「耳の下が切れて、枕に汁がつく」「子どもが耳をしきりにかいている」「治ったと思ったら、またすぐ切れる」。耳切れは、子どもの皮膚の相談でとても多い症状の一つです。どうして切れるのか、家でどうケアすればいいかを説明します。
耳切れとは(仕組み)
耳の付け根は、皮膚が折れ曲がって動きやすく、汗や汚れがたまりやすい場所です。ここに湿疹ができると、皮膚がかたく割れやすくなり、口を開けたり首を動かしたりするたびにひび割れ(亀裂)ができます。
耳切れは、アトピー性皮膚炎の子どもに特に多い症状として知られています。耳切れだけがアトピーの手がかりになることもあり、ほかの場所の湿疹とあわせて見ることが大切です。
悪化させるきっかけとしては、次のようなものがあります。
- 乾燥する季節、汗をかく季節
- 耳を指でかく、こする癖
- 髪の毛やマスクのひも、帽子が当たる
- シャンプーや石けんのすすぎ残し
症状・見分け
耳たぶの付け根(下側)や、耳の後ろのしわに沿って、赤み・カサカサ・切れ目ができます。進むと汁が出てジュクジュクし、かさぶたになります。かゆみがあり、切れているところは痛みもあります。
| 考えられるもの | 見た目 | ポイント |
|---|---|---|
| 耳切れ(湿疹) | 付け根の赤み・切れ目・かさぶた | 乾燥肌・アトピーの子どもに多い |
| とびひの合併 | 黄色いかさぶた、汁が多い、周りに広がる | 細菌感染。早めの受診が必要 |
| 脂漏性皮膚炎 | 耳の後ろや頭皮の黄色っぽいフケと赤み | 乳児や皮脂の多い大人に多い |
| かぶれ | ピアス・イヤホン・メガネが当たる場所の赤み | 原因に触れる場所に一致する |
治療・セルフケア
家では、「清潔にする」「乾かす」「保護する」の3つを意識します。
- やさしく洗う: お風呂で、泡立てた石けんでなでるように洗い、シャワーでよくすすぎます。すすぎ残しは刺激になります
- 水気を押さえて拭く: 耳の後ろは水がたまりやすいので、タオルで押さえるように拭き取ります。こすらないでください
- 保湿・保護する: 切れ目にはワセリンなどの油分の多いものを塗ると、乾燥やこすれから守れます
赤みやかゆみがある場合は、皮膚科で処方されるステロイドの塗り薬を短い期間使うと、早く治まります。耳の周りは皮膚が薄いため、強さを選んで使うことが大切です。ジュクジュクが強い場合は、亜鉛華軟膏などの乾かす作用のある塗り薬を重ねることもあります。
治ったあとも、お風呂上がりの保湿を続けることで、くり返しにくくなります。アトピー性皮膚炎がある場合は、全身の治療をきちんと続けることが耳切れの予防にもつながります。
受診の目安
- 黄色いかさぶたや汁が増えて、周りに広がっている(とびひの可能性)
- 耳の周りが腫れて熱をもつ、熱が出た
- 市販の保湿や塗り薬を1〜2週間続けてもよくならない
- 耳以外にも、ひじやひざの内側などに湿疹をくり返している
- かゆみで眠れない
診察室でよく聞かれる質問
耳切れがあると、アトピーなのでしょうか?
耳切れはアトピー性皮膚炎の子どもによく見られる症状ですが、耳切れだけでアトピーと決まるわけではありません。乾燥肌だけでも起こります。ほかの場所の湿疹や、症状がくり返す期間を見て判断します。
絆創膏を貼ってもいいですか?
耳の付け根は動きやすく、汗もかくため、絆創膏で密閉すると蒸れてかえって治りにくくなることがあります。ワセリンなどで保護する方がおすすめです。
寝ている間にかいてしまいます
爪を短く切り、かゆみが強いときは塗り薬でまず炎症を抑えます。かゆみが落ち着けば、かく回数も自然に減ります。かゆみ止めの飲み薬を併用することもあります。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A アトピー性皮膚炎(確認日: 2026-10-09)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A とびひ(確認日: 2026-10-09)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

