「毎年、暖かくなって半袖を着始める頃になると、腕にかゆいブツブツが出る」「旅行で強い日差しを浴びたあとに、胸元が赤くブツブツになった」。いわゆる「日光アレルギー」と呼ばれる症状の中で、比較的よくみられるのが多形日光疹(たけいにっこうしん)です。日焼けとは違い、赤くヒリヒリするのではなく、かゆみのある発疹が出るのが特徴です。
多形日光疹とは(なぜ起こるのか)
日光に含まれる紫外線を浴びると、皮膚の中の成分がわずかに変化します。多くの人では体がその変化を問題にしませんが、多形日光疹の人では、変化した成分に対して免疫が過敏に反応し、皮膚に炎症が起こると考えられています。
冬の間は日光を浴びる量が少ないため、春先〜初夏に急に強い日差しを浴びると出やすく、夏が進むにつれて皮膚が慣れて出にくくなる、という経過をたどることが多いのも特徴です。
症状・見分け方
- 日光に当たってから数時間〜数日後に出る
- 腕の外側、首、胸元(Vネック部分)、手の甲など、服で隠れていない場所に出る。顔は出にくいことも多い
- 赤い小さなブツブツ、盛り上がった赤み、小さな水ぶくれなど、形はさまざま(「多形」の名前の由来)
- 強いかゆみがある
- 日光を避ければ1週間ほどで跡を残さずに治ることが多い
| 日光で起こる皮膚トラブル | 出るまでの時間 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 日焼け(サンバーン) | 数時間後 | 赤み・ヒリヒリした痛み。ひどいと水ぶくれ |
| 多形日光疹 | 数時間〜数日後 | かゆいブツブツ・赤い盛り上がり |
| 日光じんましん | 数分以内 | みみず腫れ。日陰に入ると1時間ほどで消える |
| 薬剤性の光線過敏症 | 数時間〜1日 | 日焼けが異常に強く出る。飲み薬・湿布が関係する |
新しく飲み始めた薬や、貼っている湿布がある場合は、多形日光疹ではなく薬による光線過敏症のこともあります。また、日光で悪化する発疹の中には膠原病(エリテマトーデスなど)が隠れていることもあるため、発熱や関節痛、だるさを伴う場合は必ず受診してください。
治療・セルフケア
いちばん効果的なのは、発疹が出やすい時期に日光を上手に防ぐことです。完全に日光を避ける必要はありませんが、急にたくさん浴びないことがポイントです。
- 日焼け止め: 屋外に出る時はSPF・PAの高いものを、2〜3時間ごとに塗り直します。汗で流れやすいため、こまめな塗り直しが大切です。
- 衣類: 薄手の長袖、UVカットの羽織もの、つばの広い帽子、日傘を活用します。紫外線は薄い布を通ることもあるため、目の詰まった生地を選ぶとより効果的です。
- 少しずつ慣らす: 春先から短い時間ずつ日光に当たっておくと、夏に出にくくなるといわれています。
- 出てしまったら: 日陰に入り、かゆい部分を冷やします。かき壊すと色素沈着が残りやすくなります。
皮膚科では、出てしまった発疹にはステロイドの塗り薬、かゆみが強い場合はかゆみ止めの飲み薬を使います。毎年くり返して生活に支障がある場合は、専門の医療機関で、光線を使って少しずつ皮膚を慣らす治療が検討されることもあります。
受診の目安
- 日光に当たるたびに、かゆい発疹が出る
- 毎年同じ時期にくり返す
- 新しい薬や湿布を使い始めてから日焼けしやすくなった
- 顔の赤み、発熱、関節の痛み、口内炎などを伴う
受診時には「何時ごろ、どのくらい日光に当たって、何時間後に出たか」、写真があればそれも見せていただくと診断の助けになります。
よくある質問
曇りの日や室内でも出ますか?
曇りの日でも紫外線は届いており、窓ガラス越しでも一部の紫外線は通ります。窓際で長く過ごす方、車の運転が多い方は、腕の日焼け止めやアームカバーも役立ちます。
一度なったら毎年出ますか?
毎年くり返す人が多い一方で、年々軽くなる人もいます。予防を続けながら、出方の変化を見ていきましょう。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-09-28)
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-09-28)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

