「猫をなでたあと、腕にミミズ腫れが出る」「犬になめられたところだけ、赤く腫れてかゆい」「猫を飼い始めてから、子どものアトピーが悪くなった気がする」。ペットは家族の一員なので、アレルギーとわかっても手放すことは考えられないという方がほとんどです。まずは原因を確かめて、できる対策から始めましょう。
ペットアレルギーとは(なぜ皮膚に出るのか)
アレルギーは、本来は害のないものを、体が「敵」とみなして反応してしまう状態です。ペットアレルギーの原因は、毛そのものではなく、毛やふけ、唾液に含まれるたんぱく質です。猫では、皮脂腺や唾液に含まれるたんぱく質が主な原因として知られています。
このたんぱく質はとても小さく軽いため、部屋の空気中やソファ、カーテン、服にも付いて残ります。ペットがいない家や学校でも、飼い主の服を通して運ばれることがあります。
皮膚に出るかたちは、主に次の2つです。
- 触れたところのじんましん(接触じんましん) — なでた・なめられた・引っかかれたところが、数分〜1時間ほどで赤く盛り上がり、かゆくなる。多くは数時間で消える
- アトピー性皮膚炎の悪化 — 原因のたんぱく質に日常的に触れることで、湿疹が治りにくくなる
目のかゆみ・くしゃみ・鼻水・せきなど、目や鼻、気管支の症状を一緒に起こすことも多いです。
症状と見分け方
| 考えられるもの | 特徴 | 見分けのポイント |
|---|---|---|
| ペットアレルギー(接触じんましん) | 触れた・なめられたところが、すぐに赤く盛り上がってかゆい | 数時間で跡を残さず消える |
| ネコノミによる虫刺され | すね・足首に、強くかゆいブツブツや水ぶくれ | ペットに触れていない場所にも出る。数日続く(関連記事: ネコノミ刺され) |
| ペットからうつる白癬(たむし) | 輪っか状に広がる、ふちが赤くカサカサした斑点 | カビ(真菌)の感染。ペットにも脱毛があることが多い(関連記事: ペットからうつる水虫) |
| 引っかき傷・かみ傷の感染 | 傷のまわりが赤く腫れて痛む、熱をもつ | アレルギーではなく細菌感染(関連記事: 動物にかまれたら) |
治療と自分でできる対処
症状があるときは、かゆみ止めの飲み薬(抗ヒスタミン薬)や塗り薬で抑えます。アトピー性皮膚炎がある場合は、その治療をしっかり行うことが、アレルギーの悪化を防ぐことにもつながります(関連記事: かゆみ止めの飲み薬)。
原因がペットかどうかは、血液検査(特定のアレルギーの反応を調べる検査)で確かめることができます(関連記事: アレルギー検査)。
飼い続けながらできる対策は次のとおりです。
- 触ったら手を洗う — 皮膚に付いた原因のたんぱく質を早く落とすため
- 顔をなめさせない — 唾液にも原因のたんぱく質が含まれるため
- 寝室にはペットを入れない — 長い時間を過ごす寝具に、原因のたんぱく質が積もるのを減らすため
- こまめな掃除と換気 — 床やソファ、カーテンに付いたものを減らす。空気清浄機も役立つ
- ペットのブラッシングやシャンプー — アレルギーのない家族が、屋外やお風呂場で行う
診察室でよく聞かれる質問
| 質問 | 答え | 理由 |
|---|---|---|
| ペットを手放さないといけませんか? | まずは治療と生活の工夫で、どこまで症状を抑えられるかを見ましょう | 対策で症状が軽くなる方も多いためです。ただし、ぜんそくの発作がある場合などは、医師とよく相談してください |
| アレルギーが出にくい犬種・猫種はありますか? | 「アレルギーが出ない」と言い切れる種類はありません | 原因のたんぱく質は、毛の長さや種類にかかわらず、多くの動物が持っているためです |
| なめられて赤くなったときは、どうすればいいですか? | まず水で洗い流し、冷やしてください | 残った唾液を落とし、冷やすことでかゆみがやわらぐためです。多くは数時間で消えます |
受診の目安
- 受診を — ペットに触るたびに、じんましんやかゆみが出る
- 受診を — ペットを飼い始めてから、湿疹やアトピー性皮膚炎が悪化した
- 早めの受診を — 引っかき傷・かみ傷が赤く腫れて痛む
- すぐに救急へ — 全身にじんましんが広がる、息苦しい、ゼーゼーする、唇やまぶたが腫れる、ぐったりする場合は119番へ。判断に迷うときは、救急安心センター(#7119)、子どもは小児救急電話相談(#8000)に相談してください
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関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A アトピー性皮膚炎(確認日: 2026-09-26)
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-09-26)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

