「髪を洗うと指に当たるブツブツがある」「頭皮にニキビができて、かゆくて痛い」「潰すと白いものが出る」。頭皮は自分で見えないぶん、つい触って確かめてしまう場所です。触ったり潰したりすることで、かえって長引かせている方が多いのが頭皮のブツブツの特徴です。
頭皮のブツブツとは(なぜできるのか)
頭皮は、体の中でも毛穴と皮脂腺が特に多い場所です。さらに髪に覆われて蒸れやすく、汗・皮脂・整髪料・シャンプーが残りやすいという条件がそろっています。
この毛穴の中で、皮脂を栄養にする菌やカビ(真菌)が増えたり、毛穴の周りに炎症が起きたりすると、ニキビに似た赤いブツブツや、膿をもったブツブツができます。顔のニキビとは原因の菌が違うことが多いので、「頭皮ニキビ」と呼ばれていても、治療の中身は変わってきます。
原因別の見分け
| 原因 | 見た目・症状 | 治療の方向 |
|---|---|---|
| 細菌による毛包炎 | 毛穴を中心に赤く、中央に膿。痛みがある。大きく腫れると「おでき」になる | 抗菌薬の外用・内服(関連記事: 毛包炎) |
| カビ(真菌)による毛包炎 | 同じ大きさの小さな赤いブツブツが多発。かゆみがある。汗をかく季節に悪化 | 抗真菌薬(カビの薬)。ニキビ薬や抗菌薬は効きにくい |
| 脂漏性皮膚炎 | 赤みと、黄色っぽいベタついたフケ。生え際・耳の後ろにも | 抗真菌薬の外用、ステロイド外用、シャンプーの工夫(関連記事: 脂漏性皮膚炎) |
| かぶれ(接触皮膚炎) | かゆみの強い赤いブツブツ。新しいシャンプー・カラー剤のあと | 原因をやめる、ステロイド外用 |
| 粉瘤 | 皮膚の下の丸いしこり。中央に小さな黒い点。ゆっくり大きくなる | 炎症がなければ手術で摘出(関連記事: 頭のしこり) |
実際には、細菌による毛包炎と、脂漏性皮膚炎・カビによる毛包炎が重なっていることもよくあります。見た目だけで分けきれない場合は、ブツブツの中身を顕微鏡で調べてカビ(真菌)がいるかを確認します。
治療とセルフケア
治療は原因に合わせて選びます。細菌なら抗菌薬、カビ(真菌)なら抗真菌薬、脂漏性皮膚炎なら抗真菌薬とステロイドの組み合わせが基本です。頭皮には、髪の間に塗りやすいローションタイプの外用薬を使います。
セルフケアで効果が大きいのは、次の3つです。
- シャンプーはしっかり泡立て、すすぎに洗う時間の倍をかける — すすぎ残しの洗浄成分や整髪料が、毛穴の刺激になるためです
- 爪を立てずに、指の腹で洗う — 爪で頭皮に傷をつけると、そこから菌が入ります
- ブツブツを潰さない・いじらない — 潰すと炎症が深くなり、治るまでの時間が延びます。触った手で別の場所に菌を広げることもあります
そのほか、洗ったあとは早めに髪の根元まで乾かす(湿ったままだとカビや菌が増えやすい)、整髪料やオイルは頭皮に直接つけない、汗をかいたら帽子・ヘルメットの中を蒸れたままにしない、といった工夫も役立ちます。脂漏性皮膚炎やカビが関わる場合は、市販の抗真菌成分入りのシャンプーを併用することもあります。
診察室でよく聞かれる質問
| 質問 | 答え | 理由 |
|---|---|---|
| 顔用のニキビ薬を頭皮に塗ってもいいですか? | 効かないことが多いのでおすすめしません | 頭皮のブツブツは、顔のニキビとは原因の菌が違うことが多いためです |
| シャンプーは1日2回したほうがいい? | 1日1回、しっかりすすげば十分です | 洗いすぎると頭皮が乾燥し、かえって皮脂やかゆみが増えることがあるためです |
| ブツブツで髪が抜けませんか? | ふつうの毛包炎で、髪が生えなくなることはまれです | ただし大きく腫れる・くり返す場合は、毛根が傷んで跡が残ることがあるので早めに治療を |
| かゆくて寝ている間にかいてしまいます | 爪を短く切り、かゆみを抑える治療を先に始めてください | かき傷から菌が入って、さらにブツブツが増える悪循環になるためです |
受診の目安
- 受診を — ブツブツが2週間以上続く、くり返す
- 受診を — かゆみが強い、フケが増えた
- 受診を — 市販薬やシャンプーを変えても良くならない
- 受診を — 皮膚の下にしこりがある、だんだん大きくなる
- 早めの受診を — 大きく腫れて痛い、膿がたまっている、熱をもっている
- 早めの受診を — ブツブツのある場所の髪が抜けてきた、発熱がある
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関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A にきび(確認日: 2026-09-23)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-09-23)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

