「かかとに尿素クリームを塗ったらヒリヒリした」「顔の乾燥にも使っていい?」。尿素クリームは市販でも手に入りやすい保湿剤ですが、合う場所と合わない場所がはっきりしています。正しく選べば、とても頼りになる保湿剤です。
尿素クリームとは(仕組み)
尿素は、もともと皮膚の角質の中にある「天然の保湿成分」の一つです。尿素には次の2つの働きがあります。
- 水分を抱えこむ: 角質に水分を引き寄せ、うるおいを保つ
- 角質をやわらかくする: 硬くなった角質のたんぱく質をほぐし、ゴワゴワをなめらかにする
この「角質をやわらかくする」働きが、ほかの保湿剤にはない尿素の特徴です。そのため、角質が厚くなりやすい場所で力を発揮します。一方で、皮膚のバリアが壊れている場所では、この作用が刺激になってしみることがあります。
向いている場所・向かない場所(見分け)
| 保湿剤 | 向いている | 注意したい |
|---|---|---|
| 尿素 | かかと、ひじ、ひざ、手のひら・指先の硬いガサガサ、二の腕のブツブツ | ひび割れ、傷、湿疹の赤い部分、顔、赤ちゃん |
| ヘパリン類似物質 | 全身の乾燥、顔、子ども | 出血しやすい病気のある方は医師に相談 |
| ワセリン | ひび割れ、傷のまわり、赤ちゃん、唇 | べたつき。単独では角質をやわらかくする力は弱い |
市販品では、尿素の濃度が10%と20%のものが多く、濃度が高いほど角質をやわらかくする力が強くなる一方、しみやすさも増します。ケラチナミンコーワやフェルゼアなどが代表的です。
治療・セルフケア(上手な使い方)
- お風呂上がりの、皮膚がやわらかくしっとりしているうちに塗る
- かかとは塗ったあとに靴下をはくと、浸透しやすく、乾燥も防げる
- ひび割れがある場合は、先にワセリンや処方薬でひび割れを治し、割れ目がふさがってから尿素に切り替える
- しみる場合は、濃度の低いものに替えるか、ワセリンなどに戻す
- 毎日続ける。ガサガサは数日では変わらず、続けることで少しずつなめらかになる
かかとのガサガサが続く場合、水虫(角質が厚くなるタイプ)のこともあります。保湿で良くならないときは、塗る前に一度検査を受けてください。水虫に保湿剤だけを塗っても治らないためです。
受診の目安
- かかとのひび割れが深く、痛い・出血する
- 保湿を2〜3週間続けても、ガサガサが改善しない
- かゆみ、赤み、小さな水ぶくれ、皮むけを伴う(水虫や湿疹の可能性)
- 手のひら・足の裏全体が厚く硬くなっていく
- 糖尿病があり、足のひび割れや傷がある
診察室でよく聞かれる質問
顔に尿素クリームを使ってもいいですか?
顔の皮膚は薄いので、しみたり赤くなったりしやすく、基本的にはおすすめしません。顔の乾燥には、ヘパリン類似物質や、刺激の少ない保湿剤のほうが向いています。
子どもに使えますか?
赤ちゃんや小さな子どもの肌は刺激を受けやすいため、尿素はしみることがあります。子どもの保湿には、ヘパリン類似物質やワセリンが使いやすいです。
アトピー性皮膚炎の乾燥に使えますか?
湿疹が出ていない、硬くガサガサした部分に使うのは構いません。ただし、赤みやかき傷のある部分には刺激になるので塗らず、まず炎症を抑える治療を優先してください。
爪のまわりのささくれにも使えますか?
硬くなった甘皮や指先のガサガサには役立ちます。ささくれがむけて傷になっている場合はしみるため、傷が治ってから使ってください。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-16)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A アトピー性皮膚炎(確認日: 2026-10-16)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 白癬(水虫・たむし)(確認日: 2026-10-16)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

