「サウナや長風呂のあと、胸がかゆくなってブツブツが出た」「入院して寝ている時間が長くなってから、背中にかゆい発疹が出た」「湿疹の薬を塗っても、なかなかすっきりしない」。グローバー病は、名前はあまり知られていませんが、中高年の男性を中心に皮膚科ではしばしば見られる病気です。
グローバー病とは(仕組み)
皮膚の表面の細胞どうしは、しっかりくっついて皮膚を守っています。グローバー病では、表皮の細胞どうしのつながりが一時的にゆるみ、小さな範囲ではがれることで、ブツブツや小さな水ぶくれができます。正式名の「一過性(いっかせい)」は、ずっと続くのではなく一時的に起こるという意味です。
はっきりした原因は分かっていませんが、次のようなことがきっかけになりやすいとされています。
- 汗・熱(サウナ、熱いお風呂、発熱、厚着、暖房)
- 長く寝ている状態(入院・寝たきりで背中が蒸れる)
- 日光、乾燥した肌
人にうつる病気ではありません。
症状・見分け方
- 胸の真ん中・背中・お腹に、数mmほどの赤いブツブツや、小さな水ぶくれが散らばる
- 見た目のわりにかゆみが強い
- 40代以降、とくに中高年の男性に多い
- 数週間〜数か月で落ち着くが、汗をかく季節や熱いお風呂で再発することがある
| 病気 | 見分けの手がかり |
|---|---|
| グローバー病 | 中高年の胸・背中の中央。小さなブツブツが散らばり、かゆみが強い。汗や熱のあとに出る |
| あせも(汗疹) | 汗をかく場所に細かいブツブツ。涼しくすると数日で引く。子どもに多い |
| マラセチア毛包炎 | 胸・背中に、毛穴に一致した同じ大きさのブツブツ。若い方に多い |
| 湿疹・乾皮症 | カサカサした赤み。すね・腰など乾燥しやすい場所にも出る |
| 疥癬 | 夜に強いかゆみ。指の間・ワキ・陰部にも出て、家族にも同じかゆみ |
見た目だけで区別しにくいことが多いため、迷う場合は皮膚の一部を取って調べる検査(皮膚生検)で、細胞のつながりがはがれている所見を確かめます。
治療・セルフケア
治療の基本は、ステロイドの塗り薬で炎症とかゆみを抑えることです。かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬の飲み薬を組み合わせます。症状が広い範囲に及ぶ場合や、塗り薬で落ち着かない場合は、ほかの飲み薬や、紫外線を当てる治療を検討することもあります。
同じくらい大切なのが、きっかけになる汗と熱を減らす工夫です。
- サウナ・長風呂・熱いお湯を控え、ぬるめのシャワーにする
- 汗をかいたら、早めに流すか拭き取る
- 通気性のよい服を選び、寝具や暖房で暑くなりすぎないようにする
- 入浴後は保湿剤で肌の乾燥を防ぐ
グローバー病は汗や熱が続くと長引きやすい病気です。薬を塗るだけでなく、生活の工夫を合わせることで、治るまでの期間を短くしやすくなります。
受診の目安
- 胸や背中のかゆいブツブツが、2週間以上続いている
- 市販のかゆみ止めや湿疹の薬で良くならない
- かゆみで眠れない
- 家族にも同じかゆみがある(疥癬との見分けが必要です)
よくある質問
かゆいときは、どうしたらいいですか?
保冷剤をタオルで包んで当てる、冷たいタオルでおさえるなど、冷やすとかゆみが和らぎます。熱いシャワーでかゆみをごまかすと一時的に楽になりますが、熱が刺激になって悪化しやすいため避けてください。
一度治っても、また出ますか?
多くは数週間〜数か月で落ち着きますが、汗をかく季節や、熱いお風呂・サウナをきっかけに再発することがあります。出始めたら早めに薬を塗ると、長引かずに済むことが多いです。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-03)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 汗の病気(確認日: 2026-10-03)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

