「自転車通勤を始めたら、頬が真っ赤になってピリピリする」「冬になると、いつもの化粧水がしみる」「部屋に入ると顔がほてって赤くなる」。冬の顔の赤みやヒリヒリは、子どもの頬の赤みとして知られていますが、大人にもよく起こります。起こる仕組みと、見分け方、対処を説明します。
冬に顔がヒリヒリする仕組み
皮膚のいちばん外側には、水分を保ち、外からの刺激を防ぐバリアの働きがあります。冬は空気が乾燥しているうえ、冷たい風が皮膚の表面の水分を奪い、皮脂の出る量も減るため、このバリアが弱りやすくなります。
顔は服で覆われず、風や寒さに直接さらされる場所です。とくに頬や鼻、口のまわりは皮膚が薄く、弱ったバリアのすき間から刺激が入ると、赤み・ヒリヒリ・かゆみが出ます。寒い屋外から暖かい室内に入ったときの急な温度差で血管が広がり、赤みやほてりが強くなることもあります。
症状と見分け方
| 考えられるもの | 見分けのポイント |
|---|---|
| 寒さ・乾燥による肌荒れ | 外出後にヒリヒリ・赤み。化粧水がしみる。保湿と風よけで1〜2週間で落ち着く |
| 乾燥による湿疹 | 粉をふいてカサカサし、かゆい。かくと赤いブツブツやジュクジュクになる |
| 脂漏性皮膚炎 | 小鼻のわき・眉・生え際に、黄色っぽいフケのようなカサカサと赤み |
| 酒さ | 頬や鼻の赤みが季節を問わず続く。温度差・飲酒・辛い物で悪化し、ニキビのようなブツブツが混ざる |
| 化粧品によるかぶれ | 新しい化粧品を使い始めてから。塗った範囲に一致してかゆい |
治療・セルフケア
- 洗顔はぬるま湯で、泡でなでるように。熱いお湯やゴシゴシ洗いは、残っている皮脂まで落としてバリアをさらに弱めるためです。
- 洗顔後すぐに保湿する。化粧水がしみる時期は、刺激の少ない乳液やクリーム、ワセリンだけにしても構いません。
- 外出時はマスクやマフラーで、風が直接当たるのを防ぐ。
- しみる化粧品は、いったんお休みする。とくにピーリング成分やビタミンC、レチノールなどの攻めの成分は、ヒリヒリが治まるまで控えてください。
- 暖房の風が顔に直接当たらないようにする。
皮膚科では、炎症が強い場合に弱めのステロイドやステロイド以外の塗り薬を短期間使い、保湿剤でバリアを整えます。脂漏性皮膚炎や酒さが疑われる場合は、それぞれに合った治療を行います。
診察室でよく聞かれる質問
Q. 顔の保湿は、何をどれくらい塗ればいいですか?
A. 塗ったあとに、ティッシュが軽く貼りつくくらいのしっとり感が目安です。少なすぎると効果が出にくいので、少し多めを意識してください。朝は日焼け止めの前、夜は洗顔や入浴の直後に塗ると続けやすいです。
Q. ヒリヒリしているときに、メイクをしてもいいですか?
A. 保湿をしてから、普段使っていて刺激のないものであれば構いません。帰宅後はやさしく落とし、すぐに保湿してください。メイク落としでこする時間が長いほど刺激になるので、薄めのメイクにするのもひとつの方法です。
受診の目安
- 保湿と風よけを続けても、2週間以上赤みやヒリヒリが続く
- 粉をふいてかゆく、かき壊してジュクジュクしている
- 季節に関係なく、頬や鼻の赤みが続いている
- まぶたや目のまわりまで赤く腫れている
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-26)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A かぶれ(確認日: 2026-10-26)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

