「冬になると手が黄色くなる」「子どもの手のひらが黄色くて心配」。こたつでみかんを食べる季節に増える相談です。見分けるポイントはひとつ、白目の色です。ここさえ押さえれば、慌てる必要はありません。
柑皮症とは(なぜ黄色くなるのか)
カロテン(βカロテンなど)は、みかん・にんじん・かぼちゃ・ほうれん草・マンゴー・トマトなどに含まれる黄色〜橙色の色素です。たくさんとると血液中のカロテンが増え、皮膚のいちばん外側の角質に溶け込んで黄色く見えるようになります。これが柑皮症です。
角質の厚い手のひら・足の裏に最も目立ち、次いで小鼻のわき、額などに出ます。汗や皮脂と一緒に角質に出てくるためです。一方で、白目(眼球結膜)や口の中の粘膜は黄色くなりません。ここが黄疸との決定的な違いです。
黄疸との見分け(いちばん大事なところ)
| 柑皮症 | 黄疸 | |
|---|---|---|
| 白目 | 白いまま | 黄色くなる |
| 黄色が目立つ場所 | 手のひら・足の裏・小鼻のわき | 白目・全身の皮膚・口の中 |
| 原因 | カロテンを多く含む食品のとりすぎ | 肝臓・胆道の病気、血液の病気など |
| ほかの症状 | 基本的になし | だるさ・かゆみ・尿が濃い茶色・便が白っぽい など |
| 対応 | 食べる量を戻して様子を見る | 早めに内科を受診 |
明るい自然光の下で、鏡で白目を確認してください。室内の電球色の照明では判断しにくいことがあります。子どもの場合も同じで、白目が白く、元気で食欲もあるなら、まず柑皮症を考えます。
柑皮症になりやすい食べ方・体の状態
- みかんを毎日何個も食べる — 冬の典型例です
- 野菜ジュース・にんじんジュースを毎日たくさん飲む — 健康のために続けている方に多い
- 離乳食でにんじん・かぼちゃが多い赤ちゃん — 手のひら・足の裏・鼻のわきが黄色くなります
- βカロテンのサプリメント — 食品と合わせてとりすぎになることがあります
また、食べる量が多くなくても出やすい体の状態もあります。甲状腺の働きが落ちている場合、糖尿病、腎臓の病気、極端な食事制限などです。カロテンの処理がうまくいかず、血液中に残りやすくなるためです。「それほど食べていないのに黄色い」「むくみ・だるさ・体重変化もある」ときは、背景の病気がないかを一度確認してください(関連記事: 甲状腺の病気と皮膚)。
治療とセルフケア
柑皮症そのものに治療は必要ありません。原因の食品を控えめにすれば、数週間〜数か月かけて自然に元の色に戻ります。角質が入れ替わるまで時間がかかるため、食べるのをやめた翌日に消えるものではありません。
大切なのは、やめすぎないことです。みかんや緑黄色野菜は体に良い食品で、柑皮症自体は体に害がありません。気になる場合に量を減らす、という程度で十分です。赤ちゃんの離乳食も、栄養のバランスを崩してまで制限する必要はありません。
診察室でよく聞かれる質問
| 質問 | 答え | 理由 |
|---|---|---|
| みかんは1日何個までなら大丈夫ですか? | 体質で差が大きく、何個までとは言えません | 同じ量でも黄色くなる人とならない人がいます。黄色くなったら減らす、で十分です |
| 赤ちゃんの手が黄色いのですが、にんじんをやめるべき? | 白目が白く元気なら、やめる必要はありません | 体に害はなく、量を少し調整すれば戻るためです。白目が黄色い場合は小児科へ |
| 肝臓が悪いのでしょうか? | 白目が白ければ、柑皮症のことがほとんどです | 肝臓の病気による黄疸では、白目が先に黄色くなるためです |
| 爪が黄色いのも同じですか? | 別の原因のことが多いです | 爪の黄色は爪水虫や爪の病気のことがあります(関連記事: 爪の変色) |
受診の目安
- 早めに内科(子どもは小児科)を — 白目も黄色い
- 早めに内科を — 尿が濃い茶色、便が白っぽい、全身のかゆみ・だるさがある
- 受診を — カロテンの多い食品をそれほどとっていないのに黄色い
- 受診を — むくみ・寒がり・体重の変化・のどの渇きなど、ほかの体調の変化がある
- 受診を — 食べる量を戻して数か月たっても色が変わらない
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関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-09-23)
- 日本皮膚科学会 診療ガイドライン(確認日: 2026-09-23)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

