「あざがあって人前に出るのがつらい」「治療中だけど、それまでの間なんとか目立たなくしたい」。皮膚の色の悩みは、治療に時間がかかったり、治療で完全には消えなかったりすることがあります。カバーメイクは、治療の代わりではなく、治療と並行して日常を過ごしやすくするための方法です。基本の考え方と手順を説明します。
カバーメイクとは(仕組み)
カバーメイクは、通常のファンデーションよりも色を隠す力(カバー力)が強い化粧品と、色の組み合わせの工夫で、皮膚の色の違いを目立たなくする方法です。
色の違いが目立つのは、周りの肌との色の差(色み)と明るさの差があるためです。カバーメイクでは、この2つを順番に整えます。
- 色みを打ち消す:赤みには緑、青み(青あざ・クマ)にはオレンジ、茶色にはオレンジや黄色など、反対側の色(補色)を薄くのせます
- 明るさを合わせる:その上に、周りの肌と同じ明るさのファンデーションを重ねます
悩み別の色の選び方
| 悩み | 見た目 | 下地・補正の色 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 赤ら顔・赤あざ(血管の広がり) | 赤〜赤紫 | 緑 | 緑は薄く。厚く塗ると灰色っぽく浮く |
| 青あざ・青ぐま | 青〜灰色 | オレンジ | 太田母斑など青みのあるあざに |
| 茶色のあざ・シミ | 茶色 | オレンジ〜黄色 | コンシーラーを点でのせ、境目をぼかす |
| 白斑 | 周りより白い | 補正色は不要。周りの肌より少し濃い色 | 白い部分にだけ色をのせ、境目をぼかす。体には色が長く続く日焼けしたような色の化粧品(セルフタンニング剤)を使う方法もある |
| 傷あと・ニキビ跡のでこぼこ | 影ができる | 明るめのコンシーラー | でこぼこはメイクで平らにはできない。影を明るくして目立ちにくく |
基本の手順
- 保湿:乾燥していると化粧がよれます。保湿剤がなじむまで数分待ちます
- 色の補正:補色のコンシーラーや下地を、気になる部分にだけ薄くのせます
- 肌の色を重ねる:カバー力の高いファンデーションを、指やスポンジで「塗る」のではなく「軽くたたいて置く」ようにのせます
- 境目をぼかす:周りの肌との境目を、スポンジで外側に向かってぼかします
- パウダーで固定:仕上げにパウダーを押さえるようにのせると、崩れにくく、衣類への色移りも減ります
体(腕・脚・首)に使う場合は、汗や水に強いタイプを選ぶと、一日もちやすくなります。
肌を荒らさないための注意
- 炎症がある部分には使わない:赤くかゆい、ジュクジュクしている、治療中の傷がある場所は、化粧で刺激になります
- 初めての化粧品はパッチテストを:腕の内側に少量を塗り、24〜48時間ほど様子を見ます
- 落とすときにこすらない:カバー力の高い化粧品は落ちにくいものが多いため、専用のクレンジングをなじませてから、ぬるま湯でやさしく流します。強くこすると色素沈着の原因になります
- レーザー治療の直後は医師の指示に従う:施術の種類によって、メイクを再開できる時期が違います
治療との関係
カバーメイクは、皮膚の色の違いを「見えにくくする」もので、病気そのものを治すものではありません。白斑には塗り薬や光線療法、赤あざや青あざにはレーザー治療など、病気ごとに治療法があります。治療で改善する部分は治療で、それでも残る部分や治療中の期間をメイクで補う、という組み合わせが現実的です。
化粧品メーカーの相談窓口や、一部の医療機関では、カバーメイクの方法を教えてもらえることがあります。
よくある質問
Q. 子どものあざにカバーメイクをしてもいいですか?
A. 学校行事など特別な日に使うことはできますが、子どもの皮膚は刺激を受けやすいため、毎日の使用は肌の状態を見ながら控えめにしてください。あざの種類によっては、小さいうちに始めたほうがよい治療もあるため、まず医療機関で相談することをおすすめします。
Q. 男性でも使えますか?
A. 使えます。ひげのそり跡の青み、ニキビ跡の赤み、傷あとなどに、薄く使うだけでも印象が変わります。
Q. カバーメイクで白斑が悪化することはありますか?
A. 化粧品そのものが白斑を悪化させることは一般的ではありませんが、こすったり、かぶれたりする刺激は白斑が広がるきっかけになることがあります。やさしく塗ってやさしく落とすことを心がけてください。
受診の目安
- 白斑・あざ・赤みがあり、治療できるかどうか知りたい
- 色の違いが広がってきた、新しく出てきた
- 化粧品を使ってかゆみ・赤み・ブツブツが出た
- ほくろやシミの形・色が変わってきた
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-11-01)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A かぶれ(確認日: 2026-11-01)
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-11-01)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

