イボとほくろの違いは?ウイルス性イボ・老人性イボ・スキンタッグの見分け方と、自分で取る前に皮膚科で確かめること

イボとほくろの違いは?ウイルス性イボ・老人性イボ・スキンタッグの見分け方と、自分で取る前に皮膚科で確かめること
DERMATOLOGY GUIDE | DERMATOLOGIC SURGERY
更新日: 2026年9月29日執筆: あび皮膚科クリニック編集部医師紹介

「顔にできた茶色いポツッとしたもの、イボなのかほくろなのか分からない」。皮膚科ではとてもよくある相談です。日常では、皮膚から盛り上がったものを広く「イボ」と呼ぶことが多いのですが、実際には原因がまったく違ういくつかのできものが含まれています。ウイルスでうつるものもあれば、年齢とともに増えるもの、生まれつきの体質によるものもあります。種類によって治療法が違うため、まずは見分け方の全体像を知っておきましょう。

目次

イボとほくろとは(それぞれの正体)

ウイルス性イボ(尋常性疣贅)は、ヒトパピローマウイルスというウイルスが、皮膚の小さな傷から入り込んでできるものです。手の指や足の裏に多く、触るとザラザラしています。ウイルスなので、ほかの場所や人にうつることがあります。

老人性イボ(脂漏性角化症)は、皮膚の表面の細胞が年齢とともに増えてできる良性のできものです。紫外線を浴びやすい顔・首・手の甲や、体幹に多く見られます。「老人性」という名前ですが、早い人では30代から出てきます。うつるものではありません。

ほくろ(色素細胞母斑)は、メラニン(皮膚の色のもと)をつくる細胞が集まってできる良性のできものです。平らなものも盛り上がったものもあり、色は茶色〜黒、肌色に近いものもあります。

スキンタッグ(アクロコルドン・軟性線維腫)は、首・ワキ・胸元など、こすれやすい場所にできる小さくやわらかい突起です。首のまわりに多発することが多く、「首のイボ」と呼ばれることもあります。これもうつるものではありません。

症状・見分け方(4つのできものの比較)

種類 見た目・さわった感じ できやすい場所 うつるか
老人性イボ(脂漏性角化症) 茶色〜黒。表面がカサカサして、皮膚に貼りついたように盛り上がる 顔、こめかみ、首、手の甲、背中 うつらない
ほくろ 茶色〜黒、または肌色。表面がなめらかで色が均一。毛が生えていることもある 全身どこでも うつらない
ウイルス性イボ 肌色〜白っぽく、表面がザラザラして硬い。削ると黒い点(小さな血管)が見える 手指、足の裏、ひざ、顔 うつることがある
スキンタッグ 肌色〜薄い茶色。小さくやわらかく、根元がくびれていることがある 首、ワキ、胸元、まぶた うつらない

実際の外来では、中高年の方の顔や首の相談では老人性イボとほくろの見分けが特に多く、手足の相談ではウイルス性イボと魚の目・タコの見分けが多くなります。皮膚科では、ダーモスコピーという拡大鏡で表面の模様や色の分布を観察して見分けます。痛みのない検査で、その場で行えます。見た目で判断がつかない場合や、悪性のものとの区別が必要な場合は、一部を取って顕微鏡で調べる検査(生検)を行うこともあります。

自分で取らない方がよい理由と、気をつけたいサイン

はさみで切る、爪で引っかく、糸でしばる、といった自己処理はおすすめしません。理由は次のとおりです。

  • ウイルス性イボは広がる: 傷からウイルスが周りに広がり、数が増えることがあります。
  • 出血や化膿のもとになる: 小さく見えても血管が通っており、思ったより出血したり、傷が化膿したりします。
  • 正体が分からなくなる: 一部だけ取れて残ると、あとで診察したときに何だったのか判断しにくくなります。

市販のイボ取り薬(サリチル酸の貼り薬など。イボコロリなどが代表的です)は、手足のウイルス性イボ向けのものです。顔・首・ほくろ・老人性イボには使わないでください。正常な皮膚までただれることがあります。

また、ほくろのように見えるもののなかに、ごくまれに皮膚がん(メラノーマなど)が含まれていることがあります。怖がる必要はありませんが、次のような特徴があれば一度皮膚科で確認しておくと安心です。

  • 形が左右対称でなく、いびつ
  • ふちがギザギザしていたり、周りににじみ出していたりする
  • 1つのなかで色むらがある(濃淡、茶・黒・赤などが混ざる)
  • 直径が6mmを超えて大きい
  • 最近になって、大きさ・形・色が変わってきた

足の裏や手のひら、爪に新しくできた黒い点や線も、一度診てもらいましょう。多くは良性ですが、見た目での判断が難しい場所だからです。

治療・セルフケア

治療は種類によって大きく変わります。代表的なものを整理します。

  • ウイルス性イボ: 液体窒素で凍らせる治療(冷凍凝固療法)が基本で、保険が使えます。1回で取れることは少なく、1〜2週間ごとに繰り返すのが一般的です。治りにくい場合は、ヨクイニン(ハトムギ由来の漢方薬)の飲み薬や、サリチル酸の外用などを組み合わせることもあります。
  • 老人性イボ: 液体窒素で凍らせる治療が保険で行われます。見た目が気になって取りたい場合には、炭酸ガスレーザーなどの自由診療の方法が選ばれることもあります。
  • ほくろ: 悪性が疑われる場合や、大きくて生活に支障がある場合は、メスで切り取り、取ったものを顕微鏡で調べます(保険適用になることが多い方法です)。見た目の目的で小さなほくろを取る場合は、炭酸ガスレーザーなどの自由診療になることがあります。
  • スキンタッグ: 小さなものはハサミで根元から切る、液体窒素で凍らせる、などの方法で取ります。数が多い場合は、何回かに分けて行います。

レーザーで取ったあとは、赤みや色素沈着(茶色いあと)がしばらく残ったり、軽いへこみができたり、再発したりすることがあります。取る前に、どの方法が合っているか、どんなあとになりやすいかを医師と相談しておきましょう。

※見た目の改善を目的としたレーザー治療は自由診療です。費用は医療機関ごとに異なり、効果の感じ方には個人差があります。

セルフケアとしては、ウイルス性イボはタオル・バスマット・爪切りの共用を避け、イボを触った手でほかの場所を触らないことが大切です。老人性イボやほくろは紫外線の影響を受けるため、日焼け止めや帽子で日ごろから紫外線を防ぐことが、新しいものを増やしにくくする基本になります。

受診の目安

  • 数が増えてきた、広がってきた
  • 大きさ・形・色が最近変わってきた、出血したり、じくじくしたりする
  • 足の裏のものが歩くと痛い
  • ひげ剃りやネックレス、衣類に引っかかって気になる
  • イボかほくろか分からず、気になっている

小さいうちの方が、治療の回数や傷あとが少なく済みやすくなります。受診の前に、スマートフォンで写真を撮っておくと、その後の変化を比べる材料になります。

よくある質問

老人性イボは放っておいても大丈夫ですか?

老人性イボ自体は良性で、健康に害があるものではないため、気にならなければ治療しなくてもかまいません。ただし、自分で老人性イボだと思っていたものが別のできものだったということもあるため、最初に一度は皮膚科で確認しておくと安心です。

ウイルス性イボはプールや銭湯に行っても大丈夫ですか?

基本的には行ってかまいません。足の裏にある場合は、ビーチサンダルをはく、バスマットやタオルを共用しない、といった工夫で、ほかの人にうつすリスクを減らせます。

ほくろを取ったら、また出てきますか?

メスで根元まで取った場合は、再発は少ないとされています。レーザーで浅く削った場合は、細胞が残って再び色が出てくることがあります。どちらの方法が合うかは、ほくろの大きさ・場所・深さで変わります。

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参考情報

本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)

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