「子どもの首にしこりがあり、手術をすすめられた」「何歳になったら局所麻酔でできるの?」「全身麻酔は心配」。お子さんの手術は、大人以上に迷うことが多いものです。手術の時期の考え方、麻酔の選び方、当日までの準備を整理します。
子どもの皮膚の手術とは(どんなものを取るか)
子どもで手術が検討されることの多い皮膚のできものには、次のようなものがあります。
| できもの | 特徴 | 手術を考えるタイミング |
|---|---|---|
| 石灰化上皮腫(毛母腫) | 顔・首・腕の硬いしこり。子どもに多い | 自然には消えない。大きくなる・炎症を起こす前に |
| 粉瘤 | 皮膚の下の袋状のしこり。真ん中に黒い点 | 腫れをくり返す・大きくなるとき。腫れていない時期に |
| ほくろ(色素性母斑) | 生まれつき、または成長とともに出てくる | 大きい、形や色が変わった、見た目の悩みが強いとき |
| 皮様嚢腫(ひようのうしゅ) | 眉毛の外側などの生まれつきのしこり | 大きくなる前に計画的に |
| 副耳・耳の前の小さな穴(耳瘻孔) | 生まれつき。耳瘻孔は腫れをくり返すことがある | 副耳は見た目、耳瘻孔は腫れをくり返すとき |
これらの多くは良性で、「今すぐ取らないと危ない」ものは多くありません。そのため、お子さんの成長や生活に合わせて、手術の時期を選ぶ余裕があることがほとんどです。
麻酔の選び方(局所麻酔か全身麻酔か)
皮膚の小さな手術は、大人ならほとんどが局所麻酔で行います。子どもで問題になるのは、痛みよりも「手術中にじっとしていられるか」です。動いてしまうと安全に手術ができないためです。
- 局所麻酔: 手術する部分だけに麻酔の注射をします。手術の説明を理解でき、手術の間じっとしていられれば選べます。年齢だけでなく、本人の性格や不安の強さ、手術する場所(顔は怖がりやすい)によって変わります
- 全身麻酔: 眠っている間に手術をします。小さい子ども、範囲が大きい手術、顔や目の近くなどで選ばれます。全身麻酔は入院や日帰り手術の設備がある病院で行い、麻酔科の医師が管理します
局所麻酔の痛みは、麻酔の注射のときのチクッとした痛みが中心です。細い針を使う、注射の前に冷やす、麻酔のクリームを使うなど、痛みを和らげる工夫があります。
全身麻酔が必要な場合は、皮膚科から小児科・形成外科などのある病院へ紹介することもあります。「全身麻酔が必要だから急いで取る」のではなく、「局所麻酔でできる年齢まで待てるか」を一緒に考えることが多いです。
早めに治療を考えたほうがいい場合
- 短期間で大きくなっている: 大きくなるほど傷あとも大きくなります
- 腫れ・痛みをくり返す: 粉瘤や耳瘻孔は、炎症をくり返すと周りと癒着し、手術が難しくなることがあります。炎症が落ち着いている時期に取るのが理想です
- 形や色が変わってきた: ほくろは、悪性を否定するために取って調べることがあります
- 本人が気にしている: 見た目でからかわれる、本人が取りたいと強く望むなど、心の負担も大切な判断材料です
手術当日までの準備と、術後の過ごし方
- 本人への説明: 年齢に合わせて「何をするのか」を正直に伝えておくと、当日の不安が減ります。「痛くない」と約束するより、「最初にチクッとするけど、そのあとは押されている感じだけ」と伝えるほうが落ち着いて受けられることが多いです
- 日程: 体育・水泳・行事の予定を見て、抜糸までの期間に激しい運動が少ない時期を選ぶと安心です
- 術後: 多くは翌日からシャワーができます。傷をぶつけない・引っかかないように、ガーゼやテープで保護します
- 傷あと: 抜糸のあとも数か月はテープでの保護と日焼け対策を続けると、傷あとが目立ちにくくなります
受診の目安
- 子どもの皮膚にしこりやできものがあり、何か分からない
- しこりが赤く腫れて痛む(炎症が強いときはまず炎症を治療します)
- ほくろが急に大きくなった、色や形が変わった
- 耳の前の小さな穴から膿が出る、腫れる
診察室でよく聞かれる質問
何歳から局所麻酔でできますか?
年齢で一律には決まりません。説明を理解して、短い時間じっとしていられるかが目安です。同じ年齢でも、お子さんによって大きく違います。診察のときの様子を見ながら一緒に判断します。
小さいうちに取ったほうが、傷あとは小さいですか?
できもの自体が小さいうちに取れば、傷は小さくて済みます。一方で、局所麻酔でできる年齢まで待つ利点もあります。大きくなる速さと、お子さんの年齢・性格を合わせて考えます。
手術の日、保護者は付き添えますか?
局所麻酔の手術では、そばで声をかけてもらうと落ち着くお子さんも多いです。付き添いの方法は医療機関によって違うので、事前に確認してください。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 粉瘤(確認日: 2026-10-07)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A ホクロ(確認日: 2026-10-07)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

