「数年前に帯状疱疹になったのに、またなった」「一度かかれば免疫ができてもうならないと思っていた」「同じところに何回も水ぶくれが出る」。帯状疱疹は「一度きり」と思われがちですが、実際には再びかかることがあります。再発の仕組みと、予防の考え方、くり返すときに確かめたいことを整理します。
帯状疱疹が再発する仕組み
帯状疱疹の原因は、子どものころにかかった水ぼうそう(水痘)のウイルスです。水ぼうそうが治ったあとも、ウイルスは体の神経の根もと(神経節)に隠れて残り続けます。
ふだんは免疫がウイルスを抑えていますが、年齢・疲れ・病気・薬などで免疫の力が落ちると、ウイルスが再び活動を始め、神経に沿って皮膚に出てきます。これが帯状疱疹です。
帯状疱疹にかかると、それをきっかけに免疫が強まります。そのためすぐに再発することは少ないのですが、年月がたって免疫がまた落ちてくると、再びかかることがあります。ウイルスそのものは体から消えないので、「一度かかったから一生大丈夫」とは言えません。
症状・見分け方(くり返すときに確かめること)
「帯状疱疹をくり返している」という相談の中には、実は別の病気が含まれていることがあります。
| 病気 | くり返し方 | 特徴 |
|---|---|---|
| 帯状疱疹の再発 | 数年以上あいて、別の場所に出ることも多い | 体の片側に帯状に出る。ピリピリした痛みが先に出ることが多い |
| 単純ヘルペス(口唇・おしり・陰部など) | 同じ場所に、数か月〜年に何回もくり返す | 小さな水ぶくれが集まる。痛みは帯状疱疹より軽いことが多い |
| 湿疹・かぶれ・虫刺され | 原因に触れるたびに出る | かゆみが中心。神経に沿った帯状の分布ではない |
とくにおしりや太ももに何度も水ぶくれが出る場合、帯状疱疹と言われていても、実際には単純ヘルペスのことがあります。単純ヘルペスは再発をくり返す性質があり、治療の考え方(再発を抑える飲み方など)が帯状疱疹と違います。水ぶくれが出ているうちに受診すると、検査でウイルスの種類を確かめることができます。
また、短い間隔で帯状疱疹をくり返す場合や、全身に広がる場合は、免疫が落ちる別の原因(糖尿病、免疫を抑える薬、がんの治療中など)がないかも確かめます。
治療・予防
再発した帯状疱疹の治療は、初めてのときと同じです。抗ウイルス薬の飲み薬をできるだけ早く始めることが基本で、皮膚症状が出てから早いほど効果が期待できます。痛みには痛み止めを併用します。
予防には帯状疱疹ワクチンがあります。帯状疱疹にかかったことがある人でも接種でき、再びかかるリスクや、かかったときの重症化・神経痛が残るリスクを下げることが期待されています。ワクチンには種類があり、効果の続き方や接種回数、副反応が違います。基本的には効果が高いとされる不活化ワクチン(シングリックス)を勧めることが多いですが、体の状態や持病によって選び方が変わるため、医師と相談して決めてください。
生活の面では、睡眠不足や過労が続くときは意識して休むことも予防の一つです。
受診の目安
- 体の片側にピリピリした痛みがあり、赤いブツブツや水ぶくれが出てきた(できるだけ早く)
- 顔、とくに目のまわりや鼻先に出た(目や顔の神経に影響することがあるため当日中に)
- 同じ場所に何度も水ぶくれが出る(ウイルスの種類を確かめます)
- 短い間隔でくり返す、全身に広がる、高い熱がある
診察室でよく聞かれる質問
帯状疱疹になったあと、ワクチンはいつ打てますか?
皮膚の症状が治まり、体調が落ち着いてから接種を検討するのが一般的です。かかった直後は免疫が強まっているため、少し間をあけることが多いです。具体的な時期は医師に相談してください。
再発したとき、家族にうつりますか?
帯状疱疹として人にうつることはありませんが、水ぼうそうにかかったことのない人(とくに赤ちゃんや妊婦さん)には、水ぶくれから水ぼうそうとしてうつることがあります。水ぶくれがかさぶたになるまでは、ガーゼで覆うと安心です。
前回と同じ薬が家に残っていますが、飲んでいいですか?
自己判断で飲むのは避けてください。帯状疱疹かどうかの確認、飲む量や腎臓の働きに合わせた調整が必要です。早めに受診すれば、すぐに処方を受けられます。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A ヘルペスと帯状疱疹(確認日: 2026-10-07)
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-10-07)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

