ピコレーザーとは?シミ・そばかす・肝斑への向き不向き、スポット/トーニングの違い、ダウンタイムとリスク

ピコレーザーとは?シミ・そばかす・肝斑への向き不向き、スポット/トーニングの違い、ダウンタイムとリスク
DERMATOLOGY GUIDE | AESTHETIC DERMATOLOGY
更新日: 2026年9月30日執筆: あび皮膚科クリニック編集部医師紹介

「ピコレーザーならダウンタイムが少ないと聞いた」「ピコトーニングとピコスポットの違いが分からない」「自分のシミにも効くのか知りたい」。ピコレーザーは美容医療の広告でよく見かける言葉ですが、得意なシミと不得意なシミがあります。仕組みから、向き不向き、リスクまで整理します。

目次

ピコレーザーとは(仕組み)

レーザーは、特定の色(シミならメラニン色素)に光を当てて反応させる治療です。「ピコ」は1兆分の1秒という時間の単位で、ピコレーザーは光を当てる時間(パルス幅)が非常に短いのが特徴です。

従来のシミ治療で使われてきたQスイッチレーザーは、ナノ秒(10億分の1秒)単位でした。ピコレーザーはさらに短い時間で強いエネルギーを当てるため、色素に熱を与えて焼くよりも、衝撃で細かく砕く作用が中心になります。細かく砕かれた色素は、体の掃除役の細胞によって時間をかけて片付けられます。周りの皮膚に伝わる熱が少ない分、赤みやかさぶたが比較的軽く済みやすいとされています。

SKIN STRUCTURE — CROSS SECTION 表皮(バリアの層・約0.2mm) 真皮(弾力を支える層) 皮下組織(脂肪の層) 毛穴(毛包) 皮脂腺皮脂を分泌して肌を保護 汗腺汗をつくる 表皮の奥でつくられたメラニンが、表面にシミとして見える
レーザーは皮膚の中のメラニン色素に反応して、色素を細かく砕く図: あび皮膚科メディア編集部作成(イメージ図であり、実際の構造を簡略化しています)

照射方法の違いと、シミの種類ごとの向き不向き

照射方法 やり方 主な対象
ピコスポット シミ1つ1つに、強めのエネルギーをピンポイントで当てる 老人性色素斑(いわゆるシミ)、そばかす、ADM
ピコトーニング 弱いエネルギーを顔全体に均一に当て、複数回くり返す くすみ、薄いシミ、肝斑(慎重に)
ピコフラクショナル 専用の部品で光を点状に分散させ、皮膚に小さな反応を多数つくる 肌のきめ、浅いニキビ跡など

シミの種類ごとの向き不向きは、おおよそ次のとおりです。

  • 老人性色素斑・そばかす: 向いています。ただし、ピコレーザーでも従来のQスイッチレーザーでも、効果に大きな差が出ないこともあります
  • ADM(頬の灰色がかった点状のシミ): 深いところの色素に反応させるため、複数回の治療が必要です
  • 肝斑: 強い刺激で悪化しやすいため、スポット照射は基本的に避けます。飲み薬(トラネキサム酸)や塗り薬を先に行い、トーニングを使う場合も弱い出力で慎重に行います
  • 炎症後の色素沈着: 時間とともに薄くなることが多く、まずは紫外線対策や外用で様子を見るのが基本です
  • 盛り上がったシミ(脂漏性角化症): 色素を砕くだけでは平らにならないため、炭酸ガスレーザーや液体窒素など別の方法が選ばれることが多いです

顔には複数の種類のシミが混ざっていることがよくあります。種類を見分けずに同じ照射をすると、肝斑を悪化させることがあるため、治療の前の診断が結果を大きく左右します。

ダウンタイム・リスク・費用

  • スポット照射: 照射した部分が数日〜1週間ほど、薄いかさぶたになります。かさぶたは自然にはがれるのを待ちます。はがれたあとは一時的に赤みが残ります
  • トーニング: 当日に軽い赤みが出る程度で、翌日から化粧ができることが多いです
  • 主なリスク: 炎症後の色素沈着(照射後1〜2か月ごろにかえって茶色く見えることがあり、多くは数か月で薄くなる)、色が抜けて白っぽくなる(とくにトーニングの回数が多いとき)、水ぶくれ、肝斑の悪化
  • 照射後のケア: 紫外線を浴びると色素沈着が出やすくなるため、日焼け止めと保湿を続けます。こすらないことも大切です

費用の相場は、スポット照射で1か所あたり数千円〜1万円台、トーニングで1回あたり1万〜3万円程度が目安とされていますが、照射範囲や機器によって大きく変わります。

※シミ・そばかす・肝斑に対するピコレーザー治療は自由診療です。費用は医療機関ごとに異なり、効果の感じ方には個人差があります。赤み・かさぶた・色素沈着・色素脱失などのリスクがあります。

なお、太田母斑などの一部のあざは、条件を満たすレーザー治療が保険の対象になります。

受診の目安と、治療を受ける前に確認したいこと

  • 自分のシミの種類が分からない(まず診断を受ける)
  • 頬に左右対称のもやっとしたシミがある(肝斑の可能性があり、照射方法の選び方が変わる)
  • シミが急に大きくなった、盛り上がってきた、色むらがある(ほくろや皮膚がんとの見分けが必要)

治療を受ける前には、「どのシミに、どの照射方法を使うのか」「何回くらい必要か」「色素沈着が出たときにどう対応するか」を確認しておきましょう。治療前の写真を同じ明るさ・角度で撮っておくと、変化を自分でも確かめやすくなります。

よくある質問

1回でシミは消えますか?

はっきりした老人性色素斑は、スポット照射1回で目立たなくなることもあります。ただしADMや薄いシミは複数回が必要で、肝斑は照射だけで消すことを目標にしない方が安全です。

痛みはありますか?

輪ゴムで弾かれるような痛みがあります。範囲が広い場合は麻酔クリームを使うことがあります。

夏でも受けられますか?

受けられますが、照射後は紫外線で色素沈着が出やすくなります。屋外で過ごす予定が多い時期は避ける、日焼け止めを徹底する、などの工夫が必要です。

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参考情報

本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)

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