「顔に茶色いポツッとしたものが出てきた」「シミだと思っていたら盛り上がってきた」「背中に茶色いザラザラしたできものがいくつもある」。茶色いできものは年齢とともに増えやすく、相談の多い悩みです。代表的なものの見分け方と、受診したほうがよいサインを整理します。
茶色いできものとは(色と盛り上がりの理由)
茶色く見えるのは、メラニンという色素が含まれているためです。そこに皮膚の細胞が厚く積み重なると盛り上がり、平らなシミとは違う「できもの」になります。
見分けの出発点は、何が増えているかです。
- 表皮の細胞が増えた → 老人性イボ(脂漏性角化症)。表面がザラザラ・ボコボコ
- 色素をつくる細胞(母斑細胞)が集まった → ほくろ。表面はなめらかなことが多い
- 真皮の線維が増えた → 皮膚線維腫。硬く、つまむとへこむ
症状・見分け方
| 名前 | 見た目 | できやすい人・場所 |
|---|---|---|
| 老人性イボ(脂漏性角化症) | 表面がザラザラ。貼りつけたように見える。色は薄茶〜黒 | 中高年。顔・頭・背中・胸 |
| 盛り上がったほくろ | ドーム状でなめらか。毛が生えていることも | 年齢を問わない。顔に多い |
| 皮膚線維腫 | 小さく硬い茶色の盛り上がり。つまむと真ん中がへこむ | 足・腕。虫刺されのあとに気づくことも |
| 日光角化症 | 赤〜茶色でカサカサ。かさぶたのようにはがれてはまたできる | 高齢者。顔・手の甲など日光の当たる場所 |
| メラノーマ(悪性黒色腫) | 形がいびつ、ふちがギザギザ、色にムラ。短期間で大きくなる | 年齢を問わない。足の裏・手のひら・爪にも |
受診のきっかけとして知られている見方に、A(形が左右非対称)・B(ふちがギザギザ)・C(色にムラ)・D(直径が大きい)・E(変化している)があります。このうち1つでも当てはまれば、自己判断せずに見せてください。特に「最近変わった」は大切なサインです。
老人性イボは、急にたくさん増えたように感じることがありますが、ほとんどは年齢や日光の影響による良性のものです。かゆみを伴って短期間に一気に増えた場合は、ほかの病気が隠れていないか確かめることがあります。
治療・セルフケア
良性と分かったものは、気にならなければ取らなくてよいのが基本です。見た目が気になる、服にひっかかる、かゆいといった理由があれば取ります。
- 老人性イボ: 液体窒素で凍らせる、炭酸ガスレーザーで削る、小さく切り取る方法があります
- ほくろ: くり抜く・切り取って縫う・レーザーで削るなどから、大きさと場所で選びます
- 皮膚線維腫: 気になる場合は切除します
見た目だけでは区別が難しいときや、悪性の可能性を否定したいときは、切り取ったものを病理検査に出して確かめる方法を選びます。レーザーで削ると組織が残らず検査ができないため、悪性が少しでも疑われるものは切除が基本です。
老人性イボの予防には、日焼け止めや帽子で紫外線を避けることが役立ちます。すでにあるものを市販薬で消すことは難しいと考えてください。
受診の目安
- 形がいびつ、ふちがギザギザ、色にムラがある
- 数か月で大きくなった、盛り上がってきた、色が変わった
- 出血する、ただれる、かさぶたが治らない
- 足の裏・手のひら・爪に新しく茶色〜黒いものが出てきた
- 良性と思うが、見た目が気になる・ひっかかる
診察室でよく聞かれる質問
シミとどう違うのですか?
シミは平らで、さわっても段差がありません。老人性イボは、シミ(老人性色素斑)が年月とともに盛り上がってできることもあります。さわって段差があれば「できもの」と考えてください。
老人性イボはうつりますか?
うつりません。ウイルス性のイボとは名前が似ていますが、まったく別のものです。
受診前にしておくといいことはありますか?
定規を添えて写真を撮っておくと、大きさや色の変化を比べられます。「いつから・どう変わったか」は診断の大切な手がかりになります。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A ホクロ(確認日: 2026-10-07)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A メラノーマ(確認日: 2026-10-07)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 皮膚悪性腫瘍(確認日: 2026-10-07)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

