「皮膚がんが心配だけど、何を見ればいいのか分からない」「ほくろの数が多くて、全部を気にしていたらきりがない」。皮膚がんは体の表面にできるため、自分の目で早く気づけるがんでもあります。見るポイントを知っておくと、必要以上に心配せずにすみます。
皮膚がんとは(仕組み)
皮膚がんにはいくつかの種類があり、見た目もそれぞれ違います。日本で比較的多いものを挙げます。
- 基底細胞がん: 顔、特に鼻や目のまわりに多い。黒っぽい光沢のある盛り上がりで、中央がくぼんだり崩れたりする。ゆっくり大きくなる
- 日光角化症・有棘細胞がん: 顔や手の甲など日光がよく当たる場所に多い。カサカサした赤い斑点から始まり、盛り上がったりただれたりする
- メラノーマ(悪性黒色腫): ほくろのような黒い斑点。日本人では足の裏や手のひら、爪にできることが比較的多い
- ボーエン病・乳房外パジェット病: 湿疹のように見える赤い斑点が、塗り薬で治らずに続く
長年の紫外線、年齢、皮膚の体質などが関係します。いずれも早い段階で見つかるほど、治療は小さく済みやすくなります。
セルフチェックのやり方
月に1回、入浴前後など明るい場所で、次の順に見ていきます。
- 顔・耳・首: 鏡で正面と横から。耳の後ろは合わせ鏡か家族に見てもらう
- 頭皮: 髪をかき分けて、家族に見てもらうかドライヤーの風で分けて見る
- 腕・手: 手の甲、手のひら、指の間、爪
- 胸・お腹・背中: 背中は合わせ鏡か家族に見てもらう
- 脚・足: 足の裏、足の指の間、足の爪。座って足を持ち上げてよく見る
- 陰部: 手鏡で確認する
気になるものはスマートフォンで写真を撮っておきます。定規やコインを横に置いて撮ると、大きさの変化を比べやすくなります(関連記事: 皮膚の写真の撮り方)。
症状・見分け(受診したほうがいいサイン)
| 見つけたもの | 相談したほうがいいサイン |
|---|---|
| 黒いほくろ・シミ | 形が左右非対称、ふちがギザギザ、色にむらがある、直径6mmを超える、大きさや色が変わってきた |
| 足の裏・手のひらの黒い斑点 | 大きくなってきた、色が濃くなる・にじむ |
| 爪の黒い線 | 線の幅が広がってくる、色が濃くなる、爪のまわりの皮膚まで黒くなる |
| 顔・手の甲のカサカサした赤い斑点 | 保湿しても何か月も消えない、かさぶたができてはがれるをくり返す |
| 治らない傷・かさぶた | 1か月以上治らない、出血しやすい |
| 盛り上がったできもの | 短い期間で急に大きくなる、表面が崩れる |
黒いほくろの見分け方は(関連記事: ほくろと皮膚がん(メラノーマ)の見分け方)で詳しく解説しています。
治療・セルフケア(予防)
皮膚がんが疑われる場合は、まずダーモスコピーという拡大鏡で詳しく観察し、必要に応じて一部または全部を切り取って顕微鏡で調べます。治療の基本は手術で取り除くことで、早く見つかるほど小さな手術で済むことが多いです。
予防のためにできるのは、紫外線を浴びすぎないことです。日焼け止め、帽子、日傘を日常的に使い、屋外作業や農作業が多い方は特に意識してください。
受診の目安
- 上の表の「相談したほうがいいサイン」に当てはまるものがある
- 新しくできたものが、数か月で目に見えて大きくなった
- 家族に皮膚がんになった人がいて、ほくろが多い
- 判断に迷う(迷ったら一度見てもらうのがいちばん早い)
診察室でよく聞かれる質問
ほくろが多いのですが、全部取ったほうが安心ですか?
その必要はありません。ほくろの多くは良性で、すべてを取ることは現実的でもありません。気になるものだけを診察で確かめ、それ以外は写真で経過を見ていくのが基本です。
どのくらいの頻度で皮膚科で診てもらえばいいですか?
セルフチェックで変化がなければ、定期的に受診する必要はありません。過去に皮膚がんになった方や、医師から経過観察を勧められている方は、指示された間隔で受診してください。
セルフチェックで見落とすのが心配です
完璧を目指さなくて大丈夫です。皮膚がんの多くはゆっくり変化するため、月に1回の確認と写真の記録で十分に変化に気づけます。背中や頭皮など見えにくい場所は、家族と見せ合う習慣をつけるのもおすすめです。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 皮膚悪性腫瘍(確認日: 2026-10-15)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A メラノーマ(確認日: 2026-10-15)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A ホクロ(確認日: 2026-10-15)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

