「おむつ替えのときに見たら、足の親指の爪の両端が皮膚に埋まっていた」「巻き爪じゃないかと心配で、爪を切るのが怖い」。乳児健診や皮膚科で、保護者の方からよく相談される症状です。多くは様子を見てよいものですが、受診したほうがよいサインもあります。見分け方と、家でのケアを説明します。
赤ちゃんの爪が食い込んで見える理由(仕組み)
大人の巻き爪は、爪そのものが内側に強く曲がって皮膚に食い込むものが中心です。一方、赤ちゃんの場合は、爪が薄くやわらかいことに加えて、指先の肉が爪よりも高く盛り上がっているため、爪の端が肉に埋もれているように見えることがほとんどです。
大人の爪は、歩くときに地面から指先にかかる力で、平らな形に保たれていると考えられています。まだ歩かない赤ちゃんは、この力がかからないため、爪の形が定まっていません。立って歩くようになると、指先に体重がかかり、爪が少しずつしっかりして、食い込みが目立たなくなっていくことが多いです。
様子を見てよい状態と、受診したほうがよい状態
| 状態 | 見た目・様子 | 対応 |
|---|---|---|
| 爪の端が埋もれているだけ | 赤みや腫れはない。触っても嫌がらない | 家で様子を見てよい |
| 爪のまわりの炎症(爪囲炎) | 爪の横が赤く腫れる。触ると痛がる。黄色い膿がたまることもある | 受診する |
| 肉芽(にくげ)ができた | 爪の横に、赤くてやわらかい、出血しやすい盛り上がりができる | 受診する |
赤ちゃんは痛みを言葉で伝えられないため、足を触ると泣く、靴下を履かせると嫌がる、片足をかばうといった様子も、炎症のサインになります。
家でできるケア: 爪の切り方
いちばん大切なのは、爪を短く切りすぎないことです。食い込んでいる角を深く切り取ると、伸びてくるときに爪の角が皮膚に刺さり、かえって炎症の原因になります。
- まっすぐ横に切る:爪の先を横一直線に切り、両端の角は少しだけ丸める程度にします(スクエアオフ)。
- 白い部分を少し残す:指先と同じくらいの長さを目安にし、深爪しないようにします。
- 赤ちゃん用の爪切りやはさみを使う:小さな指に合った道具のほうが、切りすぎを防げます。
- 眠っているときや、授乳後で落ち着いているときに切ると、急に動いて傷つけることを防げます。
- お風呂上がりは爪がやわらかくなっていて、切りやすくなります。
あわせて、きつい靴下や、足に合わない小さな靴を避けることも大切です。つま先が圧迫されると、爪のまわりの皮膚が押されて炎症を起こしやすくなります。足の指を洗うときは、指の間や爪のまわりもやさしく洗い、よく乾かしてください。
診察室でよく聞かれる質問
Q. 爪のまわりを消毒したほうがいいですか?
A. 赤みや腫れがなければ、消毒は必要ありません。お風呂でやさしく洗って清潔に保てば十分です。消毒液をくり返し使うと、かえって赤ちゃんの皮膚が荒れることがあります。
Q. 少し赤いのですが、市販の塗り薬を塗っていいですか?
A. 軽い赤みなら、清潔にして様子を見るだけで治まることもあります。ただ、腫れて痛がる、膿がたまっている場合は、塗り薬だけでは治りにくいことがあります。早めに受診してください。
Q. 大人の巻き爪のように、矯正したほうがいいですか?
A. 赤ちゃんの場合は、成長とともに自然に落ち着くことが多いため、基本的には矯正の器具は使いません。炎症を繰り返す場合などに、テープで爪のまわりの皮膚を引き離す方法を指導することがあります。自己流で行わず、医師の説明を受けてから行ってください。
受診の目安
- 爪のまわりが赤く腫れている、膿がたまっている
- 触ったり靴下を履かせたりすると、泣いて痛がる
- 爪の横に、赤くて出血しやすい盛り上がりができた
- 赤みや腫れを何度も繰り返す
- 赤みが指全体や足の甲に広がる、発熱がある
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参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 爪の病気(確認日: 2026-10-27)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

