体にできる赤いほくろの正体は?老人性血管腫とほくろ・出血する赤い点の見分け方

体にできる赤いほくろの正体は?老人性血管腫とほくろ・出血する赤い点の見分け方
DERMATOLOGY GUIDE | DERMATOLOGIC SURGERY
更新日: 2026年10月2日執筆: あび皮膚科クリニック編集部監修: アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)医師紹介

「気づいたら体に赤いポツポツが増えていた」「ほくろが赤いなんてあるのか」「内臓が悪いサインだと聞いて不安になった」——赤い点は、鏡やお風呂でふと目に入り、心配になりやすい変化です。実際には30代ごろから見られはじめ、年齢とともに数が増えていく、ごくありふれた良性のものが大半です。

目次

老人性血管腫とは何か

皮膚の真皮には、細い毛細血管が網の目のように走っています。この毛細血管が局所的に増えて、小さなふくらみをつくったものが老人性血管腫です。血管が透けているため赤く見えるのであって、色素(メラニン)による黒いほくろとは仕組みが異なります。

  • 大きさは1mm程度の点から、5mm前後のドーム状までさまざまです
  • 色は鮮やかな赤〜暗い赤紫。押しても白く消えないことが多いです
  • 胸・お腹・背中・腕に多く、顔にできることもあります
  • 30代ごろから現れ、年齢とともに数が増えます。「老人性」と付きますが、若い方にも見られます
  • 体質・加齢・ホルモンの影響などが関わるとされ、はっきりした原因は特定されていません
  • 数が増えること自体は、内臓の病気を意味するものではありません

痛みやかゆみはなく、放置しても悪性になるものではありません。ただし、盛り上がったものは衣類や下着でこすれて出血することがあり、この場合は処置が検討されます。

ほかの赤い皮疹との見分け

状態 見た目 手がかり
老人性血管腫 鮮やかな赤〜赤紫の小さなドーム 体幹に多発。年単位でゆっくり増える。かゆみなし
クモ状血管腫 中心の赤い点から放射状に血管が伸びる 押すと退色し、離すと中心から赤みが戻る。多発する場合は肝機能の確認が検討される
点状出血(紫斑) 赤〜紫の平らな点 押しても消えない。急に多発した場合は血液の検査が必要
血豆(血腫) 暗赤色〜黒紫のふくらみ ぶつけた・挟んだ心当たりがある。数週で色が薄くなる
化膿性肉芽腫 急速に大きくなる赤い盛り上がり 触れると出血しやすい。傷のあとにできることがある
注意が必要な所見 黒みが混じる、いびつ、大きくなり続ける ほくろのがん(メラノーマ)や皮膚がんとの区別のため確認が必要

医療機関では、ダーモスコープという拡大鏡で表面を観察し、血管の構造か色素かを判断します。体への負担がなく、その場で見分けの手がかりが得られる検査です。判断が難しい場合は、一部を採取して調べる検査が検討されます。

治療とセルフケア

老人性血管腫は治療しなくても差し支えありません。取り除く場合の方法には次のようなものがあります。

  • レーザー治療 — 血管に反応するレーザーで、血管腫を目立たなくする方法です。大きさや部位によって回数が変わります
  • 電気凝固 — 小さなものを焼灼する方法です
  • 切除 — 大きいもの、診断を確定したい場合に検討されます

いずれも処置後に赤み・かさぶた・一時的な色素沈着が生じることがあり、まれに小さな瘢痕が残ることがあります。整容目的で行う場合は自由診療となることが多く、費用の目安は1個あたり数千円〜、個数や範囲により幅があります。出血を繰り返している、診断のために切除が必要といった場合は、保険診療で扱われることがあります。

※整容目的の治療は自由診療です。費用は医療機関ごとに異なり、効果の感じ方には個人差があります。赤み・色素沈着・瘢痕・再発などのリスクがあります。

日常では、次の点に気をつけると余計なトラブルを避けられます。

  • いじらない・引っかかない — 血管の集まりなので、傷つけると出血しやすくなります
  • 出血したときは押さえる — 清潔なガーゼで5分ほど直接押さえれば、多くは止まります。止まらない場合は受診してください
  • 下着や衣類のこすれを減らす — 盛り上がったものが繰り返し出血する原因になります
  • 変化を見ておく — 数が増えること自体より、ひとつのできものが変わっていくことのほうが重要な情報です

受診の目安

  • 短期間で大きくなっている、形がいびつになってきた
  • 黒や褐色が混じってきた、色むらがある
  • 出血を繰り返す、かさぶたができては取れる
  • 痛み・かゆみを伴う
  • 赤い点が急に全身へ多発した(押しても消えない場合は、血液の状態の確認が必要なことがあります)
  • 手のひらや顔に、放射状に血管が伸びる赤い点が増えた
  • 正体が分からず不安がある、種類だけでも確かめたい

赤いできものは、良性のものと、区別が必要なものの見た目が似ていることがあります。数の多さより「変化しているかどうか」を目安に相談してください。あび皮膚科クリニックは2027年の開業を予定しており、開業後は皮膚のできものの診察とダーモスコープによる確認に対応する予定です。

よくある質問

Q. 老人性血管腫は放っておいても大丈夫ですか?

はい。老人性血管腫そのものは良性のできもので、治療せずに経過をみても問題ありません。ただし、「赤いできもの=すべて老人性血管腫」というわけではありません。短期間で急に大きくなった、出血を繰り返す、形や色が変わってきた場合には、一度皮膚科で確認することをおすすめします。

Q. 自分で針を刺したり、切ったりして取ってもいいですか?

おすすめしません。老人性血管腫は血管が集まったできものなので、傷つけると思った以上に出血することがあります。また、傷あとや感染の原因になることもあります。

Q. 赤いほくろが黒っぽくなってきました。皮膚がんでしょうか?

黒っぽく見えるだけで、必ずしも皮膚がんというわけではありません。老人性血管腫の中で血液が固まると、赤紫色〜黒っぽく見えることがあります。

一方で、メラノーマなど一部の皮膚がんが赤色や黒色のできものとして見えることもあります。急に色が変わったものや、形がいびつなもの、徐々に大きくなっているものは注意です。

Q. 一度取っても、また老人性血管腫はできますか?

治療したものとは別に、新しい老人性血管腫ができることはあります。老人性血管腫は年齢とともに数が増えやすいため、現在あるものを治療しても、今後まったくできなくなるわけではありません。すべてを取る必要はなく、見た目が気になるものや、こすれて出血するものなど、困っているものだけ治療するという考え方でも問題ありません。

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参考情報

本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)

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