「乳輪のまわりに、ポツポツと小さな粒がある」「妊娠してから目立ってきた」「自分だけおかしいのでは」。着替えやお風呂のときにふと気づいて、不安になる方は少なくありません。男性にも女性にもあるもので、ほとんどは病気ではありません。ここでは、正常なブツブツと、受診したほうがよい変化の見分け方を説明します。
モントゴメリー腺とは(仕組み)
モントゴメリー腺は、乳輪の皮膚にある皮脂腺(あぶらを出す腺)の一種です。乳輪のふちに沿って、数個から十数個、1〜2mmほどの小さな盛り上がりとして見えます。
ここから出るあぶらは、乳首と乳輪の皮膚をうるおし、こすれから守る役割があると考えられています。授乳期には、赤ちゃんが乳首をくわえるときの保護にも関わるとされます。つまり、体に必要な構造です。
- 男女ともにある
- 数や大きさには個人差が大きい
- 思春期・妊娠中・授乳中・生理前など、ホルモンが変化する時期に目立ちやすい
症状・見分け方
正常なモントゴメリー腺は、乳輪の皮膚と同じ色か、少し白っぽい小さな粒で、左右どちらにも見られます。押しても痛くなく、かゆみもありません。まれに、押すと白いあぶらが少し出ることがありますが、それ自体は問題ありません。
一方で、次のような変化は別の原因を考えます。
| 見た目・症状 | 考えられるもの | ポイント |
|---|---|---|
| 乳輪のふちに小さな粒が並ぶ。痛み・かゆみなし | モントゴメリー腺(正常) | 治療は不要 |
| 乳首・乳輪がかゆい、カサカサ・皮むけ | 乳頭湿疹 | アトピー体質の方、授乳中の方に多い。塗り薬で治療する |
| ひとつだけ赤く腫れて痛い | モントゴメリー腺の詰まり・炎症、毛包炎 | 多くは数日〜1週間で落ち着く。腫れが広がるなら受診 |
| 皮膚の下に丸いしこり、中央に黒い点 | 粉瘤 | 袋ごと取らないと繰り返す |
| 片側だけ、治らないただれ・かさぶた・出血 | 乳房パジェット病など | 湿疹の薬で治らなければ乳腺外科で検査が必要 |
見分けのポイントは「左右差」と「治らないかどうか」です。両側に同じように見える小さな粒は、ほとんどが正常な構造です。片側だけ、ただれやかさぶたが何週間も続く場合は、湿疹と決めつけずに確認が必要です。
治療・セルフケア
モントゴメリー腺そのものは正常な構造なので、治療はしません。見た目が気になっても、自分で潰したり、針で刺したりしないでください。皮膚に傷ができて細菌が入り、赤く腫れる原因になります。
- 洗いすぎない: ゴシゴシこすったり、石けんで何度も洗うと乾燥して湿疹になりやすくなります。泡でやさしく洗えば十分です
- 下着のこすれを減らす: 縫い目や硬い素材が当たると刺激になります。綿など肌あたりのやわらかいものを選ぶと楽になります
- ひとつだけ赤く腫れたとき: 触らずに清潔に保ちます。多くは数日で落ち着きます
かゆみやカサカサがある場合は、モントゴメリー腺ではなく乳頭湿疹のことが多く、弱めのステロイド外用薬や保湿剤で治療します。授乳中でも使える塗り薬があるので、自己判断でがまんせず相談してください。
受診の目安
- かゆみ、カサカサ、ジュクジュクが続く
- 赤く腫れて痛い、熱をもっている、膿が出る
- 片側だけ、乳首や乳輪のただれ・かさぶた・出血が2〜3週間以上治らない
- 乳首から血の混じった分泌物が出る
- 乳房の中にしこりを触れる
皮膚の表面の変化(湿疹・できもの)は皮膚科で診ることができます。乳房の中のしこりや乳首からの分泌物は、乳腺外科が専門です。迷う場合は皮膚科で皮膚を確認し、必要に応じて乳腺外科へ紹介するという流れでも構いません。
よくある質問
妊娠してからブツブツが増えた気がします。大丈夫ですか?
妊娠中はホルモンの影響でモントゴメリー腺が大きくなり、目立つようになることがよくあります。授乳の準備としての変化と考えられており、多くは出産・授乳が終わると目立たなくなります。
男性にもあるのですか?
あります。男性でも乳輪のふちに小さな粒が見えることは珍しくなく、正常な構造です。ただし、男性で乳房の中にしこりを触れる場合は、別に確認が必要です。
見た目が気になるので取れますか?
正常な構造なので、基本的には取ることはおすすめしません。取ると傷あとが残り、かえって目立つことがあります。
押すと白いものが出ました。出し切ったほうがいいですか?
出し切る必要はありません。あぶらが出るのは腺の自然な働きです。押し出そうと何度も触ると、炎症を起こして赤く腫れることがあるので、そのままにしておきましょう。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-01)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 粉瘤(確認日: 2026-10-01)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

