フラクショナルレーザーとは?|クレーター状のニキビ跡・毛穴の凹凸への仕組みと回数の考え方、ダウンタイムとリスク

フラクショナルレーザーとは?|クレーター状のニキビ跡・毛穴の凹凸への仕組みと回数の考え方、ダウンタイムとリスク
DERMATOLOGY GUIDE | AESTHETIC DERMATOLOGY
更新日: 2026年10月30日執筆: あび皮膚科クリニック編集部医師紹介

「ニキビ跡のデコボコをなんとかしたい」「フラクショナルレーザーという名前を聞いたけれど、どんな治療なの?」——凹んだニキビ跡に悩む方からよく受ける質問です。凹んだ跡は、塗り薬やスキンケアだけでは変化が出にくく、皮膚の深いところに働きかける治療が必要になります。フラクショナルレーザーは、その代表的な選択肢の一つです。

この記事では、仕組み、向いている跡と向いていない跡、ダウンタイムとリスク、他の治療との使い分けを整理します。

目次

フラクショナルレーザーの仕組み

「フラクショナル」は「分割した」という意味です。レーザーを皮膚全体に当てるのではなく、細い点状に、すき間をあけて規則正しく照射します。照射した点の部分にはごく小さな傷ができ、それが治る過程で、皮膚の深いところ(真皮)のコラーゲンが作り直されます。

SKIN STRUCTURE — CROSS SECTION 表皮(バリアの層・約0.2mm) 真皮(弾力を支える層) 皮下組織(脂肪の層) 毛穴(毛包) 皮脂腺皮脂を分泌して肌を保護 汗腺汗をつくる
レーザーで点状の小さな傷を作り、治る力で真皮のコラーゲンを作り直す図: あび皮膚科メディア編集部作成(イメージ図であり、実際の構造を簡略化しています)

点と点の間に正常な皮膚が残っているため、そこから傷が治りやすく、全体を削る治療に比べてダウンタイムを短くできるのが特徴です。皮膚の表面を小さく蒸散させるタイプ(炭酸ガスやエルビウムヤグなどのアブレイティブ型)と、表面を残して内部だけを温めるタイプ(ノンアブレイティブ型)があり、一般にアブレイティブ型のほうが効果を出しやすい一方、ダウンタイムは長くなります。

向いているニキビ跡・向いていないニキビ跡

ニキビ跡は形によって治療の向き不向きがはっきり分かれます。ご自身の跡がどのタイプかで、期待できる変化が変わります。

跡のタイプ 見た目 フラクショナルレーザー
ローリング型 なだらかに波打つ凹み 浅めのものは向いている。皮膚の下の癒着が強い場合はサブシジョンとの組み合わせを検討
ボックスカー型 縁が切り立った箱型の凹み 浅めのものは向いている
アイスピック型 細く深い点状の穴 単独では変化が出にくい。TCAピーリングを穴に置く方法や切除などとの組み合わせを検討
赤みが残る跡 平らだが赤い 主な対象ではない。時間経過や色素レーザーなどを検討
茶色い跡 平らだが茶色い 主な対象ではない。紫外線対策と時間経過が基本

他の治療との使い分け

治療 働き方 ダウンタイムの傾向
フラクショナルレーザー(アブレイティブ型) 点状に皮膚を蒸散させ、コラーゲンを作り直す 赤み・点状のかさぶたが出やすい
フラクショナルレーザー(ノンアブレイティブ型) 表面を残して内部を温める 比較的短いが、回数が多く必要になりやすい
ダーマペン(マイクロニードル) 細い針で小さな穴をあける 赤みが数日程度出ることが多い
サブシジョン 凹みを下に引っ張る線維を針で切る 内出血・腫れが出ることがある

実際の診療では、1つの治療だけで済ませるより、跡のタイプに合わせて組み合わせることが多いです。どれが一番かではなく、「どの跡に、どの治療を当てるか」で考えます。

回数・経過とダウンタイム

治療は1か月以上の間隔をあけて、数回以上くり返すのが一般的です。コラーゲンが作り直されるまでには時間がかかるため、変化は治療直後ではなく、数か月かけてゆっくり現れます。

照射後は、日焼けのような赤みやほてりが出て、アブレイティブ型では点状の細かいかさぶたができます。かさぶたは無理にはがさないでください。はがすと、その部分が色素沈着や傷あとになりやすいからです。赤みや色の変化が落ち着くまでは、紫外線対策と保湿を丁寧に続けます。

リスクと、受ける前に確認したいこと

  • 炎症後色素沈着 — 日本人の肌では、照射後に茶色い色が一時的に出ることがあります。照射前後の日焼けは避けてください
  • 赤みの長期化・傷あと — 出力が強すぎる場合や、かさぶたを触った場合に起こりやすくなります
  • 感染・口唇ヘルペスの再発 — ヘルペスをくり返す方は事前に伝えてください
  • 肝斑の悪化 — 頬に肝斑がある方は、出力や治療法の調整が必要です

また、いまニキビが次々にできている状態であれば、まずはニキビそのものを保険診療の塗り薬・飲み薬で落ち着かせるのが先です。新しいニキビができ続けると、新しい跡も増え続けるためです。

※フラクショナルレーザーによるニキビ跡の治療は自由診療です。費用は医療機関ごとに異なり、効果の感じ方には個人差があります。

受診・相談の目安

  • 凹んだニキビ跡があり、スキンケアで変化がない
  • 自分の跡がどのタイプか分からず、治療の選び方に迷っている
  • まだニキビが続いており、跡の治療を始めてよいか判断したい

よくある質問

痛みはありますか?

輪ゴムではじかれるような、熱を伴う痛みがあります。麻酔クリームを塗ってから照射することが多く、多くの方は我慢できる範囲です。

メイクはいつからできますか?

治療の強さによって異なります。かさぶたができるタイプでは、かさぶたが取れるまでは刺激を避けるよう指示されることが一般的です。施術した医療機関の指示に従ってください。

何回受ければ、跡は完全になくなりますか?

凹んだニキビ跡を完全に元通りにするのは難しく、目標は「目立ちにくくする」ことです。どの程度の変化を目指すかを、治療を始める前に医師とすり合わせておくと、納得のいく判断がしやすくなります。

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参考情報

本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)

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