「コロナにかかったあと、体にかゆいブツブツが出た」「熱が下がって2か月くらいしてから、髪が急に抜けるようになった」。新型コロナウイルス感染症は、のどや肺だけでなく、皮膚にも症状が出ることが知られています。これまでに報告されている皮膚症状と、受診のときに役立つポイントをまとめます。
新型コロナと皮膚症状の関係(仕組み)
ウイルスに感染すると、体の免疫が強く働きます。その反応が皮膚に現れると、じんましんや赤い発疹になります。また、血管やその周りに炎症が起こったり、血のめぐりが変わったりすることで、しもやけのような症状や、網目状の赤紫の模様が出ることがあると考えられています。
一方、発疹が出たときに注意したいのは、コロナそのものではなく、治療やその前後に使った薬が原因である場合があることです。解熱鎮痛薬やかぜ薬、抗菌薬などでも発疹(薬疹)は起こります。どちらが原因かは見た目だけでは分からないことも多く、飲んだ薬の情報が判断の手がかりになります。
報告されている主な皮膚症状と見分け方
| 症状 | 特徴 | 見分けたいもの |
|---|---|---|
| 赤いブツブツ(発疹) | 体や手足に広がる小さな赤い発疹。かゆみを伴うことがある | 薬疹、ほかのウイルス感染症の発疹 |
| じんましん | かゆいミミズ腫れが出たり消えたりする | 薬や食べ物によるじんましん |
| しもやけのような症状 | 足や手の指が赤紫に腫れる、かゆい・痛い。若い方での報告が多い | 寒さによるしもやけ、血流の病気 |
| 水ぶくれのある発疹 | 体に小さな水ぶくれが散らばる | 水ぼうそう、帯状疱疹 |
| 網目状の赤紫の模様 | 手足の皮膚に網の目のような模様が出る | 血管の病気。重い経過のことがあり受診が必要 |
| 抜け毛(休止期脱毛) | 回復して2〜3か月後に、頭全体の髪が多く抜ける | 円形脱毛症、甲状腺の病気など |
回復後の抜け毛について
高い熱や強いストレスで体に負担がかかると、それまで伸びていた髪の多くが一斉に「休む時期(休止期)」に入り、2〜3か月ほどたってから、まとめて抜け落ちることがあります。これを休止期脱毛といい、新型コロナの回復後にも起こることが報告されています。
シャンプーのときにごっそり抜けると不安になりますが、毛根がなくなったわけではないため、多くは数か月から半年ほどで、自然に生えそろってきます。ただし、円形に抜ける、眉毛やまつ毛も抜ける、半年以上たっても戻らない場合は、別の原因がないかを確認したほうがよいので受診してください。
治療・セルフケア
皮膚症状そのものに対しては、ほかの原因の発疹と同じように治療します。かゆみのある発疹やじんましんには、かゆみ止めの飲み薬(抗ヒスタミン薬)や、炎症を抑える塗り薬を使います。しもやけのような症状は、指を冷やさないようにして、塗り薬で様子を見ることが多いです。休止期脱毛は、時間とともに回復するのを待つのが基本で、頭皮をこすらず、栄養と睡眠をとることが大切です。
診察室でよく聞かれる質問
Q. 発疹が出ています。うつりますか?
A. 発疹そのものから人にうつるわけではありませんが、療養期間中であれば、コロナとして周りへの配慮が必要です。熱やせきがあるときは、受診前に医療機関へ電話で相談してください。
Q. 受診のときに何を伝えればいいですか?
A. 「感染が分かった日」「熱が出た期間」「その間に飲んだ薬(市販薬も含む)」「発疹が出た日」を伝えていただくと、原因を考えるうえで役立ちます。発疹は日によって変わるので、スマートフォンで写真を撮っておくのもおすすめです。
Q. ワクチンのあとに腕が赤く腫れたのも同じですか?
A. ワクチン接種後に、打った場所の周りが数日〜1週間ほどたってから赤く腫れることがあります。これはワクチンへの反応で、感染による皮膚症状とは別のものです。多くは自然に引いていきます。
受診の目安
- 発疹が全身に広がる、熱が続く
- 唇・口の中・目が赤くただれる(重い薬疹の可能性があり、すぐ受診)
- じんましんと一緒に、息苦しさ、のどの違和感、顔やまぶたの腫れがある(すぐ救急へ。迷う場合は#7119)
- 手足に網目状の赤紫の模様が出た、指先が黒っぽくなった
- 抜け毛が半年以上続く、円形に抜ける
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-25)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 脱毛症(確認日: 2026-10-25)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

