「すねに茶色いシミが広がってきて、よく見ると赤い小さな点が混じっている」「かゆくはないけれど、なかなか消えない」。色素性紫斑(しきそせいしはん)は、中高年の方のすねや足首によくみられる症状です。見た目が気になって受診される方が多い一方で、血液の病気や血管炎ではないかと心配される方も少なくありません。ほかの紫斑との違いと、日常で気をつけたいことを順に説明します。
色素性紫斑とは(仕組み)
皮膚の浅いところには、毛細血管という非常に細い血管が通っています。色素性紫斑では、この毛細血管のまわりに軽い炎症が起こり、血管から赤血球がわずかに漏れ出します。漏れたばかりの血液は赤い点に、時間がたって分解されると、血液の鉄分(ヘモジデリン)が残って茶色いシミに見えます。新しい出血と古い出血が混在するため、「赤い点々+茶色」という特徴的な見た目になります。
はっきりした原因は分かっていないことが多いものの、次のようなことが関係すると考えられています。
- 立ち仕事や長時間の座り仕事による、脚の血流のうっ滞(静脈瘤があると起こりやすい)
- 一部の薬やサプリメント
- 運動や衣類による圧迫・摩擦
シャンバーグ病がもっとも代表的な型で、ほかにもいくつかのタイプがあります。
症状・見分け方
- すね・足首・足の甲に多い。両脚に出ることが多い
- 茶色〜オレンジ色のシミの中や周りに、赤い小さな点が散らばる
- 押しても赤い点は消えない(血管の外に出た血液のため)
- 痛みや熱はない。かゆみは、ないこともあることもある
- 何か月〜何年もかけて、ゆっくり広がったり薄くなったりする
| 紫斑の種類 | 特徴 | 受診の急ぎ度 |
|---|---|---|
| 色素性紫斑 | すねの赤い点々+茶色いシミ。痛み・熱なし。長く続く | 急がないが一度は受診 |
| 老人性紫斑 | 腕や手の甲の、境目のはっきりした紫色のあざ。軽くぶつけただけでできる | 急がない |
| うっ滞性皮膚炎 | すねの茶色い色素沈着に、かゆみ・湿疹・むくみを伴う。静脈瘤があることが多い | 早めに受診 |
| IgA血管炎などの血管炎 | 少し盛り上がった紫斑が、数日で急に両脚に広がる。腹痛・関節痛を伴うこともある | すぐに受診 |
| 血液の病気による紫斑 | あちこちにあざ・点状出血、歯ぐきや鼻からの出血、だるさ | すぐに受診 |
皮膚科では、見た目とダーモスコピーで判断し、必要に応じて血液検査で出血の傾向がないかを確認します。判断が難しい場合は、皮膚の一部を取る検査をすることもあります。
治療・セルフケア
色素性紫斑は良性のため、症状が軽ければ経過を見ることが基本です。かゆみや広がりがある場合は、次の治療やケアを組み合わせます。
- 塗り薬: 炎症を抑えるステロイドの塗り薬で、赤い点やかゆみが落ち着くことがあります。
- 脚の血流を整える: 長時間の立ちっぱなし・座りっぱなしを避け、ときどき足首を動かす、休むときに脚を高くするなどの工夫が役立ちます。静脈瘤がある場合は、弾性ストッキングや静脈瘤の治療を検討します。
- 薬・サプリメントの見直し: 始めた時期と症状が出た時期が重なる薬があれば、処方医と相談します。自己判断での中止は避けてください。
- かかない: かき壊すと色素沈着が濃くなるため、かゆいときは冷やして対処します。
茶色いシミは、赤い点が落ち着いたあとも数か月〜年単位でゆっくり薄くなっていきます。すぐに消えなくても、治療がうまくいっていないとは限りません。
受診の目安
- すねの赤い点々や茶色いシミが、数週間以上続いている
- 数日のうちに急に広がった、盛り上がった紫斑がある
- 腹痛、関節痛、発熱、血尿などを伴う
- 歯ぐきや鼻から出血しやすい、あざが増えた
- むくみやかゆみ、湿疹を伴う
急に広がる紫斑や、全身の症状を伴う紫斑は、色素性紫斑ではない可能性があるため早めに受診してください。
よくある質問
人にうつりますか?
うつりません。感染症ではなく、血管のまわりの炎症によるものです。
血液の病気ではないかと心配です。
色素性紫斑は血液そのものの病気ではありません。心配な場合は、血液検査で出血しやすさに問題がないかを確認できるので、受診時に伝えてください。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-09-28)
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-09-28)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

