「セラミド配合と書いてある化粧品がたくさんあって、どれを選べばいいか分からない」「皮膚科でもらう保湿剤と、何が違うの?」。保湿の成分として名前はよく聞くものの、どんな働きをして、誰に向いているのかは分かりにくいかもしれません。皮膚の仕組みから整理します。
セラミドとは(仕組み)
皮膚のいちばん外側には、角層という、とても薄い層があります。角層はよく「レンガとセメント」にたとえられます。レンガにあたるのが角層の細胞、セメントにあたるのが細胞のすき間を埋める脂質で、その脂質の約半分を占めるのがセラミドです。
セラミドは水分を挟み込んで逃がさず、同時にアレルゲンや刺激物が入り込むのを防ぎます。この働きを皮膚の「バリア機能」と呼びます。年齢を重ねたとき、洗いすぎたとき、アトピー性皮膚炎の人の皮膚では、セラミドが減っていることが知られています。セラミドが減るとすき間ができ、水分が逃げて乾燥し、刺激にも弱くなります。
症状・見分け: セラミド配合の保湿剤が向いている肌
- カサカサ・粉をふく: 冬のすね、腕、背中など
- 洗顔後につっぱる、化粧水がしみる: バリアが弱っているサインです
- アトピー性皮膚炎で、湿疹が落ち着いている時期: 良い状態を保つための保湿として
反対に、赤い、かゆい、じくじくする、かき壊しているという状態は、乾燥ではなく湿疹(皮膚の炎症)です。この段階では、保湿剤だけでは治りにくく、炎症を抑える塗り薬が必要です。
化粧品のセラミドの種類
| 種類 | 表示名の例 | 特徴 |
|---|---|---|
| ヒト型セラミド | セラミドNP、セラミドAP、セラミドEOP など | 人の皮膚にあるセラミドと同じ構造。なじみやすいとされる |
| 疑似セラミド | セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド など | セラミドに似た働きをするように作られた成分。比較的多く配合しやすい |
| 植物性・動物性セラミド | コメヌカスフィンゴ糖脂質、セレブロシド など | 植物や動物由来の成分 |
「セラミド配合」と書かれていても、種類も量も製品によってさまざまです。成分表示で、どのセラミドが入っているかを見ると選ぶ手がかりになります。
治療・セルフケア: 処方の保湿剤との使い分け
皮膚科で処方される保湿剤(ヘパリン類似物質、白色ワセリン、尿素の入ったものなど)には、セラミドは入っていません。どれも肌に水分を与える、ふたをする、角層をやわらかくするといった働きで保湿します。
- 湿疹の治療中・広い範囲の乾燥: 処方の保湿剤が基本です。量を気にせず全身に使え、効果も確かめられています
- 顔や、毎日のスキンケアとして: 使い心地の好みで、セラミド配合の化粧品を選ぶのもよい方法です
- 両方使ってもよい: 体には処方の保湿剤、顔にはセラミドのクリーム、のような使い分けもできます
保湿の効果を上げる使い方
- 入浴後、なるべく早く塗る: 皮膚がまだ水分を含んでいるうちに塗ると、うるおいを閉じ込めやすいためです
- たっぷり塗る: 塗ったあと、ティッシュが貼りつくくらいが目安です。少ないと効果が出にくくなります
- 洗いすぎない: ナイロンタオルでこする、熱いお湯に長くつかると、セラミドなどの脂質が流れ出てしまいます
受診の目安
- 保湿を2週間ほど続けても、カサカサやかゆみが良くならない
- 赤み、ブツブツ、じくじくがある(湿疹になっています)
- かゆくて夜眠れない、かき壊している
- 化粧品を塗るとしみる、赤くなる(かぶれの可能性があります。その製品は中止してください)
診察室でよく聞かれる質問
セラミドのサプリメントは効きますか?
飲むセラミド(食品)も販売されていますが、塗る保湿の代わりになるものではありません。乾燥肌の対策は、まず塗る保湿と、洗いすぎないことが基本です。
セラミド入りの化粧品で、湿疹は治りますか?
化粧品は、湿疹そのものを治すものではありません。赤みやかゆみがある湿疹は、炎症を抑える塗り薬で治してから、良い状態を保つために保湿を続ける、という順番が大切です。
赤ちゃんや子どもにも使えますか?
子ども向けに作られた製品であれば使えます。初めて使うときは、腕の内側などに少し塗って、赤くならないか確かめてから全身に使うと安心です。
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参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A アトピー性皮膚炎(確認日: 2026-10-13)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-13)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

