「最近、子どものほくろが増えてきた気がする」「足の裏にほくろを見つけて、ネットで調べたら怖くなった」「顔のほくろを、いつか取ってあげたほうがいいのか」。保護者の方からよく受ける相談です。子どものほくろの多くは、成長の一部です。見守ってよいものと、診てもらったほうがよいものの目安を整理します。
子どものほくろとは(なぜ増えるのか)
ほくろは、皮膚の色をつくる「メラノサイト」という細胞が変化した「母斑細胞(ぼはんさいぼう)」が集まってできた、良性のできものです。医学的には「色素細胞母斑」と呼びます。
ほくろは大きく2つに分けられます。
- 生まれつきのほくろ(先天性) — 生まれたときや生後まもなくからあるもの。大きさはさまざまです
- あとからできるほくろ(後天性) — 幼児期から思春期にかけて増えていくもの。紫外線を多く浴びるほど増えやすいとされています
子どもの体が大きくなれば、皮膚も広がります。体の成長に合わせてほくろが少し大きくなるのは、自然なことです。思春期に色が濃くなったり、少し盛り上がったりすることもあります。
見守ってよいほくろ・診てもらいたいほくろ
| 見た目・変化 | 考え方 |
|---|---|
| 数が少しずつ増えている | 多くは成長の一部。見守ってよい |
| 体の成長に合わせて、形を保ったまま大きくなる | 多くは心配いらない |
| まわりが白く抜けてきた | 「サットン母斑(白いふちのほくろ)」のことが多い。一度診てもらうと安心(関連記事: 白いふちのほくろ) |
| 生まれつきあり、大きい(手のひらより大きいなど) | 早めに皮膚科へ。年齢に応じた経過観察や治療の相談が必要 |
| 短期間で形がいびつになる、色にむらが出る、出血する | 早めに皮膚科へ |
| 足の裏・手のひらのほくろ | 多くは良性。しわの溝に沿った線状の模様なら心配いらないことが多い(関連記事: 足の裏のほくろ) |
ほくろのがんとして知られる「メラノーマ(悪性黒色腫)」は、子どもではとてもまれです。ただ、ゼロではないため、上の表の「早めに皮膚科へ」に当てはまるときは、自己判断せずに相談してください。皮膚科では、ダーモスコピーという拡大鏡で、痛みなく模様を詳しく調べることができます(関連記事: ダーモスコピー検査)。
取る・取らないの考え方と治療
良性のほくろは、基本的に取る必要はありません。取るかどうかは、見た目の悩み、こすれて引っかかる場所か、将来の変化の心配があるか、などをあわせて考えます。
- 生まれつきの大きなほくろ — 大きさや場所によって、成長の途中で手術を検討することがあります。形成外科と連携して計画することが多いです
- 小さなほくろ — 急いで取る理由がなければ、本人が自分で決められる年齢になってから相談する方法もあります
- 取る方法 — 局所麻酔で切り取って縫う方法や、削る・レーザーで取る方法があります。取ったものは顕微鏡で調べることができます(関連記事: ほくろ除去の方法)
小さな子どもは、局所麻酔の注射や、手術中にじっとしていることが難しい場合があります。年齢や部位によっては、全身麻酔が可能な病院へ紹介することもあります。
毎日のケアとしては、日焼け止めや帽子で紫外線を防ぐことが大切です。紫外線はほくろの数を増やす要因のひとつと考えられているためです(関連記事: 子どもの紫外線対策)。
診察室でよく聞かれる質問
| 質問 | 答え | 理由 |
|---|---|---|
| ほくろをいじってしまいます。大丈夫ですか? | 触ったくらいで、がんに変わることはありません | ただし、ひっかいて傷になると出血や炎症を起こすため、服や髪ゴムでこすれる場所なら相談してください |
| 何歳から取れますか? | 決まった年齢はありません。ほくろの大きさ・場所と、お子さんが処置に耐えられるかで決めます | 小さな子どもでは麻酔の方法の選び方が変わるためです |
| 写真を撮っておいたほうがいいですか? | はい。定規と一緒に、数か月おきに撮っておくと役立ちます | 「大きくなった気がする」を、診察のときに客観的に比べられるためです |
受診の目安
- 早めの受診を — 生まれつきの大きなほくろがある
- 早めの受診を — 数か月で形がいびつになる、色にむらが出る、盛り上がってくる、出血・じくじくする
- 受診を — 足の裏・爪のほくろや、爪の黒い線が気になる(関連記事: 爪の変色)
- 相談を — 見た目や、こすれる場所で取りたい
あび皮膚科クリニックは2027年の開業を予定しています。開業のお知らせやご質問・ご意見は、お問い合わせフォームからお寄せいただけます。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A ホクロ(確認日: 2026-09-27)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A メラノーマ(確認日: 2026-09-27)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

