「すねに、赤いブツブツが何か所もできて猛烈にかゆい」「気づいたら水ぶくれになっていた」「家族のうち自分だけが刺される」「猫を飼い始めてから、足ばかり刺される」。ノミ刺されは、刺された場所と形に特徴があるため、原因の見当がつきやすい虫刺されです。
ノミ刺されとは(なぜ足ばかり刺されるのか)
人を刺すノミの多くはネコノミです。名前は「ネコ」ですが、猫だけでなく犬にもつき、人の血も吸います。ノミは体長2〜3mmほどで、床や地面から高くジャンプして近くを通る動物や人に取りつきます。そのため、床に近いひざから下、特にすね・足首・ふくらはぎが刺されやすくなります。
ノミの成虫は、ペットの体、ペットが寝ている場所、カーペット、野良猫が出入りする庭・物置・縁の下などにすみつきます。卵や幼虫は床のすき間やじゅうたんの中で育つため、目に見えないところで数が増えていきます。
刺されたあとに出る赤みやかゆみは、ノミの唾液に対するアレルギー反応です。反応の強さには個人差があり、同じ家に住んでいても刺されて症状が出る人と出ない人がいます。「自分だけ刺される」のは、珍しいことではありません。
症状と見分け方
- ひざから下に集中して、数個〜十数個の赤いブツブツ
- 強いかゆみ。刺されて少したってから強くなることが多い
- ブツブツの中央に小さな水ぶくれができる。大きな水ぶくれになることもある
- 何日かにわたって、新しい刺し口が増え続ける
| 考えられる虫 | 刺されやすい場所 | 特徴 |
|---|---|---|
| ノミ(ネコノミ) | ひざから下 | 強いかゆみ、水ぶくれになりやすい。ペットや野良猫との関わりが手がかり |
| 家のダニ(ツメダニ・イエダニ) | おなか・太ももの内側・わきなど、服に隠れたやわらかい場所 | 寝ている間に刺される。刺し口が数日かゆい(関連記事: 家のダニ刺され) |
| トコジラミ(南京虫) | 首・腕・足など、寝ているときに出ている場所 | 2〜3か所が並んで刺されることがある。旅行や引っ越しのあとに多い(関連記事: トコジラミ) |
| 蚊 | 露出している場所ならどこでも | 刺されてすぐかゆく、多くは数日でおさまる |
治療と自分でできる対処
皮膚の治療の基本は、ステロイドの塗り薬で炎症とかゆみを抑えることです。かゆみが強いときは、かゆみ止めの飲み薬(抗ヒスタミン薬)を併用します。
- 水ぶくれはつぶさない — 膜が傷を守っているためです。破れたら洗ってガーゼなどで保護する
- かきこわさない — かき傷から細菌が入ると、とびひになることがあるためです(関連記事: とびひ)
- 冷やす — かゆみが強いときは、保冷剤をタオルで包んで当てると一時的に楽になる
ノミは人の体にすみつくことはほとんどありません。刺されるのをくり返さないためには、ノミがいる場所の対策が欠かせません。
- ペットの駆除 — 犬や猫を飼っている場合は、動物病院でノミの駆除薬を相談する。ペットに症状がなくてもノミがいることがある
- 部屋の掃除 — 掃除機をこまめにかけて、卵や幼虫を吸い取る。ペットの寝床・毛布は洗濯する。吸ったゴミはすぐに捨てる
- 屋外 — 野良猫が出入りしている庭・物置・縁の下は、ノミが増えやすい場所。出入りを防ぐ工夫をする
- 刺されやすい場所へ行くとき — 長ズボン・靴下で足を出さない。虫よけ剤を使う(関連記事: 虫よけ剤の選び方)
診察室でよく聞かれる質問
| 質問 | 答え | 理由 |
|---|---|---|
| ペットを飼っていないのに、ノミに刺されますか? | 刺されることがあります | 野良猫が出入りする場所や、公園・草むらで取りつかれることがあるためです |
| 人から人へうつりますか? | 人どうしでうつることは、ほとんどありません | ネコノミは人の体にすみつかないためです。ただし同じ環境にいる家族は刺される可能性があります |
| いつまで刺され続けますか? | 発生源の対策をしないと、続くことがあります | 卵やさなぎが床や庭に残っていると、しばらくして新しい成虫が出てくるためです |
| ペットに人の薬を塗ってもいいですか? | やめてください | 人用の薬が動物に害になることがあるためです。動物病院で相談してください |
受診の目安
- 受診を — かゆみが強く眠れない、刺し口が次々に増える
- 受診を — 大きな水ぶくれができた、市販薬で数日たってもおさまらない
- 早めの受診を — 黄色いかさぶた・膿が増える、赤みが広がって熱をもつ(細菌感染の可能性)
- 受診を — 原因の虫がわからず、刺され続けている(刺し口の場所や形から見当をつけます)
- 受診を(動物病院へ) — ペットがよく体をかく、毛にノミや黒い粒(ノミのふん)がある
あび皮膚科クリニックは2027年の開業を予定しています。開業のお知らせやご質問・ご意見は、お問い合わせフォームからお寄せいただけます。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 虫さされ(確認日: 2026-09-25)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A ダニ類による感染症(確認日: 2026-09-25)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

