どちらもウイルスによるできもので、どちらも子どもに多く、どちらも「イボ」と呼ばれます。ところが原因ウイルスが別で、経過も対応も違います。保育園・学校からの指摘で来られることが多いので、まずどちらなのかをはっきりさせるところから始めます。
原因ウイルスが違う
水いぼ(伝染性軟属腫)は、伝染性軟属腫ウイルスによるものです。皮膚の浅いところにとどまるため、ブツブツはやわらかく、中に白い粥のような塊(軟属腫小体)が入っています。この塊がウイルスの本体で、潰れて他の場所につくと広がります。アトピー性皮膚炎などで皮膚のバリアが弱っていると、広がりやすくなります(関連記事: 水いぼの基本)。
イボ(尋常性疣贅)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)によるものです。こちらは表皮の細胞に入り込んで、角質を厚くつくらせるため、硬くザラザラした手触りになります。小さな傷から感染するので、手指・足の裏・ひざなど、ぶつけたり擦れたりする場所にできます(関連記事: イボの治療)。
見分け方の表
| 水いぼ | イボ(尋常性疣贅) | |
|---|---|---|
| 手触り | やわらかい・つるつる | 硬い・ザラザラ |
| 見た目 | 半透明でつやがあり、中央がへこむ | 肌色〜灰色でゴワゴワ。黒い点が見えることがある |
| できる場所 | わき・体幹・ひじの内側・ひざの裏など、やわらかい所 | 手指・足の裏・ひざなど、ぶつける所 |
| 自然に消えるか | 多くは数か月〜2年で消える | 待っても消えにくく、増えることが多い |
| 痛み | ない(かゆいことはある) | 足の裏だと歩くと痛いことがある |
| 主な治療 | ピンセットでの摘除、または経過を見る | 液体窒素による凍結療法が中心 |
| プール | 水では感染しない。入って構わない | 入って構わない |
表の中で誤解が多いのが足の裏のイボです。硬くなって痛むため、魚の目やタコと間違われます。削ったときに点状の出血がある(黒い点=細い血管)ならイボ、中心に芯があって出血しないなら魚の目というのが目安です(関連記事: イボと魚の目・タコの見分け方)。ここを取り違えて市販の角質を削る薬を使い続けると、イボの場合はウイルスを周囲に広げてしまいます。
治療 — 水いぼは「取るか、待つか」を相談して決めます
水いぼは、必ず取らなければならないものではありません。自然に消えるからです。一方で、ピンセットでつまんで取れば確実に減ります。取るかどうかは、数・場所・お子さんの年齢・皮膚の状態・ご家庭やきょうだいへの広がり方を見て決めます。取る場合は、痛みを和らげる貼り薬を事前に使う方法があり、これを使うかどうかも相談して決めます。
イボは治療します。液体窒素を当てて凍らせ、ウイルスの入った細胞ごと剥がれ落ちるのを待つのが基本で、1回では終わらず、1〜2週間おきに数回から十数回かかるのが普通です。ここで通うのをやめてしまうと元に戻るため、「何回か通うもの」と最初にお伝えしています(関連記事: 液体窒素による治療)。効きにくい場合は、塗り薬や貼り薬、飲み薬を組み合わせることがあります。
診察室でよく聞かれる質問
| 質問 | 答え | 理由 |
|---|---|---|
| 水いぼでプールを休む必要はありますか? | ありません | プールの水を介してはうつらないためです。ただしビート板・浮き輪・タオルの共用は避けてください(関連記事: 水いぼとプール) |
| 水いぼは自分で取っていい? | やめてください | 潰した中身が周りに付いて広がるうえ、傷から細菌が入ってとびひになることがあるためです |
| イボは市販薬で治りますか? | 治ることもありますが、まず本当にイボかを確かめてください | 魚の目・タコやほかのできものと見分けがつきにくく、違うものに使うと悪化するためです |
| きょうだいにうつりますか? | どちらもうつります | 水いぼはタオル・肌の接触、イボは小さな傷から入ります。タオルとバスマットを分けるのが現実的な対策です |
| 肌が乾燥しているとできやすい? | できやすく、広がりやすくなります | 皮膚のバリアが弱いと、かき壊した傷からウイルスが入りやすいためです。保湿は予防としても意味があります(関連記事: 子どもの保湿) |
受診の目安
- 受診を — 子どもの体にツヤのあるブツブツが増えてきた
- 受診を — 手や足に硬くザラザラしたものができ、数が増えている
- 受診を — 足の裏が痛くて歩き方が変わってきた
- 受診を — 市販薬を2〜3週間使っても変わらない、または広がった
- 早めの受診を — ブツブツの周りが赤く腫れ、ジクジクしてきた(とびひを合併している可能性があります)
- 早めの受診を — 顔や陰部にできた、あるいは急激に数が増えた
あび皮膚科クリニックは2027年の開業を予定しています。開業のお知らせやご質問・ご意見は、お問い合わせフォームからお寄せいただけます。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「イボとミズイボ」(確認日: 2026-09-22)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-09-22)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

