う気がする」。神経線維腫は、見た目がほかのできものとまぎらわしいため、名前を初めて聞く方も多いできものです。
神経線維腫とは(仕組み)
皮膚の中には、痛みや触った感覚を伝える細い神経が通っています。神経線維腫は、その神経のまわりの細胞(神経を包む細胞や線維)が増えてできる、良性のできものです。
大きく分けて、次の2つのタイプがあります。
- 単発のもの — 大人の体や顔などに、ぽつんと1つ〜数個できる。とくに体質とは関係なく、いちばん多いタイプ
- 多発するもの — 体中にたくさんできる。神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病)という生まれつきの体質の一部として現れることがある
症状とほかのできものとの見分け方
- 数mm〜数cmの、肌色〜淡いピンク色のできもの
- ドーム状に盛り上がる、またはぶら下がるような形
- とてもやわらかく、押すと皮膚の中に沈みこむ感触があり、指を離すと戻る
- 痛みやかゆみは、ふつうはない
- ゆっくり大きくなることがあるが、急に大きくなることは少ない
| できもの | 見た目・手ざわり | 見分けのポイント |
|---|---|---|
| 神経線維腫 | 肌色でやわらかい。押すと沈む | 体幹に多い。多発する場合はあざの有無を確認 |
| アクロコルドン(首のイボ) | 小さく、茶色〜肌色で、細い茎でぶら下がる | 首・ワキ・まぶたに多く、年齢とともに増える |
| ほくろ(色の薄いもの) | ドーム状で、弾力がある | 毛が生えていることがある。押しても沈みにくい(関連記事: ほくろ除去の方法) |
| 脂肪腫 | 皮膚の奥にある、やわらかく動くしこり | 皮膚の表面は盛り上がらず、下にかたまりを触れる(関連記事: 脂肪腫) |
| 皮膚線維腫 | 硬く、茶色っぽいしこり。つまむと中央がへこむ | 足に多い(関連記事: 皮膚線維腫) |
カフェオレ斑と神経線維腫症1型
カフェオレ斑は、ミルクコーヒーのような薄い茶色の、ふちのはっきりしたあざです。1〜2個であれば多くの人にあり、それだけで心配はいりません(関連記事: あざの種類)。
一方、カフェオレ斑が6個以上ある、神経線維腫が体にたくさんある、ワキや足の付け根に小さなそばかすのような色素斑があるといった場合は、神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病)が考えられます。
神経線維腫症1型は生まれつきの体質で、指定難病の1つです。皮膚の症状のほかに、骨・目・神経などに変化が出ることがあるため、皮膚科を中心に、必要に応じて小児科・整形外科・眼科などと連携して、定期的に経過を見ていきます。症状の出方や程度には個人差が大きく、日常生活に大きな支障のない方も多くいます。
治療
単発の神経線維腫は良性なので、気にならなければ治療せずに様子を見てかまいません。そのうえで、次のような場合に切除を考えます。
- 衣類やベルトに当たって気になる、ひっかけやすい
- 見た目が気になる
- 大きくなってきた、形が変わってきた(検査を兼ねて取る)
治療は、局所麻酔で切り取って縫う手術が基本で、多くは日帰りでできます。取ったできものは病理検査で確認します(関連記事: 病理検査)。
神経線維腫症1型でたくさんある場合は、すべてを取ることは現実的ではないため、生活に支障があるもの・気になるものから、何回かに分けて切除していくのが一般的です。
診察室でよく聞かれる質問
| 質問 | 答え | 理由 |
|---|---|---|
| がんになりますか? | 単発の神経線維腫が悪性に変わることは、まれです | ただし、急に大きくなる・痛みが出る・硬くなる場合は、確認のため受診してください |
| 取ったら再発しますか? | 取った場所から再発することは多くありません | ただし体質によって、別の場所に新しくできることはあります |
| 子どもにカフェオレ斑が何個かあります。心配ですか? | 1〜2個であれば、多くの子どもにあり心配いりません | 6個以上ある場合は、一度皮膚科で相談してください |
受診の目安
- 受診を — やわらかいできものが何なのか確かめたい、気になるので取りたい
- 受診を — 体にやわらかいできものがたくさんある
- 受診を — お子さんにカフェオレ色のあざが6個以上ある、ワキや足の付け根に小さな茶色い点がたくさんある
- 早めの受診を — できものが急に大きくなる、硬くなる、痛みやしびれが出てきた
あび皮膚科クリニックは2027年の開業を予定しています。開業のお知らせやご質問・ご意見は、お問い合わせフォームからお寄せいただけます。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-09-25)
- 日本皮膚科学会 診療ガイドライン(確認日: 2026-09-25)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

