「ブリーチ中から頭がピリピリして、終わったら赤くなっていた」「数日たってかさぶたができた」「次の日から耳のまわりまでかゆい」。ハイトーンカラーやセルフブリーチで起こりやすいトラブルです。刺激によるものか、アレルギーによるものかで、その後の対応が大きく変わります。見分け方と手当てを整理します。
ブリーチで頭皮が傷む仕組み
ブリーチ剤は、主に過酸化水素と、アンモニアなどのアルカリ剤、さらに脱色の力を強める過硫酸塩という成分を混ぜて使います。これらが髪の色素を分解して明るくしますが、同じ力は頭皮にも働きます。
皮膚の表面には、刺激を防ぐバリアの役割をする層(角層)がありますが、アルカリと過酸化水素に長く触れると、この層が傷みます。その結果、次のようなトラブルが起こります。
- 刺激性の皮膚炎…薬剤が付いた所が赤くなり、ヒリヒリします。誰にでも起こりうるもので、薬剤の濃さ・放置時間・頭皮の状態で強さが変わります。
- 化学やけど…刺激が強いと、水ぶくれやジュクジュク、かさぶたになります。
- アレルギー性のかぶれ…過硫酸塩や、同時に使うカラー剤の染料成分(パラフェニレンジアミンなど)に体が反応して起こります。一度アレルギーになると、少量でも反応が出ます。
短い間隔でくり返す、頭皮に傷や湿疹がある、薬剤を頭皮にべったり付ける、といった条件で起こりやすくなります。
症状と見分け方
| 考えられるもの | 出るタイミング | 特徴 |
|---|---|---|
| 刺激性の皮膚炎 | 施術中から直後 | ヒリヒリ・赤み。薬剤が付いた範囲に一致し、境目がはっきりしている |
| 化学やけど | 施術中から直後、数日でかさぶたに | 強い痛み、水ぶくれ、ジュクジュク、黄色いかさぶた |
| アレルギー性のかぶれ | 数時間から2日後 | 強いかゆみ。生え際・耳・首すじ・まぶたへ広がり、顔が腫れることもある |
| 即時型のアレルギー | 施術中から数十分以内 | 全身のじんましん、息苦しさ、気分が悪い |
刺激とアレルギーの大きな違いは「出るタイミング」と「広がり方」です。施術直後のヒリヒリで薬剤の範囲にとどまるなら刺激、翌日以降に範囲を越えて広がるならアレルギーを考えます。
応急処置とセルフケア
- すぐにぬるま湯で十分に洗い流す。薬剤が残っている限り刺激が続くためです。施術中にピリピリが強いときは、我慢せずすぐに伝えて流してもらいましょう。
- シャンプーは指の腹でやさしく。爪を立てたりゴシゴシこすったりすると、傷んだ頭皮をさらに傷つけます。
- 冷やす。保冷剤はタオルで包み、熱をもった所に当てます。
- かさぶたははがさない。下で皮膚が治ろうとしているので、自然に落ちるのを待ちます。
- ドライヤーは低温で。熱風は、傷んだ頭皮にさらに刺激になります。
- 治るまで次のカラーやパーマはしない。
施術中や直後に全身のじんましんや息苦しさが出たら、すぐに救急車(119)を呼んでください。判断に迷うときは、救急安心センター(#7119)に相談できます。
皮膚科での治療
炎症を抑える塗り薬(ステロイド外用薬)を、頭皮に塗りやすいローションなどで使います。ジュクジュクやかさぶたに細菌がついている場合は、抗菌薬を使うこともあります。顔まで腫れるアレルギーには、飲み薬を組み合わせます。
アレルギーが疑われる場合は、皮膚に貼って反応を見る検査(パッチテスト)で原因の成分を確かめると、次から避けるべきものがはっきりします。
診察室でよく聞かれる質問
Q. もうブリーチはできないのでしょうか?
A. 刺激によるものなら、頭皮が完全に治ってから、薬剤を頭皮に付けない塗り方や間隔をあける工夫で、再びできることが多いです。アレルギーの場合は、原因の成分を含む薬剤は避ける必要があります。次の施術の前に、美容師さんに今回の症状を伝えてください。
Q. 市販のブリーチ剤でセルフでやったら、ヒリヒリが強く出ました。
A. 自分では後頭部の塗り方や放置時間の調整が難しく、頭皮に薬剤が多く付きやすくなります。説明書の時間を守ること、事前に皮膚で試すことが勧められています。
Q. 髪がたくさん抜けたのですが、生えてきますか?
A. ブリーチ後の抜け毛の多くは、髪が傷んで途中で切れたものです。頭皮のやけどが浅ければ毛根は残っているので、また生えてきます。深いやけどになった場合はまれに毛が生えにくくなることがあるため、水ぶくれやジュクジュクが広い場合は早めに受診してください。
受診の目安
- 水ぶくれ、ジュクジュク、かさぶたができた
- ヒリヒリや赤みが3日以上続く
- 翌日以降にかゆみや腫れが強くなり、生え際や顔に広がってきた
- まぶたが腫れて目が開けにくい
- 全身のじんましんや息苦しさ(すぐに救急へ)
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「かぶれ(接触皮膚炎)」(確認日: 2026-10-21)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-21)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

