ピアスケロイドとは?耳たぶのしこりが大きくなる原因と治療(注射・手術・再発予防)、ピアスは続けられるか

ピアスケロイドとは?耳たぶのしこりが大きくなる原因と治療(注射・手術・再発予防)、ピアスは続けられるか
DERMATOLOGY GUIDE | DERMATOLOGIC SURGERY
更新日: 2026年9月25日執筆: あび皮膚科クリニック編集部医師紹介

「ピアスを開けた耳たぶに、硬いしこりができて取れない」「最初は米粒くらいだったのが、1年でさくらんぼくらいになった」「ときどきかゆい、押すと痛い」。ピアスの穴のしこりにはいくつか種類があり、ケロイドはその中でも「大きくなり続ける」のが特徴です。この記事では、ピアスケロイドの見分け方と治療の流れを解説します。

目次

ピアスケロイドとは(なぜできるのか)

ケロイドは、傷を治すための組織(線維)が、傷が治ったあとも作られ続けてしまい、盛り上がったしこりになる状態です。ピアスの穴も小さな傷なので、耳たぶや耳の軟骨にケロイドができることがあります。

できやすさには体質が大きく関わり、家族にケロイドの人がいる、ほかの傷あとも盛り上がりやすいという方は注意が必要です。そのうえで、次のようなことがきっかけになりやすいとされています。

  • ピアスの穴が化膿した・腫れをくり返した
  • 穴が安定する前に、ピアスを頻繁に付け外しした
  • 重いピアスや、穴を引っぱるピアスを長く着けていた
  • 耳の軟骨(上のほう)に開けた

ケロイドの詳しい仕組みは、関連記事「ケロイド・肥厚性瘢痕」でも解説しています。

ほかのピアスのしこりとの見分け方

ピアスの穴のまわりにできるしこりは、ケロイドだけではありません。見分けるポイントは「大きくなり続けるか」「中身が出るか」です。

しこり 見た目・経過 治療の考え方
ケロイド 硬く、表面がつるっとした赤〜肌色のしこり。数か月〜年単位で大きくなり続け、穴の前後両側にできることが多い。かゆみ・痛みを伴うことがある 自然には小さくなりにくい。注射・手術などで治療
肉芽(にくげ) 穴の出口にできる、赤くやわらかいぷっくりしたもの。じくじくしたり出血しやすい 炎症や刺激が続いているサイン。原因を取り除くと小さくなることが多い(関連記事: ピアスの肉芽)
粉瘤(ふんりゅう) 皮膚の下のやわらかめのしこり。中央に小さな黒い点があり、押すとくさいドロッとしたものが出ることがある 袋ごと取り出す手術(関連記事: 粉瘤とは)
感染・化膿 急に赤く腫れて熱をもち、痛い。膿が出る 感染の治療が先(関連記事: ピアストラブル)

肉芽や化膿を放置して炎症が長引くと、それがケロイドのきっかけになることもあります。「治りきらない穴」も早めに相談することが、ケロイドの予防につながります。

治療の方法

小さいうちは注射や貼り薬などの手術しない治療、大きいものは手術と再発予防の組み合わせが基本の考え方です。耳たぶのケロイドは手術だけだと再発しやすいため、手術後の再発予防まで含めて計画します。

治療 内容 注意点
ステロイドの注射 しこりに直接注射して、線維が作られるのを抑え、平らに近づける。数週間おきにくり返す 注射の痛みがある。まわりの皮膚が薄くなる・へこむことがある
ステロイドの貼り薬・塗り薬 しこりに貼り続けて、盛り上がりやかゆみを抑える 効果が出るまで数か月かかる。かぶれることがある
飲み薬 かゆみや赤みを抑える目的で、ケロイドに使える飲み薬を併用することがある 単独で小さくする力は強くない
圧迫 耳たぶを両側からはさむ専用のイヤリング(圧迫具)を長時間着ける 手術後の再発予防として特に大切
手術 ケロイドを切り取り、傷を丁寧に縫い合わせる 手術だけでは再発しやすい。術後の注射・圧迫、場合により放射線治療を組み合わせる

耳たぶのケロイドの手術は、局所麻酔で日帰りで行うのが一般的です。治療後も、数か月〜1年ほどは再発していないか通院で確認します。ケロイドは時間をかけて再発することがあるためです。

診察室でよく聞かれる質問

質問 答え 理由
治療したら、またピアスを開けられますか? ケロイドができた耳には、基本的にはおすすめしません 一度ケロイドができた方は体質的にできやすく、再び開けると再発しやすいためです。どうしても希望する場合は、治療が落ち着いてから医師と相談してください
ピアスを外せば小さくなりますか? 外しても、ケロイドそのものが小さくなることはほとんどありません ただし、刺激が減るので大きくなるスピードが落ちることは期待できます
自分で切ったり、糸でしばったりしてもいいですか? やめてください 傷がきっかけになって、かえって大きなケロイドになることがあるためです
反対の耳や、ほかのところにも開けて大丈夫ですか? 新しく開けるのは慎重に考えてください ケロイドの体質は体のほかの場所にも関わるためです

受診の目安

  • 受診を — ピアスの穴のまわりの硬いしこりが、少しずつ大きくなっている
  • 受診を — しこりがかゆい・痛い、見た目が気になる
  • 受診を — 穴がじくじくする、赤い肉芽ができて治りきらない(ケロイドのきっかけになりうるため)
  • 早めの受診を — 赤く腫れて熱をもち、膿が出る・痛みが強い(感染の可能性)
  • 受診を — 家族にケロイドの人がいて、これからピアスを開けようか迷っている

あび皮膚科クリニックは2027年の開業を予定しています。開業のお知らせやご質問・ご意見は、お問い合わせフォームからお寄せいただけます。

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参考情報

本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)

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