肝斑とADM(後天性真皮メラノサイトーシス)の違いは?頬のシミの色・形での見分け方と、治療の順番

肝斑とADM(後天性真皮メラノサイトーシス)の違いは?頬のシミの色・形での見分け方と、治療の順番
DERMATOLOGY GUIDE | AESTHETIC DERMATOLOGY
更新日: 2026年10月13日執筆: あび皮膚科クリニック編集部医師紹介

「頬のシミを取りたくてレーザーを考えている」「肝斑と言われたけれど、点々としたシミもある」「ADMという言葉を初めて聞いた」。頬のシミにはいくつかの種類があり、見た目が似ていても、合う治療がまったく違うことがあります。

目次

肝斑とADMとは(仕組み)

シミの多くは、メラニン(皮膚の色のもと)が皮膚にたまって起こります。違いは、メラニンがどの深さにあるかと、なぜたまるのかです。

  • 肝斑: メラニンは主に皮膚の浅いところ(表皮)にあります。女性ホルモン、紫外線、こするなどの摩擦が関係し、メラニンを作る細胞が刺激に敏感になっている状態です。そのため、強い刺激を与えると、かえって濃くなることがあります
  • ADM: メラニンを作る細胞が、皮膚の深いところ(真皮)にあります。深いところの色は、皮膚を通して灰色〜青みがかって見えます。20代以降に現れることが多く、体質が関係していると考えられています
SKIN STRUCTURE — CROSS SECTION 表皮(バリアの層・約0.2mm) 真皮(弾力を支える層) 皮下組織(脂肪の層) 毛穴(毛包) 皮脂腺皮脂を分泌して肌を保護 汗腺汗をつくる 表皮の奥でつくられたメラニンが、表面にシミとして見える
肝斑のメラニンは主に皮膚の浅いところに、ADMの色素細胞は深いところ(真皮)にあり、見える色と治療法が変わります図: あび皮膚科メディア編集部作成(イメージ図であり、実際の構造を簡略化しています)

症状・見分け

項目 肝斑 ADM
色 薄い茶色〜こげ茶色 灰色がかった茶色、青みがかった色
形 もやっとした面状。境目がはっきりしない 小さな点が集まって散らばる
場所 両頬に左右対称。額、口のまわりにも 頬骨のあたり、こめかみ、鼻の付け根、まぶた
出やすい年代 30〜50代の女性 20代以降。女性に多い
悪化するきっかけ 紫外線、妊娠・ピル、摩擦 はっきりしたきっかけは少ない
レーザーとの相性 強いレーザーで悪化することがある レーザーが治療の中心

実際には、肝斑とADM、さらに日光によるシミ(老人性色素斑)やそばかすが同じ顔に重なっていることも少なくありません。どれが主なのかを見極めることが、治療を選ぶ出発点になります。

治療・セルフケア

治療の順番: 肝斑があれば、肝斑を先に落ち着かせる

肝斑とADMが重なっている場合は、まず肝斑を落ち着かせてから、ADMの治療に進むのが一般的です。肝斑がある状態で強いレーザーを当てると、肝斑が悪化することがあるためです。

肝斑の治療

  • トラネキサム酸の飲み薬: 肝斑の治療の基本です。血栓症の治療中や、その危険が高い人は使えないことがあります
  • 美白の塗り薬・外用剤: ハイドロキノンなどを使います。かぶれることがあるため、使い方は医師と相談します
  • 摩擦を減らす: 洗顔やメイク落としでこすらないことが、薬と同じくらい大切です
  • 低出力のレーザー: 薬で落ち着かない場合に、弱い出力で繰り返し当てる方法(レーザートーニング)を検討することがあります

ADMの治療

深いところの色素を壊すために、Qスイッチレーザーやピコ秒レーザーを、数か月の間隔をあけて複数回当てます。治療後に一時的に色が濃くなる(炎症後色素沈着)ことがあり、落ち着くまで数か月かかることがあります。

※肝斑・ADMのレーザー治療や美白外用は、多くが自由診療です。費用は医療機関ごとに異なり、効果の感じ方には個人差があります。主なリスクとして、赤み・かさぶた、一時的な色素沈着、色が抜ける変化(白斑)、肝斑の悪化があります。

どちらにも共通のケア

日焼け止めを毎日使い、紫外線を避けることが、治療の効果を保ち、再発を防ぐ土台になります。

受診の目安

  • 頬のシミが気になり、レーザーなどの治療を考えている(治療前の診断が大切です)
  • 以前レーザーを受けたあと、かえってシミが濃くなった
  • 市販の美白化粧品を続けても変化がない
  • シミの一部だけが急に大きくなった、盛り上がってきた、色むらが強い(シミ以外のできもののことがあり、早めに)

診察室でよく聞かれる質問

自分のシミが肝斑かどうか、どうすれば分かりますか?

左右対称にもやっと広がっていれば肝斑の可能性が高いですが、ほかのシミが重なっていることも多く、見た目だけで自己判断するのは難しいです。拡大鏡などで皮膚を観察すると、区別しやすくなります。治療前に写真を撮っておくと、経過を比べるのにも役立ちます。

ADMは、市販の美白化粧品で薄くなりますか?

ADMの色素は皮膚の深いところにあるため、塗るものでは届きにくく、薄くなりにくいのが実際です。治療を希望する場合は、レーザーを検討することになります。

肝斑は、閉経すれば消えますか?

女性ホルモンが関係するため、閉経後に薄くなる人もいます。ただし紫外線や摩擦でも続くため、自然に消えるとは限りません。

関連ページ

参考情報

本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)

開業時期・診療内容・予約開始のお知らせを、いち早くお届けします。

2027年、つくばに開院予定。ご登録はメールアドレスだけでできます。

開業のお知らせを受け取る

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次