「生まれた赤ちゃんの耳の前に、小さなポチッとした突起がある」「健診で副耳と言われたけれど、取った方がいい?」「糸でしばって取る方法があると聞いた」。副耳は、生まれつきの耳の形の変化の中でも比較的よくみられるもので、多くの保護者が同じ疑問をもちます。
副耳とは(仕組み)
耳は、お腹の中で赤ちゃんの顔ができていく途中に、いくつかの小さなふくらみが寄り集まってつくられます。このとき、ふくらみの一部が余分に残ったものが副耳です。
- できやすい場所: 耳の穴の前(耳珠の前)から頬にかけて。口角との間にできることもあります
- 大きさ・形: 数mm〜1cm程度の、肌色のやわらかい突起。根元が細いもの、広いものがあります
- 数: 1個のことも、複数並ぶことも、両耳にあることもあります
- 中身: 皮膚と脂肪だけのこともありますが、中に軟骨が入っていることが多いのが特徴です
痛みやかゆみはなく、成長とともに大きくなることも、悪性化することもありません。
見分け方と、一緒に確認すること
| 耳のまわりの生まれつきの変化 | 特徴 |
|---|---|
| 副耳 | 耳の前の肌色の突起。穴はない |
| 先天性耳瘻孔 | 耳の付け根の前の小さな穴。くさい分泌物が出る、赤く腫れることがある |
| 軟性線維腫(スキンタッグ) | 大人になってからできるやわらかい突起。首やワキに多い |
副耳だけで体のほかの部分に問題がないことがほとんどですが、まれに、耳の形そのものが小さい、あごや顔の骨の発達に左右差がある、といった別の変化を伴うことがあります。新生児期には聴力の検査(新生児聴覚スクリーニング)の結果も合わせて確認しておくと安心です。
治療(取るかどうか・時期・方法)
副耳は良性なので、取るかどうかは見た目の問題として家族が決めてよいものです。取る場合は健康保険の対象になります。
- 手術で切除する(基本): 突起を根元から切り取り、中の軟骨も皮膚の下で取り除いてから縫い合わせます。軟骨が残ると、あとで皮膚の下にしこりのような盛り上がりとして目立つためです
- 時期: 乳児期に全身麻酔で行う、ある程度成長して局所麻酔でじっとしていられる年齢まで待つ、などの選択肢があります。麻酔の負担、本人が気にし始める年齢(入園・入学前など)を考えて医師と相談して決めます
- 糸でしばる方法(結紮): 生まれてすぐ、根元がとても細く軟骨のないものでは、根元を糸でしばって自然に取れるのを待つ方法が行われることがあります。ただし、軟骨が入っているものでは、根元に盛り上がりが残りやすく、あとで手術が必要になることがあります
🔴 家庭で糸や輪ゴムでしばったり、ハサミで切ったりしないでください。出血や感染の原因になり、きれいに取れず跡が残ることがあります。
受診の目安
- 副耳を取るかどうか、時期を相談したい
- 突起の根元が広い、硬い(軟骨がありそう)
- 耳の形が小さい、顔の左右差があるなど、ほかにも気になる点がある
- 耳の前に小さな穴があり、赤く腫れたり、膿や分泌物が出たりする(耳瘻孔の感染)
急いで受診する必要はありませんが、生まれた病院や乳児健診で相談し、皮膚科・形成外科などを紹介してもらう流れが一般的です。
よくある質問
取らないと何か問題がありますか?
体の機能には影響しません。聞こえにも影響しないため、取らずにそのままにしておく選択もあります。本人が大きくなってから、自分で決めてもらうという考え方もあります。
傷あとは残りますか?
細い線状の傷あとが残りますが、多くは時間とともに目立ちにくくなります。耳の前のしわに沿うように縫うなど、目立ちにくくする工夫をします。
次に生まれる子にも出ますか?
多くは偶然にできるもので、きょうだいに必ず出るものではありません。家族に同じ変化がある場合は、遺伝が関係していることもあるため、気になれば診察時に相談してください。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-09-30)
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-09-30)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

