「鼻パッドの当たるところが赤くなる」「耳のうしろが切れてジュクジュクする」「新しい眼鏡にしてからかゆい」。眼鏡は毎日長い時間、同じ場所に当たり続けるため、皮膚トラブルが起きやすい道具です。原因の見分け方と、眼鏡を使い続けながら治すコツを整理します。
眼鏡かぶれとは(仕組み)
眼鏡による皮膚トラブルには、大きく分けて2つのタイプがあります。
- 刺激によるもの(刺激性皮膚炎): 同じ場所への圧迫やこすれ、汗・皮脂による蒸れで皮膚のバリアが弱り、赤みやただれが出ます。誰にでも起こり得ます
- アレルギーによるもの(アレルギー性接触皮膚炎): フレームの金属(ニッケルなど)、樹脂、塗装、鼻パッドの素材に体が反応して起こります。体質が合う人にだけ起こり、少しの接触でも出ます
耳のうしろは、皮膚が薄く汗がこもりやすいうえに、マスクのひもや補聴器が重なることも多い場所です。いくつもの刺激が同じところに集中するため、治りにくくなりがちです。
症状・見分け方
| ポイント | 刺激によるもの | アレルギーによるもの |
|---|---|---|
| 出る場所 | 強く当たる・こすれる部分だけ | 触れている部分全体。はみ出して広がることも |
| 症状 | 赤み・ヒリヒリ・皮むけ・ただれ | 強いかゆみ・赤み・小さなブツブツ・ジュクジュク |
| きっかけ | 長時間の装用、汗をかく季節、合っていないフレーム | 眼鏡を新しくした、パッドやつるを交換した |
| 外したとき | 外すと比較的早く落ち着く | 外しても数日かゆみが続く。触れるとまた出る |
ほかに似た症状として、脂漏性皮膚炎(鼻のわき・耳のうしろはもともと出やすい場所です)や、アトピー性皮膚炎の悪化、耳のうしろのカンジダなどがあります。眼鏡を外しても治らない場合は、これらも考えます。
また、鼻パッドの当たる場所に、痛みのある硬いしこりや、治らない小さな傷ができることがあります。圧迫による変化のことが多いですが、長く治らない場合は一度見せてください。
治療・セルフケア
治療は、炎症を抑えることと、原因を減らすことの両方を行います。
- 塗り薬: 赤み・かゆみには、場所に合った強さのステロイドの塗り薬を短期間使います。ジュクジュクしている場合は、それに合った薬を選びます
- パッド・フレームの調整: 眼鏡店でフィッティングを見直してもらい、当たりの強いところを減らします。パッドの素材をシリコンから別の素材に変える、パッドの大きいものにして圧を分散させる方法もあります
- 清潔に保つ: パッドやつるには皮脂や汗がたまります。こまめに拭き、水洗いできるものは洗ってください
- 休ませる時間をつくる: 家ではコンタクトにする、外せる時間は外すなど、同じ場所への当たり続けを減らします
アレルギーが疑われる場合は、パッチテストで原因の素材を調べることがあります。原因が分かれば、チタンや樹脂など反応しにくい素材のフレームに替えることで、くり返しを防げます。原因が分からないまま塗り薬だけで抑えていると、眼鏡をかけるたびに再発をくり返すことになります。
受診の目安
- 市販の薬を1週間ほど使っても良くならない
- 耳のうしろが切れてジュクジュクし、痛む
- 眼鏡を新しくしてからかゆみが出て、広がってきた
- パッドの当たる場所にしこりや、治らない傷がある
- ほかのアクセサリーや時計でもかぶれたことがある
診察室でよく聞かれる質問
眼鏡をやめないと治りませんか?
刺激によるものなら、フィッティングの調整と塗り薬で、眼鏡を使い続けながら治せることがほとんどです。アレルギーの場合は、原因の素材を避けたフレームに替えるのが近道です。
チタンなら大丈夫ですか?
チタンはアレルギーを起こしにくい素材とされていますが、合金や塗装、メッキ、パッドに別の素材が使われていることがあります。素材の詳細を眼鏡店で確認すると安心です。
耳のうしろはどうやって薬を塗ればいいですか?
鏡で見えにくい場所なので、指に少しとって耳の付け根に沿ってなでるように塗ります。眼鏡をかける直前に塗るとつるに薬がつくので、外している時間や寝る前に塗るのがおすすめです。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A かぶれ(確認日: 2026-10-07)
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-10-07)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

