「首のあせもが、いつの間にかジュクジュクしてきた」「これはあせも?とびひ?保育園に行っていい?」。どちらも汗をかく季節の子どもに多く、見た目が似ている時期があります。ただ、とびひは治療が必要で、周りにもうつるので、見分けることが大切です。
あせもと、とびひの違い(仕組み)
- あせも: たくさん汗をかいたとき、汗の通り道(汗管)が詰まり、汗が皮膚の中にもれて炎症を起こしたもの。感染ではないのでうつらない
- とびひ(伝染性膿痂疹): 黄色ブドウ球菌などの細菌が、小さな傷や湿疹・虫刺されのかき壊しから入りこんで起こる感染症。かいた手で別の場所に触ると、そこにも広がる(「火事の飛び火」のように広がるのが名前の由来)
あせもや虫刺されがかゆくてかき壊すと、皮膚に傷ができ、そこから細菌が入ってとびひになります。つまり、あせもととびひは別の病気ですが、つながっていることが多いのです。
症状・見分け
| あせも | とびひ | |
|---|---|---|
| 見た目 | 小さな赤いブツブツ、または透明な小さな水ぶくれが、細かく密集 | 大きめの水ぶくれ、破れたあとのジュクジュク、黄色いかさぶた |
| できる場所 | 汗のたまりやすい場所(首・ひじやひざの内側・背中・おでこ・おむつの中) | かき壊した場所、鼻のまわり、手の届く場所。体じゅうに飛ぶ |
| 広がり方 | 汗をかいた範囲にとどまる | 数日で離れた場所に新しく出る |
| かゆみ | あることが多い | あることが多い。ヒリヒリすることも |
| 汗を流したら | 数日で軽くなる | 良くならない。広がる |
| うつるか | うつらない | うつる(タオルの共用・接触で) |
見分けのいちばんの手がかりは「広がり方」と「ジュクジュク・黄色いかさぶた」です。汗を流して涼しくしても良くならず、ブツブツの形が変わってきたら、とびひを考えます。
治療・セルフケア
あせもの場合
- 汗をかいたらシャワーで流す、または濡れたタオルで押さえるように拭く(汗の出口の詰まりを防ぐため)
- 部屋を涼しくし、厚着をさせない
- かゆみが強いときは、皮膚科で弱いステロイドの塗り薬を使うと早く治まる。かき壊しを防ぐことが、とびひの予防になる
とびひの場合
- 皮膚科・小児科を受診し、抗菌薬(細菌を抑える薬)の塗り薬、範囲が広ければ飲み薬を使う
- 患部は石けんを泡立ててやさしく洗い、薬を塗ってガーゼなどで覆う。覆うのは、触った手で広げないため
- 爪を短く切る
- タオルは家族と別にする
とびひかもしれない場所に、自己判断でステロイドだけを塗るのは避けてください。細菌の感染に炎症を抑える薬だけを使うと、広がることがあるためです。
保育園・学校・プールの判断
あせもはうつらないので、登園・登校やプールの制限はありません。
とびひは、患部をガーゼなどできちんと覆えていれば、登園・登校してよいとされることが多いです。ただし、プールは治るまで控えます。水を介してうつるというより、肌どうしの接触やタオル・浮き輪の共用でうつりやすいこと、水でふやけて悪化しやすいことが理由です。園や学校ごとに決まりがあるので、確認してください。
受診の目安
- ブツブツが膿んできた、ジュクジュクしている
- 黄色いかさぶたがある
- 数日で離れた場所に新しく出てきた
- 汗を流して涼しくしても、1週間ほどで良くならない
- 発熱がある、皮膚が広く赤くはがれるようになった(急いで受診)
高熱があり、皮膚がやけどのように赤くむけてくる場合は、とびひの菌の毒素が全身に広がった状態の可能性があります。夜間でも医療機関に相談してください。迷うときは子ども医療電話相談(#8000)が使えます。
診察室でよく聞かれる質問
あせもにベビーパウダーはいいですか?
汗をかく前のさらっとした肌に薄く使う分にはかまいませんが、汗をかいたあとに重ねると、パウダーが汗と混ざって出口をふさぐことがあります。まず汗を流す・拭くほうが効果的です。
とびひは兄弟にうつりますか?
うつることがあります。タオルや寝具を分け、患部を覆っておくことで、うつる機会を減らせます。お風呂は、とびひのある子を最後にするか、シャワーにすると安心です。
大人にもとびひはうつりますか?
大人にうつることもあります。とくに、湿疹やアトピーで皮膚に傷がある大人はうつりやすいです。看病のあとは手を洗ってください。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A とびひ(確認日: 2026-10-17)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 汗の病気(確認日: 2026-10-17)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

