「化粧水がしみるようになった」「季節の変わり目になると顔がカサカサ赤くなる」「美容液を足すほど荒れていく気がする」。肌荒れはとても身近な悩みですが、ひとことで「肌荒れ」と言っても、中身は乾燥、ニキビ、かぶれ、脂漏性皮膚炎、酒さ、アトピー性皮膚炎などさまざまです。原因が違えば、効くケアも正反対になります。
肌荒れが起こる仕組み
皮膚のいちばん外側には、薄い膜のようなバリア(外からの刺激を防ぎ、内側の水分を逃がさない働き)があります。乾燥・洗いすぎ・こすりすぎ・季節の変化などでこのバリアが弱ると、ふだんは平気な化粧品や花粉、汗、マスクのこすれまで刺激として入り込み、赤み・かゆみ・ヒリヒリが起こります。かくとさらにバリアが壊れ、また刺激が入る、という悪循環になります。
症状・見分け方
| 考えられる原因 | 出やすい場所 | 見た目・手がかり |
|---|---|---|
| 乾燥(バリアの低下) | 頬・口の周り・目の周り | 粉をふく・つっぱる・化粧水がしみる。秋冬に悪化 |
| ニキビ | おでこ・あご・フェイスライン | 毛穴に一致した赤いブツブツ・白い膿の点 |
| かぶれ(接触皮膚炎) | 化粧品やマスクが触れた範囲 | 赤くかゆい。新しい化粧品・日焼け止め・ヘアケア剤のあとに出る |
| 脂漏性皮膚炎 | 小鼻のわき・眉間・眉・髪の生え際 | 赤みの上に、黄色っぽい脂っぽいフケのような皮むけ |
| 花粉皮膚炎 | 目の周り・頬・首 | 春やブタクサ・ヨモギの飛ぶ秋に、かゆい赤みが出る |
| 酒さ | 頬・鼻・あご | ほてり・持続する赤み・細い血管が見える。温度差やお酒で悪化 |
実際の診察では、乾燥でバリアが弱ったところに、かぶれや脂漏性皮膚炎が重なっていることがよくあります。原因が一つとは限らないことも、自己流のケアで治りにくい理由の一つです。
治療・セルフケア
まずは「引き算」のスキンケア
- 新しく使い始めたものをすべてやめる: とくに美容液・ピーリング剤・レチノールやビタミンC配合品など、作用の強いものから。原因のこともあれば、弱った肌への刺激になっていることもあるためです
- 洗顔は1日1〜2回、ぬるま湯で、泡でなでるように: ゴシゴシ洗いやクレンジングの長時間のなじませは、残っているバリアまで落としてしまいます
- 保湿は、成分のシンプルなもの1つに絞る: しみる場合は、白色ワセリンのように刺激の少ないものを薄くのせるだけにします
- 日焼け止めは続ける: ただし荒れている間は、紫外線吸収剤を含まない低刺激のものが向いています
皮膚科での治療
原因によって治療は変わります。かぶれや湿疹には炎症を抑える塗り薬(顔に使える強さのステロイド外用薬や、ステロイド以外の塗り薬)、脂漏性皮膚炎にはカビ(真菌)の一種を抑える抗真菌薬の塗り薬、ニキビにはニキビ用の塗り薬を使います。炎症がある状態で保湿だけを続けても、赤みはなかなか引きません。まず炎症をしっかり抑えてから保湿で維持する、という順番が治りを早くします。
かぶれを繰り返す場合は、原因の成分を調べるパッチテストが役立ちます。
受診の目安
- スキンケアを引き算して2週間ほどたっても良くならない
- かゆみが強い、ジクジクする、腫れている
- 顔の同じ場所に、赤みや皮むけを何度も繰り返す
- 市販のかゆみ止めや化粧品を変えても、かえって広がっている
- 赤みやほてりが何か月も続いている
診察室でよく聞かれる質問
肌荒れしている間、メイクはしてもいいですか?
仕事などでどうしても必要な日は、これまで問題なく使えていたものに限って、薄くするのが現実的です。ポイントは落とすときの負担を減らすことで、落としやすい軽めのメイクにすると、クレンジングでこする回数も減らせます。かぶれが疑われる時期に新しい製品を試すのは避けましょう。
受診のときは、使っている化粧品を持っていったほうがいいですか?
はい。現物か、成分表示の写真があると、かぶれの原因を探すときにとても役立ちます。荒れ始めた時期と、そのころに変えたもの(化粧品・日焼け止め・シャンプー・マスク・寝具など)をメモしておくのもおすすめです。
「敏感肌用」の化粧品なら安心ですか?
刺激になりやすい成分を減らしてある分、選択肢としては向いています。ただし、どの成分にかぶれるかは人によって違うため、敏感肌用でもかぶれることはあります。新しいものを使うときは、腕の内側などに数日塗って様子を見てから顔に使うと安心です。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A かぶれ(確認日: 2026-10-04)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A にきび(確認日: 2026-10-04)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-04)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

