湿疹とは?種類・原因・かぶれやアトピーとの違いを解説

湿疹とは?種類・原因・かぶれやアトピーとの違いを解説
DERMATOLOGY GUIDE | GENERAL DERMATOLOGY
更新日: 2026年10月6日執筆: あび皮膚科クリニック編集部監修: アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)医師紹介

湿疹は、かゆみを伴う赤み・ぶつぶつ・カサつきなどが出る「皮膚の炎症」をまとめて呼ぶ言葉で、医学的には「皮膚炎」とほぼ同じ意味で使われます。皮膚炎は、皮膚の浅いところに炎症が起きた状態を指す幅広い用語です。

つまり「湿疹ができた」の中身は、かぶれ(接触皮膚炎)のこともあれば、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、乾燥による湿疹のこともあります。原因によって対策が変わるため、「何の湿疹か」を見極めることが改善への近道です。市販薬で数日〜1週間ほどケアしても良くならない、繰り返す、範囲が広がる——そのような場合は、自己判断を続けず皮膚科の受診をご検討ください。

目次

湿疹(皮膚炎)とは

SKIN STRUCTURE — CROSS SECTION 表皮(バリアの層・約0.2mm) 真皮(弾力を支える層) 皮下組織(脂肪の層) 毛穴(毛包) 皮脂腺皮脂を分泌して肌を保護 汗腺汗をつくる バリアのすき間から刺激が入り込む
皮膚の構造のイメージ図(表皮・真皮・皮下組織)。湿疹は主にいちばん外側の表皮で起こる炎症です図: あび皮膚科メディア編集部作成(イメージ図であり、実際の構造を簡略化しています)

湿疹・皮膚炎では、皮膚に次のような変化が現れます。

  • 赤み(紅斑)
  • 小さなぶつぶつや水ぶくれ
  • じくじくした浸出液やかさぶた
  • カサカサした鱗屑(りんせつ)や皮むけ
  • かゆみ

急性期は赤み・カサカサ・じくじくが中心で、炎症が長引くと皮膚が厚く硬くなったり、色素沈着が残ったりすることがあります。「湿疹」という診断名は出発点であり、背景にどんなタイプの皮膚炎があるかによって、治療や再発予防の方法が変わってきます。

湿疹の主な種類

皮膚炎(湿疹)には特定の部位に生じるものと全身に生じうるものがあり、複数のタイプに分けられます。代表的なものを挙げます。

接触皮膚炎(かぶれ)

何かに触れたことが原因で起こる湿疹です。日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aでは、洗剤や化学物質などの刺激で起こる「刺激性」と、金属・植物・化粧品・医薬品などに対するアレルギー反応で起こる「アレルギー性」があると説明されています。原因物質に触れた部位に一致して症状が出やすいのが特徴です。

アトピー性皮膚炎

かゆみのある湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す慢性の皮膚疾患です。皮膚のバリア機能の低下とアレルギーを起こしやすい体質が関わります。

脂漏性皮膚炎

頭皮・顔(眉間や小鼻のわき)など皮脂の多い部位に、赤みとフケのようなカサつきが出るタイプです。

貨幣状湿疹

コイン(貨幣)のような円形の湿疹が、すねや体などに複数できるタイプで、背景に乾燥があることが多くみられます。

皮脂欠乏性湿疹(乾燥による湿疹)

加齢や空気の乾燥で皮膚の脂分・水分が減り、カサつきからかゆみ・湿疹に進むタイプです。冬場のすね・腰まわりなどによくみられます。

かぶれ・アトピーとの違いをどう見分けるか

観点 接触皮膚炎(かぶれ) アトピー性皮膚炎 乾燥による湿疹
きっかけ 特定の物質への接触 体質+バリア機能の低下 乾燥・加齢・洗いすぎ
出やすい場所 触れた部位に一致 首・肘や膝の曲げ側など左右対称 すね・腰など乾燥部位
経過 原因を避ければ改善しやすい 慢性に繰り返す 乾燥する季節に悪化

ただし、実際には複数の要因が重なっていることも多く、見た目だけで確実に区別することは専門医でも難しい場合があります。この表はあくまで目安であり、自己診断を確定させるためのものではありません。繰り返す湿疹・原因の分からない湿疹は、診察で確認することをおすすめします。

主な原因

  • 外的刺激: 洗剤・摩擦・汗・金属・植物など
  • アレルギー: 特定の物質に対する免疫の反応
  • 乾燥: バリア機能の低下により刺激が入り込みやすくなる
  • 体質: アトピー素因、皮脂の分泌バランスなど

予防の基本は、分かっているアレルゲンや刺激物を避けることです。

受診の目安

  • 市販薬で数日〜1週間ケアしても良くならない
  • 同じ場所に湿疹を繰り返す
  • 範囲が広がってきている
  • かゆみで眠れない、日常生活に支障がある
  • 原因に心当たりがなく不安が続いている

早めの受診をおすすめするケース

  • じくじく・膿・かさぶたが急に広がった(細菌感染を合併している可能性)
  • 発熱など全身の症状を伴う
  • 顔や目の周りに強い腫れが出た

皮膚科で行う検査

湿疹の診断は、症状の見た目・出ている場所・経過についての問診と視診が基本です。かぶれ(アレルギー性接触皮膚炎)が疑われる場合には、原因物質を調べる「パッチテスト」という検査があります。日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aでも、パッチテストは接触皮膚炎の原因を調べる検査法として紹介されています。検査の実施可否や進め方は医療機関によって異なるため、受診時にご相談ください。

治療の考え方

皮膚炎の治療には保湿剤や外用コルチコステロイド(ステロイド外用薬)などが用いられ、原因と症状に応じて使い分けられます。ポイントは次の3つです。

  1. 炎症を抑える: 症状や部位に合った強さのステロイド外用薬などを、医師の指示どおりの量・期間で使います
  2. 原因を取り除く: かぶれなら原因物質を避ける、乾燥なら保湿を続けるなど、タイプに応じた対策を行います
  3. かゆみ対策: かゆみが強い場合は、かゆみを抑える内服薬を併用することがあります

やってはいけないこと

  • 掻きこわす: 皮膚がさらに傷つき、炎症が長引く悪循環になります
  • 自己判断で市販のステロイド外用薬を長期間使い続ける: 合わない薬を使い続けると改善しないだけでなく、原因の見極めも難しくなります
  • 原因を放置したまま薬だけでしのぐ: かぶれの場合、原因に触れ続けている限り繰り返します

よくある質問

Q. 湿疹は自然に治りますか?

軽い湿疹が短期間で落ち着くことはありますが、原因が続いている場合や乾燥・体質が背景にある場合は繰り返しやすくなります。1週間を目安に改善しなければ受診をご検討ください。

Q. 市販薬を使ってもいいですか?

短期間・狭い範囲であれば市販薬で様子を見る選択肢もあります。ただし改善しない場合は、原因が別にある可能性があるため、使い続けずに皮膚科で診断を受けることをおすすめします。

Q. 湿疹はうつりますか?

湿疹(皮膚炎)そのものは感染症ではありません。ただし、水虫など見た目が湿疹に似ている感染症もあるため、家族に同じような症状が出た場合などは診察で確認すると安心です(関連記事: 水虫(足白癬)とは?症状・検査・治療と受診の目安)。

Q. 湿疹がかゆい時はどうしたらいいですか?

患部を程よく冷やすと、かゆみが落ち着くことがあります。メントールなどのスースーする成分が入った外用薬を処方してもらうのも1つの選択肢です。

編集部より

「ただの湿疹」と思って市販薬を塗り続けていたら、実はかぶれの原因に触れ続けていた——というのはよくあるパターンです。湿疹は種類の見極めがすべての出発点です。繰り返すかゆみ・赤みを我慢し続けず、お近くの皮膚科で一度「何の湿疹か」を確認してみてください。

参考情報

  • 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「かぶれ」 – https://qa.dermatol.or.jp/qa4/index.html (2026年8月27日確認)
  • 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「アトピー性皮膚炎」 – https://qa.dermatol.or.jp/qa1/index.html (2026年8月27日確認)

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の症状の診断・治療に代わるものではありません。気になる症状がある場合は皮膚科の受診をご検討ください。

アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)

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