「眉のアートメイクから2週間たっても赤くてかゆい」「数か月たってから、眉の一部が盛り上がってきた」「アートメイクを消したい」。アートメイクは手軽な美容施術として広まっていますが、皮膚に色素を入れる以上、トラブルが起こる可能性はゼロではありません。
アートメイクとは(仕組み)
アートメイクは、細い針で皮膚の浅いところ(表皮と真皮の境目あたり)に色素を入れ、眉・アイライン・唇などの色や形を長く保つ施術です。日本では、針で皮膚に色素を入れる行為は医療行為とされ、医師または医師の指示を受けた看護師が、医療機関で行うものとされています。
入れた色素は、皮膚のターンオーバーや体の仕組みで少しずつ薄くなり、一般に数年で色が薄れていきます。この「異物を皮膚に入れる」という点が、トラブルの原因にもなります。
症状・見分け
起こりやすいトラブルから順に並べます。
| トラブル | 時期 | 特徴 |
|---|---|---|
| 施術後の赤み・腫れ | 直後〜数日 | 針の刺激による反応。徐々に引く |
| 口唇ヘルペス | 唇の施術後 数日 | 唇に小さな水ぶくれ。ヘルペスにかかったことがある人に多い |
| 細菌の感染 | 数日〜1週間 | 赤みが広がる、熱をもつ、膿が出る、痛みが強まる |
| かぶれ(色素へのアレルギー) | 数日〜数か月 | 施術した範囲がかゆく、赤く、カサカサする |
| 肉芽腫・しこり | 数か月〜数年後 | 色素を入れた部分が盛り上がる、硬くなる |
| 色の変化・にじみ | 数か月〜数年後 | 赤み・青みが残る、輪郭がにじむ |
何年もたってから、色素を入れた部分だけが盛り上がる場合は、色素に対する反応のほか、まれにサルコイドーシスという全身の病気が皮膚に表れていることもあります。
治療・セルフケア
施術直後のケア
- こすらない、かかない: かさぶたをはがすと、感染や色むらの原因になります
- 施術を受けた医療機関の指示どおりにケアする: 洗顔やメイクの再開時期は、施術の範囲や方法で変わるためです
トラブルが起きたときの治療
- かぶれ: 炎症を抑える塗り薬を使います。色素そのものへのアレルギーの場合、色素が皮膚に残る限り症状が繰り返すことがあります
- 感染: 抗菌薬(塗り薬・飲み薬)で治療します
- 口唇ヘルペス: 抗ウイルス薬で治療します。ヘルペスにかかったことがある人は、唇の施術の前に予防の相談をしておくと安心です
- 肉芽腫・しこり: ステロイドの塗り薬や注射で炎症を抑えます。必要に応じて、一部を取って顕微鏡で調べる検査(皮膚生検)を行います
アートメイクを消したいとき
主な方法は、レーザーで色素を少しずつ壊す治療と、色素の入った皮膚を切り取る手術です。注意したいのは、肌色・白・赤系の色素の中には、レーザーを当てると黒っぽく変色するものがある点です。数回の治療が必要になることが多く、完全には消えきらないこともあります。
※アートメイクの除去は、自由診療です。費用は医療機関ごとに異なり、効果の感じ方には個人差があります。主なリスクとして、赤み・腫れ・かさぶた、色素沈着や色が抜ける変化、色素の変色、傷あとが残ることがあります。
受診の目安
- 施術から1週間以上たっても、赤み・腫れ・かゆみが続く
- 赤みが広がる、熱をもつ、膿が出る、痛みが強くなる
- 唇に水ぶくれができた
- 数か月〜数年たってから、アートメイクの部分が盛り上がってきた、硬くなった
- まぶたが大きく腫れて目が開けにくい、見え方がおかしい(アイラインの施術後は、眼科への受診も必要です)
診察室でよく聞かれる質問
アートメイクをしていても、MRI検査は受けられますか?
多くの場合は受けられます。ただし、色素の成分によっては、まれに検査中に熱感や腫れが出たり、画像が乱れたりすることが知られています。MRI検査の前には、アートメイクをしていることを必ず伝えてください。
かぶれたアートメイクは、自然に治りますか?
炎症は塗り薬で落ち着くことが多いですが、色素そのものへのアレルギーでは、色素が残っている限り症状を繰り返すことがあります。繰り返す場合は、除去も含めて相談してください。
施術を受けた医療機関と、皮膚科のどちらに相談すべきですか?
まずは施術を受けた医療機関に連絡し、施術の内容(色素の種類・施術日)を確認しておくと、その後の診療がスムーズです。赤みや腫れが続く、しこりができた、といった皮膚の症状は、皮膚科でも相談できます。
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参考情報
- 日本美容外科学会(確認日: 2026-10-13)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A かぶれ(確認日: 2026-10-13)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

