「風邪のような熱が出たあと、首や腕に赤いしこりのような発疹が出てきた」「ニキビでも虫刺されでもなさそうで、触ると痛い」。スウィート病は頻度の高い病気ではありませんが、見た目に特徴があり、皮膚科で疑われることの多い病気です。
スウィート病とは(仕組み)
スウィート病は、血液中の白血球の一種である「好中球(こうちゅうきゅう)」が皮膚に集まって炎症を起こす病気です。正式には「急性熱性好中球性皮膚症」と呼ばれます。名前のとおり、急に・熱とともに・好中球が原因で起こる皮膚の病気です。
細菌やウイルスが皮膚に感染しているわけではなく、体の免疫の反応が皮膚で強く出ている状態と考えられています。きっかけとしては、次のようなものが知られています。
- かぜ・扁桃炎・胃腸炎などの感染症のあと(いちばん多いきっかけとされています)
- 血液の病気(骨髄異形成症候群・白血病など)
- 炎症性の腸の病気、妊娠
- 一部の薬(白血球を増やす注射薬など)
中年の女性に多いとされますが、男性や若い方にも起こります。人にうつる病気ではありません。
症状・見分け方
典型的には、38℃前後の発熱、だるさ、関節の痛みなどに続いて、次のような発疹が出ます。
- 顔・首・腕・手の甲に多い
- 赤〜赤紫色で、くっきり盛り上がった(むくんだような)しこり
- 表面が水ぶくれのように見えることがある(実際には中は硬いことが多い)
- 触ると痛い、熱をもっている
似た見た目の病気との違いを表にします。
| 病気 | できやすい場所 | 特徴 |
|---|---|---|
| スウィート病 | 顔・首・腕 | 発熱とともに、痛い赤い盛り上がり。血液検査で白血球が増える |
| 蜂窩織炎 | すね・足 | 片側に広く赤く腫れる。細菌感染で抗菌薬が効く |
| 結節性紅斑 | すね | 皮膚の下に痛い赤いしこり。盛り上がりは目立ちにくい |
| 多形紅斑 | 手足・全身 | 的(まと)のような輪の形の赤い斑 |
| 蕁麻疹 | どこでも | かゆい膨らみが数時間で消える。痛みはない |
見た目だけで決めることは難しいため、皮膚科では血液検査(白血球・炎症の値)と、必要に応じて皮膚の一部を取って調べる検査(皮膚生検)で診断します。
治療
治療の中心はステロイドの飲み薬です。よく効く病気で、飲み始めると数日で熱が下がり、発疹の痛みや赤みも引いていくことが多いです。症状が軽い場合は、ステロイドの塗り薬や、ヨウ化カリウム・コルヒチンなどの飲み薬(この病気に対しては適応外の使用)を使うこともあります。
ステロイドの飲み薬は、自己判断で急にやめると再燃(ぶり返し)しやすいため、医師の指示に沿って少しずつ減らしていきます。
また、スウィート病そのものの治療と同じくらい大切なのが、きっかけになった病気を確かめることです。血液検査で異常が続く場合や、何度も繰り返す場合は、内科・血液内科と連携して調べます。
受診の目安
- 熱と同時に、痛みのある赤い盛り上がりが数か所以上出た
- 市販の塗り薬や解熱剤で様子を見ても、発疹が広がる
- 以前にも同じような発疹と熱を繰り返している
高熱でぐったりしている、意識がおかしい、息苦しいといった場合は、皮膚の病気かどうかにかかわらず救急外来を受診してください。迷うときは救急安心センター(#7119)に相談できます。
よくある質問
家族にうつりますか?
うつりません。細菌やウイルスが皮膚で増えている病気ではなく、体の免疫の反応で起こる病気です。仕事や学校も、熱が下がって体調が戻れば普段どおりで構いません。
治ったあと、跡は残りますか?
多くは跡を残さずに治ります。強い炎症のあとに一時的な茶色い色素沈着が残ることがありますが、時間とともに薄くなっていきます。
また繰り返しますか?
一度で治まる方もいれば、かぜをひくたびに繰り返す方もいます。繰り返すときは、隠れている病気がないかをあらためて確認することが大切です。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-03)
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-10-03)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

