「顔の小さなほくろをレーザーで取りたい」「首のポツポツはレーザーで取れると聞いた」。皮膚科・美容皮膚科でよく使われるのが炭酸ガスレーザーです。メスを使わずに短時間で済むことが多い一方で、どんなできものにも使えるわけではありません。仕組みと向き不向き、治療後の経過を知っておくと、自分に合う方法を選びやすくなります。
炭酸ガスレーザーとは(仕組み)
炭酸ガスレーザーの光は、水に強く吸収される性質をもっています。皮膚の細胞には水分が多く含まれているため、レーザーを当てた部分の水分が一瞬で熱をもち、組織が蒸発するようにして取り除かれます(蒸散)。
レーザーの範囲や深さを細かく調整できるので、小さなできものを少しずつ削り、必要な深さで止めることができます。当てた部分は同時に熱で固まるため、出血が少ないのも特徴です。
向いているもの・向いていないもの
| 向いているもの | 向いていないもの |
|---|---|
| 小さく盛り上がった良性のほくろ | 悪性が否定できないほくろ・できもの(病理検査ができないため) |
| 老人性イボ(脂漏性角化症) | 平らなシミ・そばかす・肝斑(別のレーザーや飲み薬・塗り薬が中心) |
| 首・ワキの小さなイボ(スキンタッグ) | 大きなほくろ・深いほくろ(切除して縫う方がきれいなことが多い) |
| 汗管腫・脂腺増殖症など小さな良性腫瘍 | 粉瘤・脂肪腫など皮膚の下のしこり(袋や塊を取り出す手術が必要) |
炭酸ガスレーザーは組織を蒸発させるため、取ったものを顕微鏡で調べる病理検査ができません。そのため、治療前にダーモスコピーなどで良性と判断できるものに限って使います。少しでも悪性の心配があるものは、切除して病理検査をするのが基本です。
治療の流れとダウンタイム
- 診察: できものの種類を見きわめ、レーザーが適しているかを判断します。
- 麻酔: 局所麻酔の注射や、麻酔のテープ・クリームを使います。治療中の痛みはほとんど感じません。
- 照射: 1か所あたり数分程度で終わることが多いです。
- 治療後: 軟膏と保護テープで傷を覆います。
治療後の経過の目安は次のとおりです。
- 1〜2週間: 浅いすり傷のような状態で、保護テープを貼って過ごします。かさぶたを無理にはがさないことが大切です。
- 数週間〜数か月: 皮膚がふさがったあと、赤みがしばらく残り、少しずつ肌色に近づきます。
- 数か月: 一時的に茶色くなる(炎症後色素沈着)ことがあります。紫外線で濃くなりやすいので、日焼け止めで守ります。
傷を乾かすよりも、軟膏とテープで湿った状態を保つ方が、きれいに治りやすいとされています。
リスクと注意点
- へこみ・傷あと: 深いできものを取った場合、わずかにへこんだり、白っぽい跡が残ったりすることがあります。
- 再発: ほくろでは、深いところの細胞が残ると再び色が出てくることがあります。
- 色素沈着: 特に日焼けしやすい方、肌の色が濃い方で起こりやすい傾向があります。
費用は、できものの大きさ(直径1mmあたり)や個数で決める医療機関が多く、一般的には1か所あたり数千円〜1万円台が目安とされています。見た目を整える目的の治療は自由診療で、診断や治療が必要なできものは保険で切除することがあります。
※見た目を整える目的の炭酸ガスレーザー治療は自由診療です。費用は医療機関ごとに異なり、効果の感じ方には個人差があります。
受診の目安
- 顔や首の小さなできものが気になり、取れるかどうか相談したい
- ほくろが大きくなってきた、形が変わってきた(この場合はレーザーより先に診断が必要)
- 首やワキのポツポツが増えて、アクセサリーや衣類に引っかかる
よくある質問
治療した日にお風呂やメイクはできますか?
シャワーは当日から可能なことが多いですが、治療部分はこすらず、保護テープを貼ったままにします。メイクは治療部分を避ければできることが多いものの、傷がふさがるまでは上から塗らないのが基本です。
1回で取れますか?
小さなものは1回で取れることが多いです。深いほくろは、傷あとを残さないためにあえて浅めに取り、様子を見て追加で治療することもあります。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A ホクロ(確認日: 2026-09-28)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A イボ・ミズイボ(確認日: 2026-09-28)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

